シューズ回収活動
2020.04.30 UP

連載 | スマイル アフリカ プロジェクト | 101 草の根的に広がり、根づいていく、全国のシューズ回収活動。

SOCIAL

アフリカの子どもたちへ贈るシューズは、全国各地に広がる法人や学校、個人の各会員からや、イベントでの特別回収活動などで集まります。
シューズ回収を行うイベントも恒例になってきました。
シューズに込められた思いもさまざまです。

それぞれのシューズに込められた思い。

 今日もまた、「スマイル アフリカ プロジェクト」にシューズが届けられた。

 協賛社や会員の法人、学校では、社内や校内で回収ボックスを設けるなどし、ある程度の数が集まると段ボール箱に詰め、シューズを送ってくれる。また、個人会員も普段から気にかけてくれ、子どものシューズを含めた家族全員のものを送ってくれたりする。

2009年度から現在まで1659足を回収している。
2009年度から現在まで1659足を回収している。

 プロジェクトを応援していただいている『三菱商事』は、2009年から社員からのシューズ回収を行い、東京・丸の内の本社1階に『MCフォレスト』がオープンすると、「誰でも気軽に足を運んでいただき、シューズ回収を通じて、国際貢献をもっと身近に感じてほしい」と、一般の方も参加できるようシューズ回収ボックスを設置している。

ソウル五輪マラソン銀メダリストのダグラス・ワキウリ氏が来日した際、『MCフォレスト』を訪問。回収ボックス内のシューズやメッセージカードをうれしそうに見ていた。
ソウル五輪マラソン銀メダリストのダグラス・ワキウリ氏が来日した際、『MCフォレスト』を訪問。回収ボックス内のシューズやメッセージカードをうれしそうに見ていた。

 また、法人会員の『スターツコーポレーション』では社内運動会に合わせて回収を行っている。「3歳の娘のお気に入りのシューズがあったのですが、足が大きくなって履けなくなりました。そんなとき、アフリカの子どもたちがシューズを履いて笑顏になっている写真を見て、『これをあげる』と言い出したのです」。そんな心温まるエピソードを添えてシューズを持ってきた社員もいた。

『スターツコーポレーション』は2014年より毎年、社内運動会で回収を実施。
『スターツコーポレーション』は2014年より毎年、社内運動会で回収を実施。

ランナーにとって、身近にできる環境貢献。

 プロジェクトは、毎年5月、東京・新宿御苑で開催されるイベント「ロハスデザイン大賞 新宿御苑展」にブース出展をし、特別無料シューズ回収を行っている。

 今年も5月19日〜21日にイベントが開催され、たくさんのシューズが集まった

同展でのシューズ回収には中学生のボランティアスタッフが大活躍。
同展でのシューズ回収には中学生のボランティアスタッフが大活躍。

 「毎年、楽しみにしているイベントですが、今ではシューズを持ってくることが目的になっています。子どもの成長は早く、シューズのサイズがすぐに合わなくなる。それを捨てるのではなく、役に立ててもらえることがうれしいです」

 昨年は日程の関係でシューズを持ち寄れなかったという方もいた。「今年こそはと、そのまま取っておいたものと、その後に履けなくなったもの、合わせて持っていけるように1か月前から準備していました。ウェブサイトで開催のことを確認するや、電車に飛び乗ってきましたよ」

 個人会員でなくてもイベントを通じて活動が認知され、こうして活動に参加してくれることはありがたい。

同展でのシューズ回収には中学生のボランティアスタッフが大活躍。

 プロジェクトでは秋に主催するランニングイベントでもシューズ回収を行っているが、こちらも恒例となっている。

 「市民ランナーにとって、シューズ回収は参加しやすい環境貢献で、イベント参加への動機にもなっています」

 このイベントは、チームを編成し参加するリレーマラソン。家族で参加している人は、「ランナーにとって、まだ履けるシューズを捨てる行為は忍び難いです。それがアフリカで息を吹き返すわけで、子どもにものを大切にする心を教えるという面でも、いい機会です」と話してくれた。

 活動は会員以外にも草の根的に広がっているのが感じられる。明日もまたシューズが届くはずだ。

記事は雑誌ソトコト2017年8月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

photographs by Yusuke Abe
text by Katsuyuki Kuroi

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黒井克行

くろい・かつゆき
1958年北海道出身。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て、ノンフィクション作家に。主な著書に、『高橋尚子 夢はきっとかなう』(学習研究社)、『テンカウント』(幻冬舎文庫)、『男の引き際』(新潮新書)、『日野原新老人野球団』(幻冬舎)など。日本大学法学部非常勤講師も務める。