手紙
2020.04.15 UP

連載 | スマイル アフリカ プロジェクト | 108 『ウォーキング&ジョギングクラブ』のメンバーを中心に、学校を挙げてのシューズ回収活動。

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学校会員の名古屋市立弥富小学校では2015年から毎年、シューズ回収活動を行ってくれています。
『ウォーキング&ジョギングクラブ』のメンバーを中心に、全校児童が参加する活動です。
17年末には131足のシューズが集まりました。

名古屋市立弥富小学校のシューズ回収レポート。

 「『スマイルアフリカ プロジェクト』に、みんなで取り組んでみないか?」

 先生からの提案に、『ウォーキング&ジョギングクラブ』の児童は、「やりたい」「小学校全体に呼びかければ、けっこう集まりそう!」と、シューズ回収活動のスタートが切られた。2015年のことだ。

シューズ回収を呼びかけるポスターを児童自らが制作。
シューズ回収を呼びかけるポスターを児童自らが制作。

 名古屋市立弥富小学校の教員・高田由基さんは100キロマラソンの日本代表でもあり、「歩く」や「走る」、そして持久走の楽しさを教えようと同校内で『ウォーキング&ジョギングクラブ』を立ち上げた。そして、その指導の中で地域や社会に貢献できる奉仕的な活動も取り入れたいと考えていたときにプロジェクトを知り、クラブの児童に問いかけるや、彼らが熱く応えたのである。

2017年12月に行われた体育館でのシューズ回収。サイズごとに回収し、みんなそれぞれがメッセージを書いた。
2017年12月に行われた体育館でのシューズ回収。サイズごとに回収し、みんなそれぞれがメッセージを書いた。

 活動はクラブの児童を中心に学校全体で取り組むことになり、15年には89足、16年には73足、そして17年は131足ものシューズが回収され、アフリカの子どもに寄贈されることとなった。

2017年12月に行われた体育館でのシューズ回収。サイズごとに回収し、みんなそれぞれがメッセージを書いた。

アフリカの子どもが、幸せになりますように。

 活動では何のためにシューズを集めるのか、きちんと理解をしてから回収しようと、実にていねいに行われる。17年の場合、回収日を12月14日・15日と定め、それに向けて10月から動き出した。まずは環境教育の一環として、プロジェクトが製作したDVDを観賞したり、これまでの活動報告をもとに、「アフリカの現状とシューズの必要性」を学んだ。児童はそれを受けて作文を書き、シューズ回収を呼びかけるポスターを描いた。

名古屋市立弥富小学校でのシューズ回収。まずは環境教育の一環として、プロジェクトの活動内容を紹介するDVDを観賞。
名古屋市立弥富小学校でのシューズ回収。まずは環境教育の一環として、プロジェクトの活動内容を紹介するDVDを観賞。

 その中からすぐれたものを各クラス1枚ずつ選び、廊下や掲示板に掲示し、学校全体がプロジェクト一色に染められた。さらに、学校行事の「作品展」としてもそれらのポスターが体育館に掲示され、保護者にもプロジェクトの趣旨を理解してもらった。

アフリカの子どもたちへのメッセージカード。
アフリカの子どもたちへのメッセージカード。

 「アフリカの子どものことを考え、一生懸命、シューズ回収に取り組む児童の姿は頼もしい」と高田さん。

2017年12月に行われた体育館でのシューズ回収。サイズごとに回収し、みんなそれぞれがメッセージを書いた。

 アフリカの子どもに向けて、メッセージを寄せた児童たちは、「元気にシューズを履いて走っている姿を想像しながら書きました」「みんなが幸せになるといいな」と感想を語ってくれた。回収したシューズはそのまま梱包するのではなく、改めて点検し、汚れが目立つものがあれば、児童は進んで洗ってくれたという。

集まったシューズを再度、点検。サイズが記入されているか、きちんと洗われているかなど、アフリカで受け取る子どもたちを思いながら細かくチェック。
集まったシューズを再度、点検。サイズが記入されているか、きちんと洗われているかなど、アフリカで受け取る子どもたちを思いながら細かくチェック。

 これを手にしたアフリカの子どもが大切にしないわけがない。この思いはしっかり伝わるはずだ。

 また、この活動をとおし、児童はいろいろなことを学んだようだ。「世界中の人が笑顏になれるように、これからも募金などいろんなことに取り組みたい」。そう話す児童もいた。これからの成長が楽しみだ。

17年は131足が回収された。
17年は131足が回収された。

 「自分ができることに、自ら進んで取り組んでいく児童が増えたのがうれしい」と高田さん。これからも活動を継続していくという。

 「千里の道も一歩から」ではないが、100キロの長丁場を知る高田さんならでの指導なのだろう。一歩の大切さを児童と分かち合い、アフリカに向けて一歩一歩刻み続けていただきたい。

記事は雑誌ソトコト2018年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

text by Katsuyuki Kuroi

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黒井克行

くろい・かつゆき
1958年北海道出身。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て、ノンフィクション作家に。主な著書に、『高橋尚子 夢はきっとかなう』(学習研究社)、『テンカウント』(幻冬舎文庫)、『男の引き際』(新潮新書)、『日野原新老人野球団』(幻冬舎)など。日本大学法学部非常勤講師も務める。