低糖質おやつとコーヒー Locco
2020.03.13 UP

“3坪”のお店が大賞を受賞!静岡県「地域のお店」デザイン表彰、今年度の受賞店が決定。

LOCAL

小誌編集長・指出が審査委員長を務めている、静岡県「地域のお店」デザイン表彰が今年度も実施された。栄えある大賞に輝いたのは、藤枝市の小さなカフェスタンドでした。

 静岡県で行われている、「地域のお店」デザイン表彰は、地域や社会への貢献や広い意味でのデザインという視点で、県内の魅力と個性あふれる個店を表彰するという取り組みだ。4年目となる今回も「店舗デザイン」「コミュニケーションデザイン」「ソーシャルデザイン」という3つの審査基準をもとに、大賞1店、優秀賞2店、特別賞2店が選出された。

 大賞は、藤枝市で低糖質のお菓子を販売する『低糖質おやつとコーヒー Locco』。藤枝駅の南口から歩いてすぐ、地元で古くから続く洋品店『キリンヤ』の一部を間借りして、店主の畑山大介さんと妻の響子さんが切り盛りする、あたたかい雰囲気が印象的なお店だ。

『キリンヤ』の店内に間借りしているが、大きな仕切りはなくオープンな空間に。
『キリンヤ』の店内に間借りしているが、大きな仕切りはなくオープンな空間に。

 「低糖質のものを作ろうと思ったのは奥さんが1型の糖尿病だったからというのが大きな理由の一つです。2015年に脱サラして何をしようかと思っていた時、周りに低糖質の商品はあまりなかったので自分たちで作って、同じように困っている人のためになれば、というコンセプトで始めました」と大介さん。今ではその思いに共感して訪れるお客さんも多くいる。

接客する妻の響子さん。同じ病気に悩む人が相談に来ることもあるそう。
接客する妻の響子さん。同じ病気に悩む人が相談に来ることもあるそう。

 お菓子だけでなく、その店舗も特徴的だ。洋品店と空間をシェアしているが、その敷地面積はわずか3坪。その中で製造から販売までを行っている。「以前出店していたマルシェで『キリンヤ』のオーナーさんと知り合って、この場所でやらないかと誘ってもらいました」と大介さんは話す。地元で知られた場所の中ということもあり、地元の人たちからもすぐに受け入れてもらえた。今では近所のお年寄りが「一人では喫茶店に行けないけど、ここでなら飲めるからうれしい」といって来てくれるそうだ。

『キリンヤ』の店内に間借りしているが、大きな仕切りはなくオープンな空間に。
『キリンヤ』の店内に間借りしているが、大きな仕切りはなくオープンな空間に。

 響子さんの病気がきっかけで始まったこのお店だったが、今では地域の一部として機能し、地域商業の活性化に一役買っている。二人のストーリーと人柄、そして空間が醸し出す柔らかい空気を、ぜひ現地で感じてみてほしい。

優秀賞

とろろ汁の丁子屋

とろろ汁の丁子屋

 静岡市駿河区丸子7-10-10

Organic Cafe M2

Organic Cafe M2

 伊東市赤沢24-2

特別賞

ohdou cafe

ohdou cafe

 駿東郡清水町畑中65-4

修善寺 燕舎

修善寺 燕舎

 伊豆市修善寺825-2

静岡県「地域のお店」デザイン表彰

 地域や社会への貢献、個店の持つべき機能の発揮等、広い意味でのデザインという観点から、魅力と個性に優れた静岡県の個店を表彰。今年で4年目。

静岡県「地域のお店」デザイン表彰

指出EYE

 店舗シェアという形は、今、非常に求められている新しいものを感じ、また、お二人の柔らかい雰囲気と商品のストーリーにも惹かれます。糖尿病に悩む人の相談の場にもなっていて、自然体で個店づくりを行っているところが魅力的です。

記事は雑誌ソトコト2020年4月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

photographs by Katsura Komiyama
text by Hiroya Honma(SOTOKOTO)