堆肥づくりから始まる「社会の新しい循環」。オシャレで簡単に始められるLFCコンポストを体験
2020.08.05 UP

堆肥づくりから始まる「社会の新しい循環」。オシャレで簡単に始められるLFCコンポストを体験

SUSTAINABILITY

家事においては”厄介者”とされることが多い生ごみ。最近は家での食事回数も増え、さらには夏の到来により、生ごみ処理に苦戦している方も増えているのではないだろうか。でもその”厄介者”が、実は安全でおいしい野菜が食べられる社会における”重要なキーマン”だったとしたら?都会でも、マンション住まいでも、誰でもオシャレで手軽に始められるコンポスト事業を通じて、新しい循環をつくり出そうとしている企業の取り組みを紹介する。

日本の大切な知恵、「コンポスト」とは? 

コンポスト

 そもそも「コンポスト」という言葉をご存知だろうか?今回取材したローカルフードサイクリング株式会社では、コンポストを下記のように紹介している。

コンポストとは「堆肥(compost)」や「堆肥をつくる容器(composter)」のことです。家庭からでる生ごみや落ち葉、下水汚泥などの有機物を、微生物の働きを活用して発酵・分解させ、昔から伝承されてきた日本の大切な知恵のひとつです。
LFCコンポストHPより)

 コンポストという言葉は聞き慣れなくても、畑や庭の片隅に置いてある”緑色の大きなバケツのようなもの”なら見たことがある人もいるかもしれない。実はそれこそがコンポストで、前述のような「設置型コンポスト」やダンボール箱を使った「ダンボールコンポスト」など、さまざまな種類がある。
 どのコンポストも見た目は違っても、役割は同じだ。コンポスターと呼ばれる容器に生ごみを投入すると時間の経過とともに分解され、堆肥化する。そして堆肥化された土は家庭菜園でも活用できるし、捨てるにしても生ごみはすでに分解・減量化されているので、ごみ処理にかかる費用はかなり節約できる。まさにコンポストは、日本の大切な知恵なのである。

大切な家族への想いから生まれたコンポスト事業 

たいら由以子代表
ローカルフードサイクリング株式会社・たいら由以子代表。大学時代は栄養学を学んだという。

 今回お話を伺ったローカルフードサイクリング株式会社・たいら由以子代表は、20年以上にわたってコンポストの研究と普及に力を注いでこられたが、そのきっかけは大切な家族への想いからだった。

たいら氏  「父が病気になった時、現代医療に納得できないことが続いたことから、残りの2ヶ月間は食養生に切り替えようと決断しました。でもこの頃は有機野菜が最も手に入りづらい時代で、なんとか手に入ったとしても値段が高い割に新鮮さが失われているものばかり。それでも食べさせないと父は死んでしまうという焦りと、世の中どうなっているんだという思いを当時は抱えていました。しかしその後、食事を変えたことでどんどん元気になる父を見て、驚きと同時に自分の子どもに対する不安も同じぐらい大きくなり、それが今の活動の原点となりました。」

 社会に対する怒りを感じながらも、「安全な野菜が手に入りづらい社会になったのは、それを手に取ってこなかった自分が結局は悪い」という考えに行き着いたという、たいら氏。そこで私たちの暮らしを支える資源や環境問題から見直し、根本的な解決を目指したいと考えた。そしてある時”堆肥づくり名人”のお母様が昔からやっていたコンポストにヒントを得て、NPO法人を立ち上げたのが今の活動に繋がっているという。

最大の目的は、新しい感覚や体験を広げること

LFCコンポストセット
LFCコンポストセット(専用バックはファスナーあり)  初回 2,980円(税別)/2回目以降 1,780円(税別)

 そして2020年1月には「食循環の実感と価値を届け継続を支援する」という想いのもと、20年以上の研究成果を最大限に活かして開発された[LFCコンポストセット]を販売開始。
 オシャレな専用バックは虫の侵入を防ぐファスナー付きで、ペットボトルや廃プラスチックからできたリサイクル素材でつくられている。その中に水分調整が可能な専用の紙袋と、生ごみの分解を早め、悪臭の発生を防ぐために独自配合された専用の基材(土)をセットすれば、簡単かつオシャレにコンポスト生活が始められる。見た目も機能も考え抜かれたこの商品は、販売開始から予想を超える数の注文が入り、SNSでも広がりを見せている。

 しかし会社の最大の目的は、商品を販売することではなく「体験を広げること」なのだという。

たいら氏  「とにかくまずは、土を改善することと私たちの日々の暮らしを繋げることが大事だと思っています。だから最初はLFCコンポストセットを使うことで『意外と簡単』『生ごみが減った』という新しい感覚を体験してほしい。そしてできた堆肥を通して農業や家庭菜園に興味を持つ人が増え、その中から『どうせなら無農薬野菜がいい』という人が出てくる。そんな風に無農薬野菜に対する関心が広まることで地域の農家も活性化し、地産地消が増え、結果として土もどんどん改善されていく。こういったサイクルを半径2km圏内の小さな循環、つまり物事を自分ゴトで捉えることができる範囲で循環させることから始めたいと思っています。」

LFCガーデニングセット
LFCガーデニングセット (専用バッグはファスナーなし、写真はバックを折り返した状態) 3,480円(税別)

 その体験を広げるために、人材育成にも力を入れ、LINEを使ったサポート体制も整えた。また1~3ヶ月間で栄養価の高い堆肥づくりができる[LFCコンポストセット]だけでなく、初心者でもたった3週間でコンポストが体験できる[LFCガーデニングセット]も用意。こちらの商品は堆肥づくり体験とともに、同封された季節の種と専用バック(折り返すとプランターに早変わりする)を使えば、そのまま家庭菜園も始められるという体験キットだ。

text by Naoko Yamakawa

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