カヤック→バイク→ハイク。自然の循環を感じる環境スポーツイベント
2019.08.20 UP

カヤック→バイク→ハイク。自然の循環を感じる環境スポーツイベント

DIVERSITY

海、里、山を自分のペースで巡りながら、日頃忘れがちな地球の息づかいを感じる「SEA TO SUMMIT」。自然と対話しながら進み、ゴール後には、今までと違う自分がいました。

海、里、山を自分のペースで巡りながら、日頃忘れがちな地球の息づかいを感じる「SEA TO SUMMIT」。自然と対話しながら進み、ゴール後には、今までと違う自分がいました。

その土地のこと、自然のことを知るなら、風を感じながら自分の足で歩いたり駆け抜けたりするのが一番──。アウトドアメーカー『mont-bell』と地元自治体が共同開催する環境スポーツイベント「SEA TO SUMMIT」(以下、STS)に参加後、そんな気持ちで満ちあふれていた。

海(湖・川)、里、山を舞台にアウトドアスポーツを楽しみながら自然の循環を体験し、自身の身近な自然環境の重要性を改めて知る機会になるように。STSはそんな思いを込めて鳥取県米子市皆生地区と西伯郡大山町で始まり、今年で11年目を迎えた。今回、6月15日と16日に広島県の江田島市で開催されたSTSに参加、カヤック約10キロ・バイク約23キロ・ハイク約5キロの旅に出ることに。江田島市は広島港からフェリーで30分ほど行った瀬戸内海の島で、ここでのSTSは6回目。男女合わせて115人、7歳の子どもから67歳の大ベテランまでが集結したのだった。

STSがほかのスポーツの大会とは異なるのが、本番の前日に環境シンポジウムが開かれること。地元の大柿中学校科学部の男子2人によるウニの一種・スカシカシパンの研究発表や、広島大学の清水則雄准教授による瀬戸内海の魅力についての講演があった。そして、シンポジウムの後は、今年から初めて開催されるウェルカムパーティ。地元の特産品の牡蠣のフライや、オリーブオイルが味わえるピザなどを食べながら、大会関係者、参加者の交流を深めた。

大会前日に行われた環境シンポジウムの講演の様子。
大会前日に行われた環境シンポジウムの講演の様子。

そして2日目、いよいよ大会本番だ。開会式の後、午前7時に大会スタート。最初のステージではカヤックで小黒神島を目指し、ぐるりと回ってスタート地点の『サンビーチおきみ』に戻ってくる。2人乗りのタンデムの人、愛犬を乗せる人、中にはスタンドアップパドルボード(SUP)で挑戦する強者も。前日の講演では"穏やかな瀬戸内海"と聞いていたのに、雨天翌日はやや波があり、パドルを懸命に漕いでも小黒神島になかなか近づかない……。トップバッターで海に出たものの、気づけばたくさんのカヤックに抜かれていたが、STSはタイムを競う大会ではないのでマイペースで進んでいく。次第にコツをつかんで島を回り、帰路へ。1時間45分をかけてなんとか最初のステージをフィニッシュ。海の上で、たった一人で過ごす自分だけの時間。終えた時には心がスッキリとしていて特別な体験に感じられた。

2日目大会がスタートした。
2日目大会がスタートした。

第2ステージはバイク(自転車)。最初の長い坂道にいきなりめげそうになったが、ギアを一番軽くして自分のペースで確実に進めていく。その辛い時間が通り過ぎてしまえば、あとは海沿いを走るコースが続く。今度は潮風を感じながら疾走する楽しい時間だ。途中グラウンドで遊ぶ少年たちが手を振ってくれたり、対向車がすれ違いざまに応援してくれたりと、地元の方々の温かさを受け取った。牡蠣の養殖場が見えたり、昨年7月の西日本豪雨災害で土砂崩れの跡があったり。車ではあっという間に通り過ぎてしまう風景を、自転車で自分のペースで走ることでより身近に感じることができた。

第2ステージのバイク。電動自転車やシティサイクルでの参加もOK。
第2ステージのバイク。電動自転車やシティサイクルでの参加もOK。

23キロの自転車の旅を終えてスタート地点に戻り、いよいよ最終ステージのハイクへ。標高402メートルの砲台山山頂がゴールだ。舗装された道を歩くのでそれほどハードではないが、カヤックと自転車を終えた体には疲労が出始めていた。すでにゴールしてスタート地点に戻る人たちとあいさつを交わし、木々の間から時折見える瀬戸の海をご褒美に感じながら元気を取り戻してついにゴール。合計38キロの旅を終えた。

砲台山山頂でフィニッシュ! 充実感に満ちあふれた瞬間がたまらない。
砲台山山頂でフィニッシュ! 充実感に満ちあふれた瞬間がたまらない。

地元の方々が作る焼きそばとノンアルコールビールで自分の頑張りを褒め称え、大抽選会で毎度大盛り上がりを見せる閉会式、全員の記念撮影を最後に江田島のSTSは終わった。今年は11月9日・10日の三重県・紀北町の大会までまだまだ続くので、ぜひ参加してみては。心も体も満足するはず!

 

text by Mari kubota

本記事は雑誌ソトコト2019年9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。