おうちで過ごすお正月、なにして過ごす?我が家の定番は“花札”です
2021.01.02 UP

おうちで過ごすお正月、なにして過ごす?我が家の定番は“花札”です

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 年末年始、なにをして過ごしますか? 旅行や初売りセール、親戚との大宴会、あるいは、おせちをお腹いっぱい食べてゴロゴロ……。きっと、みなさんそれぞれ定番の過ごし方があると思います。しかし、今年の年末年始はすでに自粛ムード。「家でなにをして過ごそう?」と考えている人も多いのでは? そこで、おうちで過ごすお正月におすすめな、我が家の定番「花札」をご紹介します!

「花札」を知っていますか?

 我が家では、子どものころからよく家族で花札をして遊んでいました。お正月には、おばあちゃんも、お母さんも、子どもたちも、みんなで運だめしも兼ねて花札をするのが恒例でした。そんなふうに世代を超えて遊べるのも花札の魅力。日本で古くから親しまれてきたからこそ、おじいちゃんやおばあちゃんからも遊び方を教えてもらえるゲームです。

 しかし、最近は「花札」の存在は知っていても、その遊び方を知らないという人は多いようです。映画『サマーウォーズ』で「こいこい」がメジャーになりましたが、実はそれ以外の遊び方もあります。

花札

 絵柄の美しさやゲーム中の駆け引きなど、花札の魅力はたくさん。まずは、花札の歴史や初心者にもおすすめな遊び方を紹介します。今まで花札で遊んだことがない人も、やってみたらハマってしまうかも? ぜひ年末年始の参考にしてみてください!

江戸時代に完成した「花札」

 現在の「花札」は、江戸時代中期に完成したと言われています。その始まりを辿れば、安土桃山時代の「天正かるた」が元になったと言われており、400年以上の歴史がある遊びです。

 花札には、1年の12ヶ月を表す植物や情景が、各月ごとに4枚ずつ描かれています。全部で48枚(12ヶ月×4枚)の札があり、遊び方の多くはその絵柄を合わせるのが基本になります。各月の札に描かれる花鳥風月の美しさも、花札の魅力のひとつ。華やかで純和風な絵柄は、お正月にもぴったりです。

花札_一覧
それぞれ描かれている植物は、右側の上から順に、1月 松、2月 梅、3月 桜、4月 藤、5月 菖蒲、6月 牡丹。左側の上から、7月 萩、8月 芒、9月 菊、10月 紅葉、11月 柳(雨)、12月 桐。

どうやって遊ぶの?

 花札には、「花合わせ」や「こいこい」、「八八」といったさまざまな遊び方がありますが、今回は花札初心者にもおすすめな「花合わせ」をご紹介します。

 我が家で昔から遊んできたのも、この「花合わせ」。花札に描かれた絵を合わせ、獲得した札の点数を競うゲームです。絵柄の組み合わせを覚えてしまえばできるので、初めて花札で遊ぶ人にもおすすめ。まずはこの「花合わせ」で、花札の絵柄やさまざまな“出来役”を覚えましょう!

<ルール>

1.札を配る。
参加する人数によって配る札の数が異なります。

・2人の場合/場札:8枚、手札:10枚
・3人の場合/場札:6枚、手札:7枚
・4人の場合/場札:8枚、手札:5枚
(※用語:場札=参加者の中心に置かれる札、手札=参加者に配られる札)

基本は3人で行うルールが一般的のようですが、最大6〜7人まで遊べるようです。多すぎると順番がなかなかまわってこないので、個人的には最大でも4人くらいがおすすめ。

参加者全員に配り終わり、残りの札は裏返しのまま積み重ねて場札の中心に置いておきます(この札の山を“山札”と言います)。

花札
中央にあるのが“山札”。そのまわりに並べられているのが“場札”。

2.親を決める。
ゲームを始める“親”を決めます。決め方は自由なので、じゃんけんでもOK。
とはいえ、せっかくなら花札の絵柄を活かした、花札ならではの決め方もあります。

(A)山札から適当に1枚を選び、出てきた絵札の月(1月〜12月)が最も早い人が親になる。
(B)1で裏返したまま場札を配り、ひとり1枚ずつめくって出た絵柄の月が最も早い人が親になる。

(B)例
(B)の例。裏返しに配られた場札の中からひとり1枚選び、めくる。この場合、牡丹が6月、芒が8月、菊が9月を表すので、牡丹を出した人が親になる。

同じ月の札が出た場合は、点数が大きいほうの札を引いた人が親になります。慣れないうちは面倒かもしれませんが、お好みの方法で親を決めてみてください!

