くるみゆべしとは
ゆべしは「柚餅子」と書き、全国にその名を冠した食べ物がある。地域によっては菓子だが、珍味や保存食、薬味に「ゆべし」と名前がつくものもある。
その歴史は古く、源平の時代に誕生したという説もある。当時は保存食に近いものとされており、時代の移り変わりによって現在の形に変化したようだ。
名前の通り本来は柚子を使うことが多い食べ物だが、東北や北関東では主にクルミが使われている。これは柚の産地から距離があり入手が困難であったことと、江戸時代以前にクルミが貴重な栄養源であったことが理由だ。西日本では「丸ゆべし」「矢掛ゆべし」「棒ゆべし」柚子を使ったものが主流である。
東北では様々な形のゆべしが食べられているが、「くるみゆべし」「胡麻ゆべし」と言うとメジャーなのが四角型だ。棒状のものを切った形である。今回作るのもそのような形のものだ。
text by Shuko Takeda