三人寄れば文殊の知恵
2020.12.25 UP

連載 | 地方創生の知恵袋 | 3 三人寄れば文殊の知恵

LOCAL

「世界一チャレンジしやすいまち」の実現をビジョンに掲げる宮崎県新富町。人口1万7,000人の小さなこの町で、なぜ1粒1,000円ライチや企業との連携事例が続々と生まれ、移住者たちが飛びこんできているのか。仕掛け人である地域商社こゆ財団の視点から、その理由と気づきをご紹介します。

今回のテーマは「チームづくり」です。

短所を補う

こゆ財団の設立は2017年4月。ふるさと納税と人材育成を事業の二本柱とする絵を描き、自らが飛び出すかたちで地域商社の設立に動いた岡本(現在は任期を終え、新富町役場の産業振興課に所属)は、地域づくりの経験豊富な経営者として、現代表理事の齋藤を代表理事に招聘しました。

アメリカのシリコンバレーで仕事をしたのち、東京でもビジネスを営んでいた齋藤は、2011年の東日本大震災を機にビジネスの力で地域を活性化することを使命とし、それ以来数多くの地域で商品開発や人材育成を手がけてきました。

そんな齋藤ですが、すべての事業を彼一人で完結できるわけではありません。地域で事業を行うには、多様な人材とかかわりをつくることも不可欠ですが、実は人前で話すのは好きではありません。人付き合いがさほど得意ではないことを本人も公言しています。

そこで齋藤が取り組んだのは、チームづくりです。役場職員でもある岡本には、行政や地域とタッグを組んで事業を推進していく役割を、対外的な情報発信やコミュニケーションを中心とした役割には、高橋を置くこととしました。

こうすることで、齋藤は本来の強みである事業計画づくりと結果へのコミットメントに集中することができたのです。

長所を生かす

チームづくりで大切なことは、長所を生かすことです。

例えば、高橋は地域情報誌を中心にさまざまな媒体の編集を手掛けてきた編集者です。こゆ財団は彼を中心に、設立当初から情報発信に注力してきました。最近ではオンラインイベントも数多く企画運営するなど、地域に足りないといわれがちな情報発信にさらなる磨きをかけています。

編集の妙は、ヒトモノコトの見方や切り口を変えることで伝え方の可能性が縦横無尽に広がることです。

ともすれば人の目に触れることも気づかれることもないチャレンジを、こゆ財団はSNSやプレスリリースなどの手段を通じて全国に発信し、いち早く多くの関心を呼び起こしました。

1粒1,000円ライチのブランド化をこゆ財団の代表事例として認知していただけるようになった背景には、国内で誰よりも、どこよりもライチについてニュースを出し続けた事実があります。

こゆ財団では、質も量も追い求めることをモットーに、現在も情報発信に力を入れています。

こゆ財団

三人寄れば文殊の知恵

事業の推進には、それぞれの短所を補い、長所を生かし合えるチームづくりが不可欠です。そのときには三人という単位でチームをつくることをおすすめします。

ビジョンを掲げて全体の舵を握る役割。地域とのつながりを生かしながら事業を遂行する役割。対外的業務と情報発信に力を注ぐスポークスマン的役割。こゆ財団も、この3つの役割を分担する三人のチームを中心としてスタートしました。

三人寄れば文殊の知恵。一人では苦手なことや困難なことがあっても、補い合える特性を持った三人が集まれば、できることは大きく膨らみます。
 

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高橋 邦男

たかはし・くにお
一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(こゆ財団)執行理事/最高執行責任者
1976年生まれ、宮崎市出身。四国・関西の編集プロダクションを通じて講談社やリクルートといったメディアの企画編集に20年間携わった後、2014年にUターン。地元行政広報紙の官民連携プロジェクトチーフディレクターを経て2017年4月より一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 事務局長。人材育成事業や視察研修を通じて2年間でのべ11,000人の関係人口を獲得。
こゆ財団の情報発信やプレスリリース配信など、窓口/広報として活動中。広報/編集/ライター人材育成講座などの講師としても登壇している。2020年4月より執行理事兼最高執行責任者に就任。