命と元気にありがとん(有難豚)!豚と人々との交流から育まれた愛ある養豚
2020.12.17 UP

連載 | みんなのサス活 | 5 命と元気にありがとん(有難豚)!豚と人々との交流から育まれた愛ある養豚

SUSTAINABILITY

「未来を変えるプロジェクト」を続けてきたEARTH MALLでは、日常の中でその人らしく、小さくても地道に続けていけるサステナビリティに繋がるアクションを「サス活」と定義しました。会話の中から、誰もが始められる「サス活」アクションのヒントを探していきます。

子どもに沢山愛を育ててあげることが大切であるように、豚を豚らしく愛情をもって育て、飼育から出荷まで全て見通せる豚肉を食卓に届けることが、高橋さんが考えるアニマルウェルフェア※。
※動物が動物らしく生きるために必要な5つの自由を保障する飼育のこと。

「希望」という名前を持つ高橋さんが、家業だった養豚を自分らしく続けようと決意したきっかけはタイの児童養護施設「希望の家」との関わりや、2011年東日本大震災での被災経験まで遡ります。「豚らしい豚が食べたい」という消費者の想いに生産者が応える。高橋さんの養豚業と「サス活」に編集部が迫ります。(聞き手・取材:EARTH MALL編集部 小田部巧/腰塚安菜)

 

EM 小田部: 高橋さんの豚は今のところ、直売オンリー。有難くいただいていますが、コロナの影響を大きく受けて大変だということで、僕も何かできることはないかと胸を痛めているところです。

高橋さん: ありがとうございます。小田部さんをはじめ、ご縁でつながっている方、知人・友人、その紹介の方が、有難豚を食べてくださっています。被災して9年間、自分の農場がない状態で豚を残すため、飼育から流通販売までの多様なラインづくりをしてきました。今は、コロナ禍に加えて豚熱等の対策もあり、深刻な人手不足も続いていますが、これまで感じてきたお客様の願いや気持ちを大切に、豚の世話をするのは楽しいです。うちは、大量生産型の工場養豚とは異なる飼育方法をとっているので、最大の強みは、消費者の求めと変化に柔軟に対応できることです。今後も飼育法の選択肢を増やしていきたいと思います。

EM 小田部:SNSを介して拝見していると、餌づくりのこだわりもすごいんです。

高橋さん:豚たちと「対話」している感じなので、餌で喜びの反応が大きく変わるのも分かりますね。個々の好みや栄養バランス、成長速度から肉質まで全て見ます。豚の健全な成長の先に、お客様の顔が浮かぶので責任を感じますし「良い豚肉を届けたい」という思いが生まれます。餌を一新し、配合飼料のみでないため、豚肉の食味の評価も上がっています。季節ごとにも餌のブレンドを変えているんです。

東京・八王子の豚舎にて
震災直前の名取ファーム(仙台)にて
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高橋希望

ホープフルピッグ代表 高橋希望/養豚家。家畜商。有難豚(ありがとん)豚肉・無添加ハム販売。
東日本大震災の津波で、宮城の実家養豚場が全壊。奇跡的に帰ってきた母豚達と、消費者と一緒の復興を目指す。アニマルウェルフェアの理念と「豚は三回生きる」という信条のもと、毎年子豚1頭オーナー制度を立ち上げ、消費者、飲食店、大学機関と連携し、豚と人々が願う飼育・流通・食卓までを一貫プロデュース中。現在、75頭の豚の飼育から直販までを行っている。
ホープフルピッグ http://hopefulpig.jp/

EARTH MALL 編集部

「EARTH MALL」は、SDGsを実現する未来へのアクションを創りだす有識者のプラットフォーム「OPEN 2030 PROJECT」(代表・蟹江憲史 慶應義塾大学政策・メディア研究科教授)から生まれ、「博報堂SDGs プロジェクト」が社会実装を担っているプログラムです。

生活者にとって身近なアクションである「買い物」から未来を変えていくことを目指して、企業、NPO、アカデミア、行政など様々なステークホルダーと共に、持続可能な生産と消費について学べる教育プログラムの開発や、事業開発支援などを行っています。
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