気軽に、無理なく空き地活用。農のある都市型ライフスタイル「さかのうえん」
2020.08.29 UP

気軽に、無理なく空き地活用。農のある都市型ライフスタイル「さかのうえん」

LOCAL

坂の町・長崎市で、空き地を活用して農園を楽しむ「さかのうえん」プロジェクト第2弾。農のある暮らしと若者を受け入れる地域住民のリアルな声とは。

坂の町中に生まれた、元・空き地の農園

日本国内の中でも、町や生活に斜面が溶け込む坂の町・長崎市。車が入れないほど狭い路地や、密集した家屋の間を縫うような階段は圧巻の風景である。また、人口流出が2019年に引き続き2年連続でワースト1位の長崎市。特に、特定の地区や町ごとの小さな単位で話を伺ってみると、人口減少や高齢化率、空き家、空き地の問題は、身近に差し迫った深刻な課題となっている。

今回の舞台は、長崎市中新町。かつては、密集した家屋の中には銭湯などもあり、造船業に従事する働き盛りの住民で賑わう坂の町だった。今では、生活に不便な斜面地で暮らす人口は減少、若い人はほとんどが平地に移住。一昔前まで200世帯ほどが暮らしていたが、今では50世帯弱にまで減少している。高齢化率の進行は40%以上にまで及ぶ地域だ。

さかのうえん俯瞰

そんな坂の町のメインストリートにできた、小さなコミュニティ・ガーデン。普段は中新町以外の場所で暮らす若者が、週末にお世話をしにやってくる。側を通る人が「暑かね〜!実っとる?」なんて声を掛けてくれるほど、畑に面した通りは多くの地域住民が使用する生活の道のようだ。この日は、5月頭から育て始めた夏野菜を収穫。

育てているのは、トマト・枝豆・なす・とうもろこし・きゅうりなど。実った作物をみんなでワイワイと収穫。農園をやるにあたって、収穫の作業はやはり嬉しい時間だ。今年は梅雨が長かったこともあり、湿気で枯れてしまったり、収穫のタイミングを逃してしまったりなど、中には残念ながら失敗してしまった野菜もあったみたい。若者が挑戦する初めての農作業、失敗もご愛敬。

トマトの収穫

畑仕事をしていたら、元・中新町自治会長の西川さんが奥さんと一緒にやってきた。農園のお世話にやってくる若者に、道具を貸してくれたり、野菜の育て方を教えてくれたりなど、暖かくサポートをしてくれる存在。畑を動物から守るためにいつの間にか周囲にネットを設置してくれるほど、積極的に関わってくれている。

若者と西川さん

どうして若者の手助けをしてくれるのか?西川さんに尋ねてみた。

文・写真:Kyosuke Mori
写真提供:阿多美咲

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