3.場札と手札の絵柄を合わせる。
親が決まったら、親になった人から場札と手札の絵柄を合わせていきます。場札と手札の中に同じ月(絵柄)の札があれば場に出し、組み合わせた2枚の札はその人のものになります。同じ札がなければ、手札の中から1枚選び、場に出します。

花札
手札と場札の絵を揃えます。写真の例では、牡丹や梅が揃います。

4.山札を1枚めくり、場札と合わせる。
3のあと、山札の一番上の札をめくり、場に出します。めくった札と同じ月の場札があれば、その組み合わさった2枚も獲得することができます。場札の中に同じ月の絵柄がなければ、めくった札は場に出したまま置いておきます。

花札
写真左側にある牡丹を出したあと、中央の山札の一番上の札をめくる。このとき、山札をめくって出てきた「藤」(手に持っている札)は場札の中にないので、そのまま場に置く。つまり、獲得できたのは牡丹のみ。

5.ひとりずつ、3と4を繰り返す。
この3と4をひとりずつ順番に行い、札がなくなるまで行います。

6.獲得した点数を数える。
札がすべてなくなったら、各自が獲得した札の点数を数えます。各札の点数は、絵柄ごとに20点、10点、5点、1点と決められています。(※詳細は任天堂の花札のページを参考にしてみてください。)このとき、自分が獲得した札のなかで、特定の絵柄が揃う“出来役”があると、出来役ごとに決められた点数分の札を全員からもらい、自分の得点に加算することができます。それらの合計点数が多い人が勝ちです!

花札_出来役
主な出来役の組み合わせ。上から「五光」、「青タン」(左上)、「赤タン」(左中)、「猪鹿蝶」(右上)、「かす役」(右下)。左側にある短冊札のうち、6枚が揃うと「六短」、7枚が揃うと「七短」という役も。このほかにもさまざまな出来役があるので、少しずつ調べながらやってみて。

 厳密には、全部の札の合計点数である264点を遊ぶ人数で割った“基準点”を、自分が獲得した点数から引いて計算するようですが、そのままでも勝ち負けは変わりません。必要に応じて、計算してみてください。

 そしてさらに厳密に言うならば、この1〜6の一連を1月(1回戦)として、これを12月(12回)まで繰り返し、合計の得失点で勝敗を決めます。1回分がそれほど時間はかからないので、12回は意外にすぐ終わってしまいますが、もし「長いな」と感じる人はこの限りではないと思います。ぜひ自分なりの遊び方を見つけて、自由に楽しんでくださいね。

花札
ちなみに獲得した札は、こんなふうに点数ごとに分けて手元に置いておくとわかりやすいです。左から、20点、10点、5点、1点。

各地のローカルルールも!

 日本全国で楽しまれている花札は、地域や家ごとのローカルルールもたくさんあります。先ほど紹介したルールも、そのうちのひとつに過ぎません。

 たとえば、「かす」の札は一般的には1点として計算されるようですが、私が知っているのは0点として計算するルールです。そうすると、上で全部の合計点数は264点と書きましたが、我が家(地域?)のルールでは、全部の合計は240点になります。

 こんなふうに、もしかするとおばあちゃんに聞いてみたら家伝統のルールがあったり、友達とやってみたら全然知らないルールが出てきたり……、なんてこともあるかもしれません。

 各地で多様な遊び方が生まれているのも、歴史ある花札のおもしろさ。花札のルールは、花札を買うと解説書がついてきたり、インターネット上でもさまざまなルールが紹介されています。みなさんの家、あるいは地域ではどんな遊び方がされているでしょうか? 地域ごとの違いを探したり、いつもとは違うルールで遊んでみるのも楽しみ方のひとつです。

花札

花札で楽しいお正月を。

 筆者自身、子どものころは飽きることなく一晩中花札で遊びながら、お正月だけは家族公認で夜ふかしを楽しんでいた記憶もあります。大人になってから花札で遊ぶ機会も少なくなっていましたが、昨年の年末年始に久しぶりに家族でやってみたら、花札自体のおもしろさと懐かしさで祖父母も含めて大いに盛り上がりました。

 外になかなか出られない今年のお正月こそ、家のなかで家族や友達と遊んでみるのもおすすめです。「トランプやUNOにはもう飽きた……」という人は、ぜひ花札に挑戦してみて。古き良き日本文化やお正月らしさを感じながら、きっと楽しめるはずです。

文:Miho Aizaki