岡山カレーで町おこし!美味しい秘密は白桃にあり!
2020.12.20 UP

岡山カレーで町おこし!美味しい秘密は白桃にあり!

FOOD

みんな大好きなカレー。この押しも押されもせぬ国民食を、「岡山カレー」として新たな名物にしようというプロジェクトが岡山で始まっている。しかも、岡山名産・白桃を使ったカレーだという。一体どんな味なのか? なぜ白桃? プロジェクトの目的は? 実際に提供されている「岡山カレー」を食べてその味をレポートしつつ、企画する「OKAYAMAまちおこし隊」にプロジェクトの背景を取材した。

白桃を使った「岡山カレー」を食べに、創業41年の老舗店へ 

2020年11月から始まった「岡山カレー」のプロジェクト。「OKAYAMAまちおこし隊」による企画で、地元名産の白桃で作られたチャツネ入りのカレーが、岡山市街48店舗で提供されている。チャツネとは、果物や野菜を煮込んで作るインドの調味料。「岡山カレー」には白桃のチャツネを使うことが条件で、味やスタイルは各店それぞれだ。今回は、インドカレーを出す老舗店「チャイヤ」で食べてみることにした。本格インドカレー×岡山の桃…一体どんな化学反応が起きているのか。

チャイヤ
岡山大学近くにある1979年創業の「チャイヤ」。

「チャイヤ」で提供される「岡山カレー」は、インド・ムンバイのソウルフード「パオ・パジ」。インド本国では屋台などで気軽に食べられているファストフードのようなもので、パオ(パンのこと)にカレーや付け合わせのサラダなどをはさんで食べるという。

チャイヤ
テーブルには「岡山カレー」のポップが。「パオ・パジ」というメニューがこの店で出される岡山カレーだ。

インドのソウルフード×岡山の桃、果たしてその味は…

運ばれてきたプレートには、こんがり香ばしく焼き上げられた自家製パンとサラダ、そして見るからにスパイシーなカレー。香辛料の香りが食欲をそそる。カレーの中央にのっているのは、溶けかかったバター!まずはひと口、あえてカレーのみで食べてみると…。

チャイヤ・パオパジ
これが「チャイヤ」の岡山カレー「パオ・パジ」。

 スパイスが効いた深みのある辛さの奥に、野菜のうまみや酸味が感じられる。店主の片山久裕さんによると、野菜はトマトなど7種類が使われているという。そして、インドカレーならではのスパイシーな味わいだが、とがりすぎずに程よいまろやかさもある。「このまろやかさは、桃のチャツネによるものですね」と片山さん。

チャイヤ・パオパジ
溶けたバターを混ぜるとコクとまろやかさがさらに増す。

次はサラダと一緒にパンにはさみムンバイスタイルで。後半は添えられたレモンをしぼって味変したら、辛さもなんのその、あっという間に完食。桃によるまろやかさが加わったことで、香辛料の効いたスパイシーな味がそれほど得意でない人にも食べやすく仕上がっている。

 

そもそも「岡山カレー」が誕生したきっかけは?

この「白桃のチャツネ」を使った「岡山カレー」による町おこし、一体どんなきっかけからスタートしたのか。企画しているのは、「岡山を盛り上げたい」と岡山市中心エリアの企業や団体で結成された「OKAYAMAまちおこし隊」。その活動の第一弾として、まずは食でアピールするべく県外の方にも親しまれやすく誰にでも食べやすい、新しい名物料理を生み出せないかと検討しているとき、カレーに行きついたのだという。「というのも実は岡山、カレー店も多く、ルーの消費量も全国有数なんです」と事務局の松野理絵さん。

岡山カレー
「岡山カレー」プロジェクトのロゴマーク。提供店舗は公式サイトでチェックできる。(c)OKAYAMAまちおこし隊

そこで、たとえば広島のお好み焼きのように、"岡山らしい"カレーを生み出したいと検討。岡山といえばやはり桃、ということから農家に尋ねると、実は商品にはならないくず桃を農家が自宅でソースなどにして利用していることがわかった。そこで桃のチャツネを作り、カレー店や飲食店のカレーに使ってもらって、それぞれの店の「岡山カレー」として売り出してもらうことに。

廃棄を減らし、桃消費の手助けにも

岡山白桃
岡山県産の白桃。(c)岡山県観光連盟

「桃消費の手助けになればという思いもありました」と松野さん。岡山県産の桃は全国でも有名だが、贈答品としても名高いだけに、品物として販売できないくず桃も出てくる。それが無駄にならずこうした形で利用され人々に届くというのは、日々丹精込めて育てている桃農家にとっても嬉しいことではないだろうか。

白桃チャツネ
岡山の白桃を使って作ったチャツネ。(c)OKAYAMAまちおこし隊

「岡山カレー」を10年後の名物に育てたい

こうして作られた「白桃チャツネ」を岡山市街の48店舗でカレーに使ってもらい、店ごとのさまざまな「岡山カレー」が出されている。スタートから1ヵ月あまり、少しずつ反響も出始めていて「提供店舗さんからは、『岡山カレーを目指して来店する人もいる』『桃のチャツネでうまみやコクが増すからか、おかわりが増えた』といったお声をいただいています。まずは地元の方にたくさん食べてもらって、定着してほしいですね。大事に大事に育てて、10年後くらいに岡山の名物になっていてくれたら」と松野さんは話す。

野菜も炭水化物も一度にたくさんとれて、食べると元気になれるパワーフードのカレー。コロナ禍で岡山の飲食店や観光も厳しい状況に直面しているが、「岡山カレー」が復活のきっかけになるかもしれない。そしていつの日か、岡山の桃と同じくらいに、桃を使った「岡山カレー」が有名になっていると県民としても嬉しい限りである。

●取材協力
チャイヤ」岡山県岡山市北区津島南1-6-17 電話:086-255-1915
「OKAYAMAまちおこし隊」事務局(公益社団法人岡山県観光連盟内)電話:086-233-1802

●公式サイト「岡山カレー

※ご紹介したメニューは記載当時の情報のため、提供の有無・価格などが異なる場合があります。

文:西 紀子
写真:西 紀子、OKAYAMAまちおこし隊、岡山県観光連盟