岡山城
2021.02.20 UP

町のこと、地域のこと。どこで知る?調べる? 意外に難しい移住後の情報収集

PEOPLE

意外だった車社会と物価

とにかく人に会い、地域のリアルな情報を得るために行動する中で、移住前には予想していなかったことがもう一つあった。

うめたにさん「岡山が意外に車社会なことにびっくりしました。当時は夫の車しかなく仕事に乗っていってしまうので、私はバスや電車を使って出かけていました。最近やっと自分の車を買いました。」

また、関東などに比べて物価が安いと思われがちだが、実はそうでもない。この点も、うめたにさんが岡山に実際住み始めてから感じたことだそう。

うめたにさん「野菜は農産物直売所だと安いんですが、スーパーだとそんなに安くはないですし、日用品は結構高いと思います」

こうした生活のリアルな事情は実際に住んでみないと分からないことであり、だからこそ、ネットだけではない人とのコミュニケーションが不可欠だとうめたにさんは言う。

岡山市地図
うめたにさんがよく使っているという岡山市の地図。「スマホの地図アプリなどは土地勘がないとかえってわかりにくですが、紙だと全体を俯瞰して見られるので便利です」とうめたにさん。(c)うめたになみ

あえて方言で話してもらう

人とコミュニケーションを深める上で、苦労したのが言葉の面。うめたにさんは幼少期から住み始めた横浜を一度も出たことがなく、移住直後は岡山弁の会話になかなかついていけなかったという。

うめたにさん「年配の方だと特に、ばーっと話されると頭が真っ白になって、何も理解できないということもありました(笑)。若い方だとそうでもないんですが、それでも分からない言葉が出てくると、聞き直していましたね。たとえば、『おえん』(=だめ、いけない)とかは、最初は全然分からなかったです」

岡山弁を学ぼうと書籍を読んだりもしたが、やはり理解するには実践が一番。

うめたにさん「人に会うたび『横浜から来たんです、いろいろ教えてください』と言ってまわってましたが、そうすると気を遣われて方言でお話されない方もいるので、その時はあえて『ぜひ方言でお話してください』とお願いして、分からない言葉を尋ねていました」

岡山弁についての書籍
うめたにさんが参考にしていたという岡山弁についての書籍「めくってみられ 岡山弁でーれー大辞典」(発行:シンコー印刷株式会社)。(c)うめたになみ

人とのつながりを求め、自ら立ち上げたコミュニティ

うめたにさんが岡山に移住して実感した、情報収集の難しさや知り合いのいない孤独感、生活する上でのちょっとした悩み。「これを解決するには、とにかく人に会うしかない」と、2019年に自ら始めたのが「岡山初心者の会」であり、その後に任意団体として設立した「cococara okayama (ココカラ オカヤマ)」だ(スタートから現在までのストーリーはこちら)。

うめたにさん「私と同じように悩む移住者たちと、地域の人とをつなぐ場として定着すると嬉しいですね」

岡山初心者の会
「岡山初心者の会」(c)cococara okayama

2021年は新たなチャレンジも

岡山に引っ越して2年半が過ぎ、さまざまな壁を乗り越えながら挑戦を続けてきたうめたにさん。そして2021年は、岡山でできた仲間とともに、また新しいチャレンジを始めている。横浜で所属している子育てNPO「こまちぷらす」での経験を活かし、新たに任意団体『cotocoto.coto』を立ち上げ、子どもや親の居場所となるコミュニティの準備を進めているところだという。

うめたにさん「2021年4月に“つながる@home『ことこと』”をスタート予定です。子どもが大好きなので、子どもを真ん中にして誰でもがふらっと立ち寄れる場を作りたい。支援する側・される側ではなくて、それぞれの得意を活かして、リビングをみんなでシェアするような大きな家族みたいなコミュニティを目指します」

知り合いのいない移住先で陥りがちな、情報不足による孤独感や戸惑い。それを解決し充実した暮らしを楽しむには、ネットだけに頼らず、自ら地域や人と関わりを持とうとすることが必要なのかもしれない。

●「cocokara okayama」についての記事「移住先での孤独感を克服するには?実体験から生まれたコミュニティに取材」はこちらから

写真:うめたになみ、丸山嘉嗣
文:西紀子

  • 2/2