無添加、無冷凍で手作りした燻製ベーコンのおいしさの秘密
2020.12.24 UP

無添加、無冷凍で手作りした燻製ベーコンのおいしさの秘密

FOOD

何だろう!この深い香り……。幼い頃食べた燻製肉の香りがとても印象的だったのを覚えています。燻製のルーツをたどってみると、原始的で自然と深い関わりを持つ料理法だということがわかりました。昔の人はそのままではすぐに腐ってしまう肉や魚を塩漬けや乾燥、燻製といった技法で調理してました。元々は保存食として誕生した燻製、保存技術の発達した現代では、普段と違う味わいや芳醇な香りを楽しむためのものへと変化をとげた。そんな燻製の魅力に迫るべく、手作りの燻製づくりに日々情熱を注ぐプロフェッショナルにお話しをうかがってきました。遠方からのお取り寄せも後を絶たない、とびきりおいしい黒豚ベーコンもご紹介します。

燻製ってどういう食べ物?

燻製とは、木材を燃やしたときに立ち昇る煙で食材をいぶした食べもの。あらかじめ塩漬けにした肉や魚などを素材に使うので、ある程度脱水されていることや、燻煙にあたることで食材のなかの水分が減り保存性が高まります。さらに木材から発生する成分が食材を殺菌するというメリットもあります。

素材の味を何より大切にし、無添加と無冷凍のお肉で燻製づくりをする専門家、畑中昭夫さんにお会いしてきました。

畑中さん
燻製を作りはじめて30年の畑中さん

畑中さんは北海道で手作りハムと燻製の店「あおい杜」を運営している。青森県出身で帯広畜産大学に通うために北海道へ移住した。大学卒業後は池田町の農協に就職し、30代に友人の影響で燻製作りに出会う。その時をこう振り返ります。

畑中:大学時代の友人がドイツへ酪農実習に行って戻ってきた時に遊びに行ったんです。庭に大きな石のゴミ焼ききがあったので「ここで燃やすのか?」と聞いたら、「バカヤロー!これは燻製を作る機械で“スモーカー”っていうんだぞ!」と聞いて驚きましたよ。

畑中:ドイツでは酪農家が春先に子豚を何匹か買ってきて、残飯なんかを与えて育てるみたいだね。秋になったらハムとかベーコンを作る職人さんが各農家を回ってその豚をと畜(食べるために殺すこと)してハムベーコンを作っていってくれるんだって。友人はそこで燻製に出会ったと言っていたね。

畑中:自分も友人から話を聞いて燻製作りに興味を持ったので、そこから更に本を5−6冊買って勉強したんです。当時住んでた社宅の庭に、板やレンガを買ってきてオリジナルのスモーカーを作ったのが始まりでした。こんなワイルドな調理法があるのか!と感動しましたね。

そこから20年、趣味が高じて脱サラし2011年に「あおい杜」を東川町にオープンした。自分の将来の働き方を見直すタイミングだったり、家族に本物に燻製肉を食べさせたいという思いからだった。青森出身で自然が好きなので、店は「あおい杜」と名づけた。

店舗外観
町内のメインストリートにある工房兼販売所

無添加にこだわって30年!

燻製づくりの朝は早い。身支度を整えて毎朝8時前までには工房に入る。

肉は道内産にこだわり、添加物も一切使わない。お子さんが生まれた約35年ほど前、農協で働いていた畑中さんは家庭で食べるもの、もできる限り食品添加物や農薬の少ない食品を選んできた。「保存料や食品添加物を使わないと、色味は落ちるし正味期限は短いが、健康を第一に考えてお客さんに届けるものは無添加のものにこだわっている。」
自然が好きで野生動物の生態などにも興味を持っている畑中さんらしい調理法だ。

普段気軽に作ることのできない燻製ってどんな工程で作られるでしょうか? 次のページでご紹介します。

取材・文章・写真:Sachi Tsukagoshi

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