Coder Dojo
2020.06.06 UP

連載 | NEXT STAGE まちのプロデューサーズ2.0 | 16 ITで地域を盛り上げる人材を育てたい。

LOCAL

今月のまちのプロデューサー

宮島衣瑛さん

 今回紹介するのは、千葉県柏市を拠点にプログラミング事業を展開する大学生・宮島衣瑛さんだ。学業と両立させながら、地域に根ざしたプログラミング教室を運営し、プログラミングという手段を使って柏のまちづくりに取り組んでいる。

 教室を運営したり、映画館とのコラボイベントを行ったりと、柏で次々と新たな取り組みをしている宮島さん。幼少期からレゴ教室に通い、ロボットづくりに魅了されていたが、まちに対しそれほど強い思い入れがあったわけではなかった。都内の中高一貫校の中学校を卒業し、柏で過ごす時間が増えたことで、地元への思いが次第に膨らんでいったそう。

 ある時、教育用のプログラミングツールに関するカンファレンスに出席する機会を得て、アメリカへ渡った。そこで、世界各国で小・中学生に向けて無料のプログラミング教室を提供している『 CoderDojo 』の東京の運営陣と出会った。そして、偶然の出会いと地元への思いが重なり、20 1 3年、第 1 回の「 CoderDojo Kashiwa 」を開催するに至った。その後、これまでに 80 回以上のプログラミング教室を開催し、延べ800人以上の小・中学生にプログラミング体験を通じて「考える力」を養うトレーニングを行ってきた。

プログラミングを教えている様子
小・中学生にプログラミングを教えている様子。

 教室の回数を重ねるうちに、ITに関連するコミュニティがなかった柏に、そうした人たちが集える拠点が生まれていった。知識のある大学生などが集まり、地域の子どもたちにプログラミングを教えようという意識も芽生えつつある。「たとえ僕がこのコミュニティを離れたとしても、ずっと回り続けることが目標」と語る宮島さんだが、先日うれしいことに、教えていた小学6年生が中学3年生になり、今度は教える側となって戻ってきてくれたという。「 CoderDojo Kashiwa 」から巣立った高校生のみで運営する「 CoderDojo Kashiwa no ha 」と呼ばれるグループも発足し、まちの中で子どもを育む循環が生まれてきている。

Coder Dojo kashiwa
「CoderDojo Kashiwa」は毎月第2・4日曜日に開催している。

 来年度からは、柏市内のすべての小学校でプログラミングの授業が必修となるが、宮島さんもその設計に携わった。「授業を通じて、プログラミングを使って物事を考え、将来、IT技術でまちを盛り上げられる人材が育ってくれたら」と目を輝かせる。宮島さんのさらなる目標、それは「授業のやり方をモデル化し、ほかの地域へも広げていくこと」だ。地域に根ざしたプログラミング教室のよさは、地域の小・中学生、それに大人たちの間で縦と横のつながりが形成されることだ。そうした教え合いのコミュニティを日本全国でつくっていきたいという。今後もいろいろな地域で引く手数多となるであろう宮島さんの、さらなる活躍に目が離せない。

文●横尾俊成

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横尾俊成

よこお・としなり
グリーンバード代表。1981年生まれ。早稲田大学大学院を修了後、広告代理店の博報堂に入社。官公庁・団体、NPOなどを担当する中で、社会課題解決のビジネス化に尽力。2010年10月に博報堂を退社、現職。著書『「社会を変える」のはじめかた』発売中! http://ecotoshi.jp NPOグリーンバード www.greenbird.jp

宮島 衣瑛

みやじま・きりえ
学習院大学1年生。高校1年生の春から地元・千葉県柏市で、小・中学生向けのプログラミング教室「CoderDojo Kashiwa」を主宰・運営。その経験から、現在は柏市教育委員会のプログラミング教育事業に参画中。