はじめまして、太田尚樹28歳、ゲイです。ー ゲイの僕にも、星はキレイで肉はウマイ VOL.1
2019.04.19 UP

はじめまして、太田尚樹28歳、ゲイです。ー ゲイの僕にも、星はキレイで肉はウマイ VOL.1

DIVERSITY

はじめまして。LGBTのエンタメ集団『やる気あり美』の太田尚樹と申します。これだけじゃ全然何をやっているのか伝わらないと思うので(笑)、もう少し自己紹介させてください。

LGBTというのは、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)の頭文字をとった言葉で、セクシュアル・マイノリティの総称の一つとして使われています。最近では取り上げられる機会も増えたのでご存知の方も多い言葉かもしれません。ちなみに僕はゲイ。自分のことを男性だと思っていて(性自認が男性で)、男性が好き(性的指向が男性)ということです。『やる気あり美』はこの“LGBT”に対して、少しでも多くの方に親しみや愛着をもってもらうことを目指しエンタメ・コンテンツの発信をしています。

たとえば、「ゲイが感じる思わせぶりなノンケ男性(ストレートの男性)の一言」をGIF動画集にしてみたり、お坊さんと「仏教的にLGBTってどうなのか」と座談会をしてみたり。コンンテンツごとにバカバカしさと真面目さの度合いはバラバラですが、まず「おもしろいかどうか」を大切にして活動しています。よければ『やる気あり美』で検索してみてください。

なぜ、こんな活動をするようになったかと言えば、それはずばりエンタメの力を信じているからです。僕の友人のおばあちゃんは、「緑内障の手術なんて受けない!」の一点張りだったのが、韓流アイドルにハマッて「一刻も早く治療したい」と言い出しました。こんな風に、エンタメを通じて生まれた何かへのラブエネルギーってすごいと思うんです。だから僕らもLGBTへの「理解」だけではなく「ラブ」を生み出せるようなエンタメ・コンテンツを作りたいと思うようになりました。理解とラブが両輪となって、LGBTの社会的地位向上は進むと信じています。

そんな僕なので、この連載も「どうにかゲイの僕に、ひいてはLGBTに、愛着とか親近感を持ってもらえないかな」と頭をひねりつつ、書いていきます。LGBTにまつわるあまり知られていないことから、ただ太田が感じたことまで、思うままに書くつもりですが、「LGBTって会ったことないから、実際のところよく分からないな」と思っている方々が「あぁ、なんだ普通の人なんだな」と思ってくれるような中身になれば、と思っています。

僕は今この原稿を、親友のノンケ男子が仕事している隣で書いているのですが、こいつも出会ったばかりの頃は、まさに「LGBTとか、テレビでよく聞くけど会ったことない」と言う人間でした。なので僕がゲイだと知った時は、「どんなセックスしてんの?」とか、「どういう男がタイプ?」とか、ひととおり僕の「ゲイ」で楽しみたがる輩だったのですが(笑)、それも今は落ち着いて、僕のセクシュアリティにわざわざ触れることもなくなりました。今の僕らにとって、僕がゲイであるということは「あまりに普通」という表現が適切で、すごく居心地のいい関係だと思っています。読者のみなさんとも、この連載が終わった時、そんな気の抜けた愛ある仲になれていれば最高です。

結局、うんざりすることさえあるほど、人と人の心の距離を近づけるのは、地道でラフなコミュニケーションの積み重ねしかないと思います。なので、「LGBTのことだから、真剣に聞かなきゃ」なんて堅くならずに、毎回気楽に読んでいただければ嬉しいです。

次回は、「初恋」のことを思い出して書きます。自分の思春期のことも交えて書くので、「マジ高校時代の同級生とかに読まれるの勘弁!」って感じですが(笑)、もしよければ見にきてください。それでは、これからどうぞ、よろしくお願いいたします!

文・太田尚樹 イラスト・井上 涼

本記事は雑誌ソトコト2016年12月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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太田尚樹

おおた・なおき
1988年大阪生まれのゲイ。バレーボールが死ぬほど好き。編集者・ライター。神戸大学を卒業後、リクルートに入社。その後退社し『やる気あり美』を発足。「世の中とLGBTのグッとくる接点」となるようなアート、エンタメコンテンツの企画、制作を行っている。