なぜ、コミュニティスペースから始めたのか。  ながれやまlab. ‐まちをみんなでつくる‐第2回
2019.08.20 UP

なぜ、コミュニティスペースから始めたのか。  ながれやまlab. ‐まちをみんなでつくる‐第2回

LOCAL

まちをみんなでつくろうと考えた時、なぜコミュニティスペースから始めたのか。それは、まちの人事部として、ヒトやモノが集うことで世代間や新旧住民間のコミュニケーションと交流を生み出す拠点が必要だと感じたからです。

前回でも触れたように、流山市は多くの子育て世代を転入させました。まちの一部分で人が急増したら何が起きるのか。企業でいえば、久しく採用活動をしていなかった組織が大量の新卒採用を開始し、組織に関する知識や経験のない人が急増した状態です。当然、世代間・新旧住民間の協働・協業は困難でしょう。そこで、組織(まち)づくりをみんなで行うために必要な土台をつくる作業を、私の(人事部長としての勝手な)最初のお仕事にしようと決めました。

「郷(地元)に入りては郷に従え」とよく言いますが、私はこの言葉が嫌いです。新人(新住民)の我慢を前提とするプロセスで楽しむこともできず、成果も思うように上がらないように感じます。地元を尊重しながらも、新住民がよそ者や若者目線で考えることで新たな事業や商品・サービスを生み出していく。そうしたプロセスをみんなで楽しみながらつくっていけたらと考えました。

そのためにはまず、新人(新住民)つまりよそ者である私自身が既存の組織(まち)や在籍歴が長い人(地元の人)の現状を知る必要があります。歴史的なエリアのまち歩き、俳句・華道・茶道・着物などの習い事、認知症サポーター養成講座の受講、複数の市民活動への参加を通じて、いろんな方とお話しました。また、市政ビジョンや戦略、市の各種報告書を読み、組織(まち)の現状や方向性のインプットも行いました。時には市役所の各課を訪れ「何をしてるんだろう?」とチラチラみながら広報物を眺めて(変な人だと思われたと思います。笑)、「話しやすそう!」と感じたら職員さんにヒアリングしながら、世代間や新旧住民間にある壁を越えて、互いがもつ価値を最大限に発揮しながら、まちをみんなでつくる方法を模索しました。

そこで目をつけたのは、歴史的な建造物や町並みが残る流山本町エリアです。特に、大正初期に町民によってつくられた現:流鉄流山線と、江戸中期に流山で発祥した白みりん*には、シニア世代と若者世代、地元住民と新住民をつなぐコンテンツとしての可能性を感じました。また、このエリアは流山市の利根運河・流山本町ツーリズム推進課がインバウンド向けの観光推進に取り組んでいます。まちの魅力を若者、よそ者向けにアレンジして商品化すれば、市が目指している方向性とも相性が良いと感じました。

みりんで交流
 
 

シニア世代や地元の方に馴染みのある流山本町エリアに、新住民やこどもが足を踏み入れたくなるようなコトを、新住民の若い世代や子どもが地域にあるモノやバショを使って開発する。それを契機として、開発されたコト・モノにまつわるエピソードを歴史や文化、過去の経験に基づいて話すシニア世代や地元の方が現れる。こうした交流をもつことで地元を気にかける新住民の若い世代や子どもが増え、新たな商品・サービス開発につながると同時に、日常的な助け合いや気づかいも生まれるかもしれない。その過程で、専業主婦や育休ママさん、地元の事業者や団体などを巻き込めば、地域のつながりも生まれ、地域経済の活性にも...

こうした経緯と妄想を踏まえ、〈流山1丁目にある流鉄流山駅一角〉での活動を開始しました。ゆくゆくは両者についての理解が深まり、流山市に転入した若い世代や子どもが、シニア世代や地元の方に関心をもち、高齢者が住みやすいまちづくりを進めていけるといいなぁ。「世界一の高齢化率を誇る日本社会で、少子化の波が押し寄せるなか、子どもの数を増やしている流山市のまちづくりは世界を変える起爆剤になるかも!」とワクワクしています。

おっと!文字数の都合で今回はこの辺に留めておきます(笑)。machiminで一体何をしているのかは、次回以降でお話しますね。

*現在家庭にある黄金色で透き通った本みりんは、現:流山キッコーマン株式会社が最初に製造したものです。シニア世代を中心に愛され、世界無形文化遺産に登録された和食に欠かせない名脇役の調味料でもあります。一方で若い世代はみりん離れが進んでおり、みりん風調味料との違いを知らない人も増えています。machiminでは、みりんを主役にする含有率51%overのスイーツを作り、「これ、みりん?」という驚きと興味を生み出す活動をしています。

【最近のmachimin】

日刊machimin
 

**日刊machimin 7/30(橋本)**

まちを知ろう!自由研究教室in博物館、3日目。
予約は0人でしたが、別の用事で図書館や博物館に来館していたところをお誘いし、最終的に小学1年生から中学1年生まで10人が参加してくれました!

史跡のガイドさん、博物館の方、machiminスタッフ、それぞれ慣れてきたこともあり、細かい情報交換、年齢に合わせた難易度の調整など、適宜連携しながら運用ができたと思います。レポートまとめは小学1年生にはなかなか難しい内容、お母さん方がサポートしてくださりながら進めました。

みりんの実験ではみりん風調味料と比較。生クリームと混ぜて砂糖不使用キャラメルを作る過程で、“煮たときの見た目や香り、原材料”などみりんとの違いを体感しながら比較しました。スマホで色が変わる様子を動画に撮り、「違いを詳しく図書館でまとめる!」と言っていた子も。
今日のイラストは、みりんとみりん風調味料の香りの違いに反応する男子たち。「まさに!」な素直な反応でした!

text●手塚純子
illustration●はしもとあや

キーワード

手塚純子

株式会社WaCreation 代表取締役社長(本社:千葉県流山市)
1983年大阪生まれ神戸大学経営学部卒業。人的資源管理を学び、体育会アメフト部で組織マネージメントを実践し、人や組織の面白さにどっぷりはまる。2007年株式会社リクルート入社、営業・人事・企画を経験。ビジョン策定浸透・採用・人材育成などの分野でプロデュースを強みとする2児の母。生牡蠣とオムライスが好き。