まちの人事部長の目指すは『暮らし方・生き方改革』から始まるまちづくり
2020.03.21 UP

連載 | ながれやまlab. ‐まちをみんなでつくる‐ | 9 まちの人事部長の目指すは『暮らし方・生き方改革』から始まるまちづくり

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生き物のように変化進化していくmachiminですが、今回は「今後、どこに向かっていくのか」という方向性や可能性を考えてみます。

まちの人事部長が、“戦略があり、企画があり、人をあてる”、つまり、”この状態を目指したい、この組み合わせでプロジェクトを立ち上げよう、だからこの人を集めよう”という進め方をしていないのは、以前お話しした通りです。ヒトありきの配置配属はアートのように

方向性や可能性は、ヒトの組み合わせによる偶然や奇跡。決まっている解はない。

machiminに集まるヒトとは以下の4パターンに集約されると思っています。

①もうすぐ研修を終えるヒト
②研修を終えmachimin2-4を運営するスタッフになったヒトたちに共感し、新しく仲間になってくれるヒト
③新しく研修を受けたいと希望する、または、受けないかとお誘いするヒト
④研修を受ける意思はない常連さん、お客さん

このうち、②③④については現時点で未知数ですが、①についてはある程度想像することができます。つまり、machiminの方向性や可能性の言語化とは、“まちのヒト研修の中で『そのヒト』の好き・得意でできることや、やりたいことで、経済的なプロジェクトの自立が見込めるもの”を想像・創造していくことです。今回のお題に対するある程度の解は、もうすぐ研修を卒業するヒトの個性から導き出せると思うので、やってみることにしましょう。

現時点で研修を卒業する手前のヒトたちの個性

4事例を挙げてみます。研修のプロセスが、“できそう→できた→やりたい(が、見つかる・思い出す)→できないけどやりたい→できない→できない→できた!”だとしましょう。ここでは、研修を受けるヒトの中でも自分の好きや得意が何なのか分からず、できそうなことから始めるヒトを“種”と呼び、自分の興味関心に沿ってすでにやりたいことがあるヒトを“苗”と呼ぶことにします。

変化1

変化2

【Iさん】:女性、30代後半、苗、子どもの食育推進をしたい、創業も視野に入れている、本職は保育士、3児のママで育児休暇中、好奇心旺盛、言語化できていないがこだわりが強く見ないふりができない、やりたいことが多く妄想状態だったが最近絞れて見え始めている、全てから学ぶ意欲が非常に強い

【Uさん】:男性、20代後半、苗、高齢者福祉のビジネス化をしたい、本職はコミュニティマネジメント、やりたいことをいかに換金するのかがわかっていないが企画運営はばっちりできる、期待されてそれに応えることが多い、将来を見据えてハードとソフトをつなげる人材になりたい、THE好青年

【Kさん】:女性、30代前半、種、子どもの居場所作りをしたい、仕事が好きだからこそ子育て期間は専業主婦になることを選択した、子どもだけでなく多様な世代でのかかわりに興味をもつ、社会福祉士を取得したいと考える、ヒトの悪口を絶対に言わない、人の目を必ず見る、背伸びをしすぎず正直で真面目

【Tさん】:男性、20代前半、苗、ある鉄道に乗る人を増やしたい、電車詳細に激烈に詳しい、アイデアがたくさん出るタイプではないけどお題があると確実に形にできる、YES/NOがはっきりしていて譲れないことがある、目的と手段を間違えずブレないので長期戦が可能

変化3

現在こうした特性があるヒトたちがmachiminにいることを踏まえると、まちの人事部長が考えるmachiminの今後の方向性や可能性は3つです。

A)machimin1を、創業前トライアル店舗『菓子製造・喫茶営業免許ありシェアキッチン付のコミュニティスペース』としてレンタルする

ここは、私や研修を終えたヒトたちが創業支援、集客支援や企画のアドバイスをするという環境に加え、多様な方が訪れる駅舎併設の観光案内所を兼ねているからこそ、ユーザーど真ん中を見つけやすく、いいトライアルの場となるのではないかと思っています。福祉とビジネスの間をとれるプランを育てられる気がします。

変化4

B)machimin2を、「こんなのほしい・こんなことができる」を交換して『スモールビジネスを体験するためのマッチングスペース』として解放

ここには、運営費をはじめとして、何かに挑戦するための実費を稼ぐ・自分のおこづかいを稼ぐ程度のワンコインサービスを、まちの課題解決のためにやってみる人たちが集合すると想像しています。おそらく、専業主婦や育児休暇中の方、高齢者や学生がメンバーになるでしょう。この事業の目的が利益を出すためではなく、役に立つという実感を得るため・自信をつけるための機会として定着するには、最初の事例が大切になりそうです。

変化5

C)様々な“働くこと”についてのストーリーに触れられる『まちのOBOG訪問ができる“お仕事”図書館』を不定期開催

就職や転職を考えている人だけでなく、人生や暮らしの一部の仕事について見直したいと思っている全ての人が、互いにインタビューしあって、内省するきっかけを提供しあう場の提供が考えられます。まちにはいろんな仕事がありますから、企業ブランドや業種、また学歴や年齢性別など一切関係なく触れることができると、その先の展開は無限です。

変化6

最後に

これらはやろうと決めてやることではなく、自然発生するもの。

machimin1も、最初はなにもなかったのです。ただのガレージ(元タクシー車庫)をスタッフ1人から始めました。

変化7

いつも、今必要なモノや、今できることを更新し続けて、入れて出して繰り合わせや場所を変えて、日々実験・日々勉強で進んでいきます。1年後はさっぱりわからない、たった1ヶ月後だって、予想していなかったことが起きていると思います。それをみんなで楽しんで、失敗もたくさんして、自分とmachiminとまちを成長させることに邁進していきます。

変化8

連載は、いったんここでお休みしますので、想像したものが、結果どうなるのか?変化を肌で感じたい方は、ぜひ楽しみに来てくださいね!
また、書きます。

text● 株式会社WaCreation / machiminオーナー手塚純子

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手塚純子

株式会社WaCreation 代表取締役社長(本社:千葉県流山市)
1983年大阪生まれ神戸大学経営学部卒業。人的資源管理を学び、体育会アメフト部で組織マネージメントを実践し、人や組織の面白さにどっぷりはまる。2007年株式会社リクルート入社、営業・人事・企画を経験。ビジョン策定浸透・採用・人材育成などの分野でプロデュースを強みとする2児の母。生牡蠣とオムライスが好き。