お客様からドリンクのオーダーを承る分身ロボットOriHime。
2020.08.19 UP

たとえ寝たきりでも、会える、働ける、繋がれる。分身ロボットが叶える「孤独の解消」とは。

SOCIAL

新型コロナウイルスの影響により、外出自粛を余儀なくされた2020年。自粛制限は徐々に緩和されつつあるが、実家への帰省や病院へのお見舞いを控え、家族や友人と未だ会えずにいる人も多いのではないだろうか。
しかし、そこで少し考えたいのが、コロナ禍以前から身体的・精神的事情で、何年も病院や自宅から外出できない人々がいるということだ。コロナウイルスが収束しても外出できない「外出困難者」をサポートする手段は一体ないものか。そこで私は、分身ロボット「OriHime」の存在を思い出した。

外出困難者の孤独を解消する、分身ロボット「OriHime」とは

OriHimeとは、株式会社オリィ研究所で開発された分身ロボットだ。ロボット本体にはカメラ・マイク・スピーカーが搭載されており、操作者(以下パイロット)はインターネットから遠隔で、ロボットの手足を動かしたり自分の言葉を発したりできる。
OriHimeを必要とするのは、入院患者や障害を抱える人、単身赴任者など様々だが、彼らに共通しているのは「行きたいところに行けない」「会いたい人に会えない」という課題を抱えていることだ。OriHimeは、この「行きたいところに行けない」「会いたい人に会えない」を解決するために生み出されたツールである。
現在では、身体的に不自由な人がOriHimeを使って外で仕事をしたり、会社から遠方に住む人がOriHimeでテレワーク会議に参加したり、様々なニーズに合わせて活用されている。

DAWN AVATAR ROBOT CAFE内のパネル
OriHimeを活用したカフェ「DAWN AVATAR ROBOT CAFE」内のパネル。たとえ寝たきりであっても、カフェスタッフとして働ける可能性があることを提示する。

寝たきりでも働ける「DAWN AVATAR ROBOT CAFE」

2019年10月7日から10月23日、東京都大手町の3×3Lab futureで「DAWN AVATAR ROBOT CAFE」が開催された。「あらゆる人たちに、社会参加、仲間たちと働く自由を。」をテーマに掲げるこのイベントでは、障害や病気で外出困難な人達がロボットを活用してカフェの店員として働く。会場には小型の「OriHime」と大型の「OriHime-D」の2種類のロボットがあり、小型ロボットがお客様との接客をメインに担当し、大型ロボットが会場内を動き回りドリンクを運んでいた。
席に通されると、テーブル上に置かれたOriHimeが急に「はじめまして。お飲み物はいかがしますか」と話しかけてきて思わず驚く。オレンジジュースを注文すると、数分後にどこからともなくOriHime-Dがやってきて、器用にドリンクを掴みテーブルの上に置いてくれた。これらの操作もすべて、人間が遠隔で行っているらしい。ロボットがオーダーを受け、また別のロボットがドリンクを運んでくる。その近未来的な光景からは、どこか非現実的な印象を受けた。
私のテーブルを担当した10代の男性OriHimeパイロットは、数年前に交通事故に遭い、現在は首から下が動かず寝たきりだという。私は、「どうしてOriHimeのパイロットに応募したのか」、そして「今実際にカフェの店員として働いてみてどういった気持ちなのか」など話を聞いてみることにした。

分身ロボットOriHime-D
分身ロボット「OriHime-D」がドリンクを運ぶ様子。パイロットは自宅のベッドの上から遠隔でロボットを操作する。

photographs & text by HIYORI SATO

2019年10月7日~10月23日 「DAWN AVATAR ROBOT CAFE」`@東京都大手町3×3Lab future

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