油原さんの呼びかけに急遽集まってくれたみなさん。
2020.07.31 UP

「ひさしぶり」「ありがとう」「おかげさまで」が飛び交う町。柏には顔の見えるジモト感がありました!

LOCAL

柏の生産者と消費者・飲食店がつながる場所。

駅前から車を15分ほど走らせると豊かな農地が広がる柏。だが、都市部で暮らし、働く人が農家と知り合う機会はあまりない。そこで2016年、都市デザインコンサルタントの鈴木亮平さんは、農家・飲食店と一緒に「路地裏マルシェ」を立ち上げた。毎週水曜日、駅前の空き地が数時間だけファーマーズマーケットの会場となり、農家が直接採れたて野菜を販売する。「水曜以外も買えるようにしてほしい」という声が多く上がったことから、2017年6月、柏駅から徒歩1分の場所に実店舗『ろじまる』がオープンした。これらの取り組みによって、農家にファンがつくように。

『ろじまる』代表の森脇菜採さん(左)と副代表の鈴木亮平さん(右)。鈴木さんはNPO『balloon』の代表でもある。
『ろじまる』代表の森脇菜採さん(左)と副代表の鈴木亮平さん(右)。鈴木さんはNPO『balloon』の代表でもある。

「路地裏マルシェでは農家さんと直接相談できるので、飲食店の方が買いに来ることが多いですね。ろじまるにはOLさんがお昼休みに立ち寄ってくれたりします。スーパーでは見向きもされない珍しい野菜も、ここではスタッフが味や調理方法をお伝えできるから、よく売れるんですよ」と鈴木さん。茨城や東京から来る人も多く、通ううちに買う側も野菜の旬や農法に詳しくなっていく。生産者と消費者・飲食店のよい関係が生まれる場所になっている。

日替わりでゲスト店長がやってくる、コミュニティカフェ。

『YOL Cafe Frosh』に集まる仲間たち
ギターを持っているのは、時折フロッシュで音楽店長を務めるミュージシャンの浅川貴史さん。

 最後に訪問したのは、『YOL Cafe Frosch』。中に入ると、常連さんがメニューを手渡しながらおすすめ料理を教えてくれた。ここの特徴は、誰でも一日店長になれること。三陸出身の人が地元のムール貝を使った料理を振る舞ったり、ミュージシャンが店長となってライブをしたりと、店は毎日表情を変える。この制度のおもしろい点は、サービスを提供する側・受ける側の境界線が曖昧になっていくこと。自分が店長ではない日も片付けを手伝ったり、初めて来た人に店の説明をしたりする客が増え、それが居心地のよさを生む。「フロッシュのおかげで柏に仲間ができた、とお礼を言われることも多いんです」と、油原さんはうれしそうに顔をほころばせる。「そうやって楽しんでくれる人のおかげでフロッシュもまたいい場になっていくわけです。お互いに『おかげさま』と思っている、こういう関係性を、僕はやっぱり大事にしていきたいです」。

photographs by Hiroshi Takaoka text by Emiko Hida

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