情報発信型!地域資源を見える化する地域おこし協力隊
2020.10.11 UP

情報発信型!地域資源を見える化する地域おこし協力隊

LOCAL

WEBメディア運営者、地域おこし協力隊になる。

長崎市の西部に位置する琴海地区。「ことのうみ」と書き表されるこの地域は、大村湾という穏やかな内海の別名が由来となっている。また、なだらかな山、森の中をせせらぐ川など、自然と隣り合わせな心安らぐのどかな場所だ。

無人島の斎藤さん
福岡県出身・現在28歳の斎藤さん

長崎の魅力を発信するWEBメディア「ボマイエ」を運営する齋藤秀男さんは、2019年2月からこの琴海地区の地域おこし協力隊に就任した。美しい自然とおいしい食事に惹かれて琴海へ移住を決意。地域で暮らしながら、琴海の観光コンテンツ開発と、得意分野の情報発信で活動を続けている。観光地・長崎の中でも、メジャーなスポットがある地域からは離れた場所にある琴海。さて、一体どんな風に地域おこしに携わっているのだろう。今回は、斎藤さんの琴海での活動に同行してみた。

サウナが地域資源の可能性を変える!?

棚田を一望する風景

まず、齋藤さんが連れてきてくれたのは、琴海地区にある「清流と棚田の郷」。長崎市のグリーンツーリズムのコンテンツの一つでもあるこの場所は、夏場は自然体験に訪れる親子や子どもたちで賑わう人気スポットだ。視界に広がる棚田の風景と、そばを流れる川の音が響き渡る琴海らしい雰囲気に、早速テンションが上がってきた。

棚田を抜けて森の中へ進んでいくと、なにやらテントが貼ってある…。人目につかない奥地で、川の音を聴きながらキャンプができる、といったところか。そう思っていたら、齋藤さんはガサゴソとテントの中で準備をし始めた。

テントで準備をする斎藤さん
水を汲んできたり、荷物をテントの中に運び込んだりしている様子だ

ーーあの…何をしてるんですか?齋藤さん?

…。

黙々と作業をする齋藤さん。中を覗き込むと、薪をくべて火を起こしているようだ。テントの中でいったい何が…?不安になる僕をよそ目に、火加減の調整に余念のない彼はどこか楽しそう。

テントの中で薪ストーブをつける斎藤さん

ひと段落してテントから出てきた齋藤さんは、ようやく答えを教えてくれた。

ーー何の準備をしていたんですか?

この筒から蒸気が出るようになってて。今、テントの中は水蒸気と熱気で充満してます。

テントサウナの説明をする斎藤さん

ーーえ、これってまさか…?

琴海地区初!テントサウナです!

テントサウナに入る斎藤さん

そう、こちらは自然の中でテントを立てて、薪ストーブで火を起こし、テント内に蒸気を充満させて行うサウナ。自前のテント持ち込みや貸出でキャンプができることはもちろん、常設のテントと準備してある薪を使って自由にテントサウナが楽しめる。サウナ発祥の地・フィンランドにインスピレーションを受けて導入したのだという。フィンランドでは湖の近くなどにもサウナがあり、年中通して国民がサウナを楽しむ。体を十分に温めた後は、冬場でも冷たい湖に入って体を冷やし、外気浴を行うのだ。

ーーフィンランド式のサウナなんですね!…ということは?

こうやって水風呂として川に入ります!

川に入る斎藤さん
サウナ・スパ健康アドバイザーの資格も取得した齊藤さん。安全にレクチャーしてくれた

なんと、ここまでフィンランド式に則ったサウナであった!アウトドアでサウナを楽しめるだけでなく、天然の水風呂がすぐそばに用意されている。川遊びといえば、真夏の暑い季節に冷たい水を楽しむものというイメージが定着しているが、これなら少し涼しくなってきた秋季、チャレンジャーなら冬場でも訪れるかもしれない。

この「清流と棚田の郷」管理者である吉川さんは、仕事を定年退職後、子ども支援プロジェクトとしてここの運営に携わり始めた。夏季は子どもたちに大人気な体験スポットであるこの場所も、シーズンを過ぎれば人の動きがぱったりと止んでしまう。また、訪れるのも学童保育の団体が夏休みに毎年恒例でやって来るなど、利用者する層が固定されてしまっていたことが現状だった。そんな折に、協力隊としてやってきた齋藤さんが、フィンランドの文化にインスピレーションを受けてアイデアを持ってきた。どんなもんだと任せてみたら、思いの外良かっただけでなく、情報発信を得意とする齋藤さんが、どんどんと口コミや紹介で知人を連れてくるではないか。豊富な天然資源の新たな活用シーンと、今までに無かった層がこの地域へ遊びにくるようになった。

吉川さんと齋藤さん
吉川さん(左)と、棚田の郷の今後について話し合う

川から上がったら、椅子に座って外気浴。水の流れる音、森の空気、太陽の光を感じながら、まさに「整う」を実践する琴海流のテントサウナ。「ね、いいでしょ?」と満足気な齋藤さんの声に頷く。確かにこれはクセになりそうだ。そう思いながら第2ラウンドでテントへ足が向かう僕がいた。

外気浴で整う斎藤さん

HP:清流と棚田の郷

文・写真:Kyosuke Mori

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