野鳥
2020.06.08 UP

連載 | 森の生活からみる未来 | 59 土と野鳥と友達になる方法

SUSTAINABILITY

 2か月の世界旅、2か月の日本滞在のあと、久々にニュージーランドの湖畔に戻ってしばらく、ずっと数時間のかなりハードなガーデニングが日課になっている。おかげで、なまっていた体は鍛え上げられ、大地と長時間向き合うというメディテーション効果で、メンタルがとても安定している。 

ぼくが戻ったのは昨年の12月中旬。この時期に4か月間も家を空けたのは移住後はじめてのこと。不在期間が長かっただけでなく、植物たちが萌え出す春から初夏にかけて留守にしていたため、野菜畑、果樹園、ハーブ園が荒れ放題となってしまったのである。 例年、自宅を空けるのは5月から10月の「冬期」。つまり、こちらでの秋の終わりから春の始まりにかけてだ。この期間に関しては、不在時の畑をうまくマネージメントするコツがわかってきた。家を空ける前に、まず時間をかけて、木々の剪定と雑草抜きなどして、畑に限らず庭全体の整備を完璧にしてしまう。そうしながら、次に戻ってくるタイミングを計算に入れて、冬野菜の種や苗を植えるのだ。この期間は冷涼で、雑草も木々もあまり成長せず、植えた野菜たちの成長もスロー。

戻って来てすぐに、万全とは言えないまでも、ぼくひとり分であれば、十分に生活できる程度の野菜を収穫できる。庭も、3〜4日ほど手入れし直せば、いい状態に戻せる。「家を空けている間の畑はどうなってるんですか?」と、講演でよく質問されるが、こんな感じで、「冬期」の1か月半ほどの不在であれば、けっこう、大丈夫なものなのだ。 

ちなみに、もし「夏期」であれば、例え2週間でも不在にしてしまうと、畑も庭も大変なことになってしまう。 

さて、ぼくが毎日やっている作業は次だ。 

まず、畑と果樹園すべての雑草を抜いてしまうことだ。抜いた雑草はもちろん捨てず、すべて再利用する。敷地と森の境界線あたりに設置した5つのコンポスト(生ゴミ・枯れ葉・抜いた雑草・森の土を1年以上寝かせるためのもの)に入れて腐葉土にするのだ。

そして、5面ある畑を耕しながら、土の入れ替えをする。この作業はこれまで、2〜3年ごとに1〜2面ずつ行ってきたのだが、今回は4面がダメになっていたため、この4面を一気に行った。しかも、いつもはコンポストの土を使うのだが、今回はそれだけだと量が足りず、うちの湖を取り囲む原生林から持ってこようかと考えたのだが、かなりの量が必要なこともあり、手つかずの大地から拝借することに罪悪感を感じたため、近隣の街にあるガーデンセンターでオーガニックの土を購入。 

耕作と土の入れ替えが終わった畑に、夏野菜の苗を植える。もしいつもどおり、11月(春)に戻って来られていれば、種からでも大丈夫なのだが、なるべく早く食べたくて今回はすべて苗とした。 

次は、畑と果樹にしっかりと日光を当てるための、庭の木々の剪定。これから収穫するプラム、りんご、フェイジョアなどの果物の樹と、この季節の太陽の間に立つ樹の高い枝を切る作業だ。当然、畑への豊富な太陽光を確保するための剪定もする。 ちなみに、グレープフルーツ、さくらんぼ、レモンなどの収穫が終わった果樹に関しては、風通し、陽当たりを考えて、剪定を行う。ポイントは、ぼくが収穫しやすい低い位置の枝振りを残し、高い位置のものを切ること。野鳥が害虫を食べやすいように、枝と枝の間に一定の空間をつくることだ。   (次号へ続く)

写真・文●四角大輔

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四角大輔

よすみ・だいすけ
ニュージーランドの湖で半自給自足の持続可能な、森の生活を営む執筆家。フライフィッシング冒険、世界でのオーガニックジャーニー、アーティスト育成をライフワークとし、会員制コミュニティ『Lifestyle Design Camp』学長、複数の企業の役員やブランドアドバイザーを務める。レコード会社プロデューサー時代に7度のミリオンヒットを創出。好評発売中の新刊『人生やらなくていいリスト』では、ストレス社会となった日本で、自分自身を守り抜き、軽やかに働き、自分らしく生きるために必須の「ミニマム仕事術」と世界一簡単な「人生デザイン学」を公開している。増刷を重ね、現在4刷。