超長寿社会と、地域やまちのデザイン
2019.05.07 UP

超長寿社会と、地域やまちのデザイン

SOCIAL

人生100年の超長寿社会が到来し、高齢者医療や介護・福祉分野では今、「地域包括ケア」がキーワードになっている。一人ひとりが住み慣れた地域で、その人らしい暮らしを続けていくことを実現させる、医療・介護・福祉の包括的な支援・サービス提供体制のことだ。

それは「施設」で行うケアから、在宅でのケア、地域でのケアへという流れであり、さらには、障害者支援や子育て支援なども含めた、社会的包摂性のある、誰もが生きやすい社会の実現を目指すものだ。その実現には、地域で暮らす人たち同士が互いに助け合う、互助的な生活支援の仕組みが不可欠になる。

地域の課題を住民たち自身が解決する手助けをする「コミュニティデザイン」の第一人者である著者は、各地のまちづくりに関わるなかで、地域包括ケアと向き合うようになる。まずは先進的な取り組みから学ぼうと、新潟県など全国4地域を訪ね、その実践者らとの対話をまとめたのが本書だ。

地域包括ケアも裏を返せば、医療費や介護費の抑制が目的だ。ただ、著者は国のためにではなく、「豊かな人生」のために、これからのケアを考えることを提唱する。「支援されるばかりでは生活や人生が充実しない」。未来をどうデザインするのか、それは他人事ではなく、自分事であり、地域事だ。

『ケアするまちのデザイン 対話で探る超長寿時代のまちづくり』

『ケアするまちのデザイン 対話で探る超長寿時代のまちづくり』

編集:山崎 亮 医学書院刊 2000円+税
 

text by Takeshi Konishi (SOTOKOTO)

本記事は雑誌ソトコト2019年6月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。