日本全国から集まったシューズ
2020.04.25 UP

連載 | スマイル アフリカ プロジェクト | 103 日本全国から集まったシューズは、倉庫でまとめられ、コンテナ船で出航します。

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アフリカの子どもたちへ、まだまだ履けるシューズを日本から贈る「スマイル アフリカ プロジェクト」。
海の向こうへ渡るまでには、さまざまな人の手がかかります。
コンテナ船で送られる前に、東京の物流倉庫で行われている検品、仕分け、パッキングの様子をレポートします。

7702足のシューズがアフリカへ。

 8月11日、7702足のシューズを積んだコンテナ船がアフリカ・ケニアのモンバサ港を目指し、東京港を出港した。

 2009年、「スマイル アフリカ プロジェクト」が立ち上がり、以来、これで12回目の送り出しとなった。この先にはシューズの到着を待ちわびるアフリカの子どもたちがいる。裸足であったり、かかとがすり減ったサンダル程度しか履いていない子どもがまだたくさんおり、そんな彼らが、日本からのシューズを受け取った時にこぼれる笑顏が目に浮かんでくる。

シューズを履き、駆け出す子どもたち。4点とも©Masaru Suzuki
シューズを履き、駆け出す子どもたち。4点とも©Masaru Suzuki

 その笑顔は、東京都品川区八潮の物流倉庫でのシューズの積み出し作業から始まる。倉庫には日々、日本全国のサポート会員からシューズが届く。倉庫では、シューズ管理を委託している『フジライン』のスタッフが、輸送に向けた最終作業を行う。まずはていねいに、一足一足を検品していく。

シューズが洗われているか、などをチェックした後、サイズ別に袋へ。
シューズが洗われているか、などをチェックした後、サイズ別に袋へ。

 シューズの寄贈者は「アフリカの子どもたちを笑顏に」「彼らが安心して生活できるように」と、シューズにそれぞれの思いを込めている。アフリカでシューズを受け取る子どもたちも、その思いは感じ取ってくれている。日本からその気持ちまで届けてくれたことに、子どもたちは感謝の気持ちを忘れない。

 その両者を結ぶのが、倉庫作業を担うスタッフたちだ。日本からの思いを伝えようと作業の手にも熱がこもる。

 検品ではまず、アフリカの子どもたちに気持ちよく履いてもらうためにきれいに洗われているかを確認し、さらに消毒を施したうえで、サイズごとに仕分けしていく。当初はダンボール箱に詰めていたが、今では、衛生的であり、コンテナ内に隙間なく積み込めるため、圧縮できるビニール袋を使用している。シューズを袋に入れた後、掃除機で空気を抜くのだ。

掃除機で空気を抜き、圧縮。
掃除機で空気を抜き、圧縮。

 昨年7月、ケニアでシューズ寄贈を行った際、シューズの状態が透明なビニール袋越しに確認でき、運ぶのも容易で、このパッキング手法のメリットを実感できた。10年近くプロジェクトを続けてきたからこその“進化”だ。

袋から出し、シューズを手渡し。
袋から出し、シューズを手渡し。

250袋分のシューズが出航!

 今回の倉庫作業では、送り出すシューズが250袋分となった。これだけの数になると重量も結構なもので、フォークリフトでトラックまで運び、コンテナに積み込んでいく。そして、トラックは港へと向かった。この後、長い航海の先には子どもたちの笑顏が待っている。

多くの人の手を経て、シューズはアフリカへ!
多くの人の手を経て、シューズはアフリカへ!

 「シューズが無事に届き、アフリカの子どもたちが笑顏になるのを、私たちも見たいです」

 作業にあたってくれたスタッフたちの総意である。

多くの人の手を経て、シューズはアフリカへ!

 プロジェクトのフロントランナーである高橋尚子とプロジェクトスタッフは、今年10月中旬にケニアへ向かう。ひと足先に到着しているはずのシューズを直接、子どもたちの足元に届ける予定だ。

 その時の模樣はこの誌面にてご報告する。もちろん、彼らの笑顏とともに。

記事は雑誌ソトコト2017年10月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

text by Katsuyuki Kuroi

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黒井克行

くろい・かつゆき
1958年北海道出身。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て、ノンフィクション作家に。主な著書に、『高橋尚子 夢はきっとかなう』(学習研究社)、『テンカウント』(幻冬舎文庫)、『男の引き際』(新潮新書)、『日野原新老人野球団』(幻冬舎)など。日本大学法学部非常勤講師も務める。