田舎と田舎の二拠点生活
2020.02.19 UP

連載 | 田舎と田舎の二拠点生活 | 30 「二拠点生活」にかかる費用をご紹介。

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 多拠点生活を始めようかと検討している人から尋ねられることの一つが「費用」。当然ながら、拠点が増えると費用も増える。我が家の場合、主に加算されるのは、移動費、配送料、二拠点それぞれの生活環境を整える費用、夫が一人暮らしの時にかかる外食費だ。簡単に費用を紹介しよう。

二拠点生活をすることで加算される費用。

 まずは移動費。私と娘は公共交通機関で移動しており、大人片道約1万円。続いて郵送費が約1500円。娘がいない時は、キャリーバッグにすべての荷物を入れて運んでいたが、「つわり」をする頃から荷物を郵送している。仮に月に1往復したとしたら、移動費と郵送料だけで年間約27万6000円。

 続いて、二拠点それぞれの生活環境を整える費用。私の場合は、ずっと住んできた実家と夫が住んできた家を行き来しているので、私が二拠点生活を始めたからといって、新たに購入したものはほぼなく、用意したのはパジャマと私の服を入れる収納ケースのみ。結構費用がかかったのがベビー用品で、両方に用意をしたのは、布団、バウンサー、椅子、授乳クッション、おむつ入れ専用のゴミ箱、体温計、おしりふきケース、爪切り、ベビーカー、チャイルドシート、ベビーゲート、チャイルドロック。あとは、石鹸やタオル、オムツ、おしり拭きなどの消耗品だ。

 衣類は使用期間が短い上に量が多いので 二拠点分購入するのはもったいなくて郵送。哺乳瓶、おもちゃ、ストローマグ、スプーンなど、移動当日に使うものは手荷物。

 幸いにも、我が家はベビー用品をたくさん譲ってもらったが、成長とともに出てくる必要な子ども用品を、すべて両拠点に購入していたら大変だ。

 そして、一人暮らし時の夫の外食費。費用はかかるけれど、自炊もしつつ、時々栄養バランスが取れた添加物も入っていないおいしいプロの料理を時々食べてくれるのは、健康に良いので必要費用と捉えている。

加算される費用をフォローする収入が必要。

 ここに更に、家賃、車代、駐車場代も倍かかる人もいるので、二拠点生活をするならば、費用をフォローするだけの収入が必要になる。私の場合は、そもそも二拠点生活をする一番の目的が「仕事」で、二拠点生活をしたほうが断然収入が多いため、費用がかかっても「その分仕事を頑張ろう」と前向きに捉えることができている。

 なお、私も家族も、二拠点生活には、お金には代えられない豊かな価値を感じている。もし費用で躊躇している人がいたとしても、その分の収入を得る作戦を練って、乗り越えてほしいと願う。

ある日の夫婦

 年末は、夫、私、娘の順で胃腸炎をうつしあってダウン......。幡豆で私や娘が完全にダウンするのは初めてで困惑した。特に困ったのは、私がダウンした時。初めて長時間娘を夫に預け、 夜の添い寝も託した。ありがたくも夫は終始頼もしく、夜間に起きた時の寝かしつけも初経験ながら涼しい顔でこなし、私をしっかりと休ませてくれた。大変だったが、夫と協力しあって乗り切る大切な経験となったし、病気に対する意識が高まった。

記事は雑誌ソトコト2020年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

文 ● 黒島慶子
イラスト ● 宮本貴史

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黒島慶子 

くろしま・けいこ
醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー。小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときから小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、様々な人やコトを結びつけ続ける。2017年7月6日に、愛知県の幡豆で無農薬で大豆と米を育て、米・豆・麦の麹を作る『宮本農園・みやもと糀店』の宮本貴史と結婚。高橋万太郎との共著『醤油本』を出版。