新しい贅沢を提案するジオパーク×ホテル「Entô」が島根県隠岐郡海士町に2021年夏OPEN。
2020.12.26 UP

新しい贅沢を提案するジオパーク×ホテル「Entô」が島根県隠岐郡海士町に2021年夏OPEN。

NEWS

地方創生で知られる島根県隠岐諸島の1つ、海士町に、隠岐世界ユネスコジオパークの「泊まれる拠点施設」として「Entô」が2021年夏にOPENします。ジオパークの島前拠点機能と、その絶景を享受できる宿泊機能。2つの機能を中心に、従来のリゾート施設とは一線を画すまったく新しい価値観の複合施設として運営します。また、建材としての性能の高さに加え、SDGsでも推奨される最小限の工程での施工を実現する全面CLT工法(Cross Laminated Timber)を、宿泊機能を持つ大型施設の建て替えとしては国内初採用をしています。離島の新しい木造建築施工の在り方として注目を集めています。

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コロナ禍における離島観光への新たな挑戦

180の島々が集まり4つの有人島からなる日本海の離島、島根県隠岐諸島に、2021年7月、新施設が誕生します。4島のひとつ、人口約2300人の海士町(あまちょう)にはホテルはマリンポートホテル海士の1軒のみで、その起源は1971年に誕生した県営の国民宿舎・緑水園に遡ります。同宿舎が開業して23年が経過した1994年に、観光を基軸に地域振興、雇用の場の確保をはかるため島根県より緑水園を買取り、現在の本館を増築しマリンポートホテル海士と改名、本館、別館(緑水園)として、数多くの観光客を受け入れてきました。その後、海士町は2017年に「海士町観光基本計画」を制定、日帰りが難しい離島観光の最重要施策は宿泊施設の充実であり、インバウンドを含めた今後の需要に対応できるよう、48年に渡り使用されてきた別館を解体し新施設の建築を企図する「ホテル魅力化プロジェクト」を立ち上げました。海士町政史上最大規模の予算となる投資対象として、ホテルの存在意義、島における観光業の意義について対話を続け、海士町が取り組んできた「人づくり」と「仕事づくり」をつなげる舞台として実現に至りました。

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ユネスコ世界ジオパークの「泊まれる」拠点施設

隠岐諸島は世界44ヵ国161地域のユネスコ世界ジオパークの一員として、隠岐特有の「大地の成り立ち」「独自の生態系」「人の営み」というテーマを掲げ、雄大なジオパークの魅力を世界中へ発信すると共に、島を訪れる観光客と島民の交流施設としての役割も担います。この施設は、隣接するマリンポートホテル海士本館と一体を成し、2021年7月より「Entô(読み:エントウ)」という名称になります。付加価値を足していく、いわゆる都市型のラグジュアリーではなく、都市から遠く遠く離れた、地球にぽつんと浮かぶ隠岐の大自然を最高級の価値として、「なにもない」という新しい旅の贅沢、豊かさを提供します。海士町のキャッチコピーでもある「ないものはない」は、「なくてもよい、大事なことはすべてここにある」という2つの意味を持ちます。このキャッチコピーを掲げ、小さな離島が逆転の発想で、挑戦を繰り返してきました。2021年夏にオープンするEntôもまさしく価値の転換に挑戦するプロジェクトとなります。

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島まるごと観光」の拠点として、新しい顧客と島民にアプローチ

ジオパークである隠岐の自然の中に、人々の暮らしがあります。その自然と暮らしの中に溶け込み、探究し、地球を知り、自己を知る。そのフィールドとして島前3島の中に観光客や島民が飛び出していく、その玄関口としてEntôを機能させていきます。
「遠島という旅」を完成させるのは、島に暮らす全ての大地・自然・人ととらえ、滞在機能と、利用客を施設の外、島全体へと送り出すビジターセンター機能を兼ねています。
同施設のターゲットは、全世界からの来島者と島民。来島者としては、探究心や知的好奇心が高く、社会課題解決への参画意識が強い、合理的だが気前の良いバックパッカー気質のファミリー。島に暮らす島民に対しては、学び・交流の施設として、暮らしに溶け込みながらも、常に新しい世界と繋がる機能を果たしていきます。

大型ホテルでは国内初となる全面CLT工法による、島前カルデラを眼前に設計

施設の設計はMOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO(東京都、代表 原田真宏 + 原田麻魚)、ビジュアルアイデンティティ・ネーミング開発は日本デザインセンターが担当しています。施設は、Seamless(隔たりや境目のないこと)、Honest(正直さ、素直さ)を設計コンセプトとし、目の前に広がるジオパークの風景そのものを全身で感じられる空間設計が特徴です。離島建築の特殊性を勘案し、CLT工法で施工します。隣接する港と同じく木の温かみを全面に表現し、島前カルデラが眼前に広がる設計となっています。現在ある宿泊施設に加え、客室・ラウンジ・テラス・研修室・収蔵庫・レストラン・大浴場を持つ複合施設となります。全36室、最大定員90名です。 

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海士の未来を作り、隠岐が世界のタグボートとなるために

海士町 大江和彦町長は本事業に関して「海士町はこれまで産業振興や教育の魅力化など、島にあるものに目を向け磨き発信してきました。本事業は海士の次の100年を作る事業のひとつであり、小さな離島の隠岐が世界のタグボートとなり、地域振興から世界の平和の礎を築くリーダーになっていく、まずは第一歩です。」と語っています。
また同施設の運営を担う株式会社海士の青山敦士代表取締役は 「離島観光においては、人口減少による人手不足、グローバル化や多様化するニーズへの対応も遅れています。斜陽化する離島観光において、その遠さを魅力として打ち出し、むしろ観光という概念と意義をもう一度見直し、未来への希望を掲げるきっかけとなる場所でありたいです。」 と想いを込めています。
隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会の野辺一寛事務局長は、

大地(ジオ)に包まれ、大地を感じ、そして島の人々の暮らしにふれてみる、隠岐ユネスコ世界ジオパークの楽しさ、不思議さの始まりとなり、世界でロールモデルとなるような滞在型の拠点施設にしたいと考えています。

と意気込みを語っています。

海士町について

島根県隠岐郡海士町は、 4つの有人島からなる日本海の離島、隠岐諸島の1つです。「自立・挑戦・交流 × 継承・団結」を町政の経営指針に掲げ「ないものはない」を合言葉に、島故の価値や生き様を島内外に発信しながら、様々な分野で島の生き残りをかけた挑戦を続けています。 これからも引き続き、島の歴史や伝統文化を「継承」し、島に根付いた半農半漁の暮らし、地域の絆や信頼から生まれる支え合いの気持ちを大切にしながら、「団結」して、みんなでしゃばる島づくりを目指していきます。

持続可能な島づくりを目指すために

町政指針:自立・挑戦・交流×継承・団結 
     心ひとつに!みんなでしゃばる(引っ張る)島づくり
海士町らしい価値観:ないものはない(なくてもよい、大事なことはすべてここにある)