「スマートシティAiCT(アイクト)」。パナソニックの経験や知見を、先進的なまちづくりに生かす。
2020.07.16 UP

「スマートシティAiCT(アイクト)」。パナソニックの経験や知見を、先進的なまちづくりに生かす。

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「スマートシティ会津若松」プロジェクトとは?

日本では、少子高齢化や製造業の雇用創出力低下による生産年齢人口減少が課題となっているが、福島県会津若松市もその例にもれない。そこで市が取り組んだのが「スマートシティ会津若松」プロジェクト。まち・ひと・しごとの創生により、長期的に10万人程度の安定人口を実現し、地域の活力維持をめざしています。

市はこれまで、1993年に開学した公立大学法人会津大学や企業と連携し、ICTを様々な分野で活用し、持続力と回復力のある力強い地域社会と、安心して快適に暮らすことのできるまちづくりを推進するとともに、アナリティクス産業・ICT関連企業の集積に力を入れており、会津大学は、コンピュータサイエンス領域で研究者数・学生数とも全国一位を誇るが、卒業生の約8割は県外に就職しています。

アナリティクスは膨大なデータ解析などを行い、環境・医療・農業などの多様な分野で問題解決を行うための技術。スマートシティ会津若松の各事業における基盤環境整備に欠かせず、サーキュラー・エコノミーにおいてもコア技術として注目され、その人材も求められています。

今回の事業は、その戦略拠点となるオフィスの建設という環境整備事業です。ICT産業を集積し、そこで協働する大学生の人材育成を行い、彼等が先進的な活用事例を創出することで、新しい産業を再度呼び込むという、循環型の地方創生が計画されています。

日本が直面する課題をまずは会津から解決へ。

日本が08年から人口が減少に転じたのに対し、会津若松市では前述の通り、国より13年早く人口減少が始まりました。今、会津若松が向き合う課題は、数年後に日本が直面する課題と行っても過言ではないでしょう。

同市では、このまま人口減少が続き、さらに高齢化が進行すると、社会インフラや持続的な行政サービスの維持が困難になると予測。その対策と克服のため、13年から「スマートシティ会津若松」を掲げ、課題解決先進地域となるべく、行政サービスや事業にICT(情報通信技術)を導入したまちづくりに取り組んできました。

公共データのオープン化も進み、ICT関連の実証事業採択実績は日本最多を誇ります。「スマートシティAiCT(アイクト)」は、その取り組みを加速化する拠点として19年4月に開所しました。

会津若松市のスマートシティ構想の出発点のひとつに、93年に会津若松市に開学した公立大学法人「会津大学」があります。同大学はコンピューター理工学専門大学のユニークな特性を生かし、産学官連携の取り組みを通したICT関連企業の誘致や雇用創出が期待されています。

AiCTはそうした企業誘致のためのオフィス環境整備事業であり、ICTをテーマに市民と企業の交流を促す公用施設に位置付けられたものです。明確な目的とコンセプトで計画した施設を受け皿に、同じベクトルを有する企業を集積。10万人規模都市をフィールドに、実証実験の成果を共有し、オープンイノベーションを促します。そこで培われたソリューションは、将来、同じ課題に向き合う国内外の地域にも生かされるでしょう。

スマートシティAiCT

事 業 主/会津若松市 AiYUMU
設計・監理/株式会社 白井設計
施   工/戸田・会津土建・八ッ橋・アクーズ会津特定建設工事共同企業体
竣   工/2019年4月

北出丸大通りに沿った木造雁木が交流棟に続く
北出丸大通りに沿った木造雁木が交流棟に続く
多目的利用が想定されている交流棟
多目的利用が想定されている交流棟

重要なのは地域の中小企業がAiCTに入居する大手企業と対等な立場でビジネス創出に挑戦できる環境づくりです。そして市民と企業の交流機会を増やすこと。その鍵を握るのが交流棟です。「地域からイノベーションを起こすには、市民、大学、企業の交流は不可欠で、それぞれが地域とともに成長する環境が求められる」と白井さん。前面道路からセットバックして、赤瓦を葺いた木造平屋建ての交流棟があり、その背後に鉄骨造3階建てのオフィス棟を配置。これら2つの建物はウッドデッキのオープンスペースでつながっています。

「AiCT」オフィス棟(左)と交流棟(右)はウッドデッキのパブリックスペースでつながる。市民と企業が出合う交流スペースとしての機能もある
「AiCT」オフィス棟(左)と交流棟(右)はウッドデッキのパブリックスペースでつながる。市民と企業が出合う交流スペースとしての機能もある

オフィス棟西側開口部のCLT 製垂直ルーバーは、パナソニック環境エンジニアリングが西日を効率的に抑制する角度を解析して設置されています。併せて、ルーバー間に自動灌水装置とプランターポットを組み込み、つる植物による垂直緑化が行われています。日本各地のスマートシティ実証事業で蓄積したパナソニックの経験や知見を、先進的なまちづくりに生かされています。

ルーバー

ルーバー

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