スマイル アフリカ プロジェクト
2020.02.21 UP

連載 | スマイル アフリカ プロジェクト | 132 日本全国から集まった10万足のシューズ。子どもたちの足元を守っています。

LOCAL

「スマイル アフリカ プロジェクト」でシューズ回収を行い、11年となりました。
その回収数は10万足を超えました。一足一足に込められた思いとともに、アフリカ・ケニアを中心に、現地でシューズを必要としている子どもたちに渡しています。
シューズ寄贈と回収のレポートです。

ケニアでシューズ寄贈が続いています。

 2009年に始まった「スマイル アフリカ プロジェクト」で、日本全国から集まったシューズは10万足を超えた。そのシューズを定期的にアフリカに送り、子どもたちに渡してきた。それは経済的に恵まれず、裸足やサンダルなどでの生活を送る子どもたちの足元を包み、感染症やケガから守るだけでなく、思いっきり走れる喜びを与え、そこからオリンピックを目指す子どもも生まれた。一足一足にドラマがあり、その先には笑顏もあった。

『チュオウド・ウィメンズ・グループ』のオフィスに併設された、『ソリ・レイクサイド・ホスピタル』
『チュオウド・ウィメンズ・グループ』のオフィスに併設された、『ソリ・レイクサイド・ホスピタル』

 あらためてシューズの必要性を考えたい。まずはケニアの首都・ナイロビから北西約140キロに位置するナクルの『ナクルヒルズ特別支援学校』で、作業療法士として活動をするJICA青年海外協力隊の荒川拓也氏からのレポートである。

 「靴をくして裸足で生活をしていたり、傷みが激しく日本では捨てられるような靴を履き続ける子どもがいます。グラウンドで石を踏みつけて足裏から出血したり、車椅子の前輪に足が巻き込まれたりするのも見ました。靴の必要性を強く感じ、子どもたちが安心して遊べる環境がほしいと思ってきました」

病院の患者でもある子どもたちにシューズを贈ったが、その親たちもいっしょに喜んでくれた。
病院の患者でもある子どもたちにシューズを贈ったが、その親たちもいっしょに喜んでくれた。

 荒川氏は職業訓練などで生徒の自立を支援する活動をしているが、自立した生活を安全に送るためにもシューズは不可欠だ。ここでは昨年9月、荒川氏を通じて200足のシューズ寄贈が行われた。

 ケニア西部のヴィクトリア湖のほとりにあるミゴリカウンティ・ソリ地区で活動する青年海外協力隊の渡邊智史氏は、『ソリ・レイクサイド・ホスピタル』に入院、通院する子どもたちに31足のシューズを寄贈した。

青年海外協力隊隊員にとっても地元と関係を深められる機会となり、有意義だったと渡邊さん。
青年海外協力隊隊員にとっても地元と関係を深められる機会となり、有意義だったと渡邊さん。

 「普段は樹脂製のスリッパを履いている子どもが多く、最初はしっかりとしたシューズに慣れない子どももいました」。ただ、 がむき出しになるスリッパよりもシューズは安全だ。配布を始めると、むしろ親たちが喜んでくれていたという。

病院の患者でもある子どもたちにシューズを贈ったが、その親たちもいっしょに喜んでくれた。

子どもたちのため、企業内でシューズ回収活動。

 相原功志氏は、タンザニアとの国境に接するナマンガで2004年に「キラキラ・プロジェクト」を創設し、幼稚園と小学校の運営をしてきた。17年には学校法人化も行い、『キラキラ学園』として幼稚園、小学校、土曜補習教室の運営を続けている。相原氏も同学園で298足のシューズ寄贈を行った。

相原功志さんが代表を務める『キラキラ学園』でのシューズ寄贈。現在、幼稚園には115人、小学校(1〜6年生)に220人、土曜補習教室に15人の園児・児童が通っている。
相原功志さんが代表を務める『キラキラ学園』でのシューズ寄贈。現在、幼稚園には115人、小学校(1〜6年生)に220人、土曜補習教室に15人の園児・児童が通っている。

 「地方の町の低所得層の家庭では、学校の制服やセーターを用意することだけで大変で、足元にまでケアが及びません。シューズの寄贈で、子どもたちは走ったりする活動がしやすくなるでしょう」

 このように11年間続いてきたシューズ寄贈活動だが、プロジェクト発足当初から賛同と支援をいただいてきた『三菱商事』では、社員のボランティアが社内に回収ボックスを設置してシューズを回収し、ナイロビ駐在員を中心に現地スラム地区での配布活動にも参加し、ランニングイベントで現地の子どもたちと直接ふれ合ってきた。

プロジェクト開始当初から賛同をいただいている『三菱商事』社内でのボランティアによるシューズ回収。ケニアでのシューズ寄贈に参加してくれた社員も多い。
プロジェクト開始当初から賛同をいただいている『三菱商事』社内でのボランティアによるシューズ回収。ケニアでのシューズ寄贈に参加してくれた社員も多い。

 このような支援者が全国にいて集まった10万足のシューズ。そして寄贈を手伝ってくれる方々。プロジェクトには多くの人の思いと笑顏が詰まっている。

シューズ回収は目標の10万足を達成しました。みなさまのご協力、ありがとうございました。

シューズ回収プログラム終了のお知らせ

 10万足の回収を目標に2009年から推進してきたシューズ回収プログラムですが、2019年11月23日をもちまして、回収の受け付けを終了し、現在、会員の募集・継続は休止しています。みなさまからお預かりしたシューズは1足ずつ検品を行った後、2020年初めにアフリカに向けて送り、現地の子どもたちへ寄贈を行っていきます。詳細につきましては下欄の事務局・問い合わせ先にお問い合わせをいただくか、プロジェクトのホームページをご覧ください。

チャリティ・プログラム

 会員制度とは別に、ご寄付を随時受け付けております。そのご寄付はシューズ回収プログラムの活動費としてのみ、大切に使用させていただきます。
協力:一般社団法人 ロハスクラブ
寄付専用お振り込み先
三井住友銀行 日本橋支店(695) 普通口座:8064395 名義:スマイルアフリカプロジェクト事務局
みずほ銀行 築地支店(015) 普通口座:2659237 名義:スマイルアフリカプロジェクト事務局

問い合わせ先:木楽舎内「スマイル アフリカ プロジェクト事務局」(営業時間/平日10:00〜18:00、土・日曜、祝日休み)
〒104-0044 東京都中央区明石町11-15 ミキジ明石町ビル6F tel.03-3524-9572 fax.03-3524-9675

記事は雑誌ソトコト2020年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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黒井克行

くろい・かつゆき
1958年北海道出身。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て、ノンフィクション作家に。主な著書に、『高橋尚子 夢はきっとかなう』(学習研究社)、『テンカウント』(幻冬舎文庫)、『男の引き際』(新潮新書)、『日野原新老人野球団』(幻冬舎)など。日本大学法学部非常勤講師も務める。