こころとからだの声を聴き、サステナブルに店を営む。
2020.09.09 UP

連載 | みんなのサス活 こころとからだの声を聴き、サステナブルに店を営む。

SUSTAINABILITY

「未来を変えるプロジェクト」を続けてきたEARTH MALLでは、日常の中でその人らしく、小さく
ても地道に続けていけるサステナビリティに繋がるアクションを「サス活」と定義しました。会話の中から、誰もが始められる「サス活」アクションのヒントを探していきます。

東京・稲城市の多摩川沿いの古民家で「いな暮らし」を営む鈴木萌さん。カフェの工房で和の素材を中心とした子供もおとなも一緒に食べられるものを作りながら、ノートやインスタグラムに繊細に、丁寧に日々の料理や感情の変化を綴ることを得意とし、いな暮らしファンのお客さんや、ラジオで声を届ける広いオーディエンスとのコミュニケーションを楽しみ、個人で発信も続けてきた萌さんに、自分らしくお店を営むコツやご自身の「サス活」についてお話を伺った。(聞き手・取材:EARTH MALL編集部 小田部巧/腰塚安菜)

3年ぶりの再訪。お店のメニューなど様々な部分に萌さんの手書きが見える
3年ぶりの再訪。お店のメニューなど様々な部分に萌さんの手書きが見える

EM 腰塚:カフェ業務を始める前から手製の料理やお菓子でもてなすことが得意で、フェアトレード バッグブランドでの勤務経験、出版社「エムエム・ブックス」にインターンするなど、様々なバックグラウンドを持つ彼女のことを学生時代から尊敬していました。
SNSではいつも繋がっていました が、お互いのワーク環境に大きな違いがあったので「いな暮らし」の情報にキャッチアップできたのは、ごく最近です。

EM 小田部:「いな暮らし」という店名も含めてどんなお店か聞きたいです。

萌さん:「食べよう・話そう・つくろう」という3つのコンセプトで、母が料理を担当、私がカフェを担当(スイーツやドリンクなど)という形で分担して切り盛りしているお店です。
私は「カフェ」というよりも場所を提供しているという感じかなと思っています。震災後、稲城にお店を構える前は母が家のガレージにパラソルをして始めるところから始まったんです。

EM 腰塚:「稲城のもうひとつのおうち」というコンセプトの方は知っていましたが、お客さんにとってはカフェの機能より、立ち話が出来るコミュニティという要素も大事なんですね。
最近、お店を営む中で、何か変化を感じましたか?

萌さん:例えば、自粛期間中に野菜とか発酵食品の需要が増えて、よく売れたのは、いい流れだなと思いました。

EM 小田部:自粛期間で、免疫力を高めるという発想になって、体が自然に野菜とか発酵食を求めるようになったのかな。

EM 腰塚:ついでに、料理もしたくなるとか、確かにありましたね。

萌さん:もともと「いな暮らし」の料理に使っていた八王子のFIOさんの野菜は、1年半くらい前か ら野菜の店頭販売を始めて毎週金曜日、受け渡しを行っています。私自身も畑を見に行ったので「この野菜をお客さんに届けたい」という想いも生まれ、苦労して野菜を作っている農家さんに私たちからお客さんの感想を直接お返しできることに喜びも感じています。
畑に行くと季節を感じるし、料理 のバリエーションも広がるし。スーパーで売っているのと全然違うし、料理していて気持ちがいい野菜っていうのかな。

EM 腰塚:お店を始める前の大学生の頃から「手作りすること」「顔の見える関係を支える」ことを軸としてきたと思います。
お店や生産者さんを守りたいという気持ちはいつどこで生まれますか?

萌さん:そうですね。例えばこの近所の商店街。好きなお店を守ることって、自分には身近で当たり前のことだけど、多くの人がスーパーで買っているから、自分は商店街での買い物も大事にできたらと思っています。
お店ではずっと顔が見える人からの食材を基本的に扱ってきたし、全部は賄えなくても、料理に向き合うときの気持ち、楽しさ、やる気が違います。

夏はかき氷がよく似合う、風通しの良い古民家のカフェスペースとテラス
夏はかき氷がよく似合う、風通しの良い古民家のカフェスペースとテラス

 

EARTH MALL編集部 小田部巧/腰塚安菜

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「いな暮らし」店長 鈴木萌

1990年生まれ。東京都稲城市育ち。
「いな暮らし」のビーガンスイーツ&発信担当。看護師。高校から大学までチアリーディングに夢中になる。2011年の震災を機に、学生と地域を繋ぐコミュニティカフェを仲間と立ち上げる。
2013年より”たべよう はなそう つくろう” をコンセプトに、暮らしを分かち合う場として開いているカフェ「いな暮らし」の運営に加わり、母娘で店を営む(inagurashi.com)。
現在、本屋「羅針盤ブックス」開店準備中。

EARTH MALL 編集部

「EARTH MALL」は、SDGsを実現する未来へのアクションを創りだす有識者のプラットフォーム「OPEN 2030 PROJECT」(代表・蟹江憲史 慶應義塾大学政策・メディア研究科教授)から生まれ、「博報堂SDGs プロジェクト」が社会実装を担っているプログラムです。

生活者にとって身近なアクションである「買い物」から未来を変えていくことを目指して、企業、NPO、アカデミア、行政など様々なステークホルダーと共に、持続可能な生産と消費について学べる教育プログラムの開発や、事業開発支援などを行っています。
https://earth-mall.jp/