リモート時代の「演劇表現」を考える。「劇団ノーミーツ」「劇団テレワーク」の声から
2020.10.04 UP

リモート時代の「演劇表現」を考える。「劇団ノーミーツ」「劇団テレワーク」の声から

WORK

ウイルス感染症が流行している最中に人の密集している場所には行きにくい。これは、何も今年初めて解ったことではない。これまでも、不特定多数の人が接触する場所でインフルエンザなどが流行することはあっただろう。そういう意味で、人が狭い場所に集まるということは今も昔も変わらずハイリスクであったのだ。
しかし、少なくない人間が狭い所に密集することがひとつの文化であった場所がある。クラブ、ライブハウス、そして劇場だ。息の詰まるような場所で繰り広げられる出来事は人々を熱狂させ、ひとときの非日常をもたらしてくれる。
現在、そのような場所が苦境に立たされている。そこで表現をしていたクリエイターも然りだ。

劇団の置かれている実情

新型コロナウイルス感染拡大の最中、舞台公演でクラスター感染が発生した例もあり、劇場での公演開催はいまだ難しいのが現状だ。複数の俳優がステージ上に密集する演出を避けるなど出演者側の感染防止を考える必要もあれば、観客の感染防止も考えねばならない。観客席を疎にすればその分動員は半減してしまう。

従来通りの公演のあり方が叶わなくなっている中、新たな演劇のあり方を模索する劇団も登場している。中でも斬新なスタイルで話題を呼んでいるのは、公演そのものを丸ごとリモートで実施してしまう劇団たちだ。無観客で実施した公演を配信するスタイルではなく、俳優同士がリモートで演劇をしている。「ビデオ通話というプラットフォームを舞台にしている」のだ。まるで実際の駅のホームを舞台にして群像劇を演じるように、Zoomなどを舞台にしている。
難しい挑戦ではあるが、「Zoom飲み」「リモートワーク」が人々に浸透した今なら、逆にそこを舞台にするのはリアリティのある舞台設定と言えるだろう。

text by Shuko Takeda

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