異業種カップル
2021.02.14 UP

IT業界×伝統文化。生活時間も働き方もすれ違う異業種カップルが結婚するまで

PEOPLE

生き方や働き方が多様化している今、恋愛や結婚のかたちも様々だ。特に婚活が一般化してきた昨今では、異なる業界で働くカップルも増えているのでは。同じ会社や同業種同士に比べて、異業種カップルの場合はお互いに新しい価値観を与えられる一方で、生活時間やスタイルが異なることにより、思いもよらない行き違いが生じることも。福岡市の企業でWebディレクターとして働くE子さんの夫は、老舗の酒蔵で酒造りに携わる蔵人。IT業界と伝統文化という全く異なる世界にいた2人の、出会いから結婚までのストーリーを尋ねた。

Webディレクターと蔵人、出会いは婚活パーティ

福岡市でWebディレクターとして働くE子さんが5歳年上の夫と出会ったのは32歳の夏、婚活パーティがきっかけだった。転職して5年以上が過ぎ、大型案件を担当するようにもなって仕事の面白さを感じる一方で、「いつかは結婚したい、特に出産はリミットがある」と思い婚活をスタート。ひとまず気軽に参加できるパーティに申込んだという。しかし当日は会議が押してしまい、さらに台風も接近中。仕事の疲れを引きずりつつ、悪天候の中パーティへ参加したE子さんだったが、モチベーションは下がり気味だった。「せっかくだしワインでも飲んで帰ろう」程度に思っていたところ…

E子さん「料理とワインを手に自分の席に戻ると彼が佇んでいて、お話しいいですか?と。話してみると感じがよかったので連絡先を渡しました」

そしてパーティの帰り道には彼から連絡が来てやりとりが始まり、盆休み明けに2人で会う約束をする。

婚活
(c)写真AC

初デートは蔵人ならではの店選びに好感度急上昇

初デートまでの間、E子さんと彼は当日の予定をSNSで相談していた。

E子さん「最初のデートってお互いの趣味や価値観を見極めるのに結構大事ですよね。でも事前のやりとりでは、彼からなかなか具体的な案が出てこず…初デートなのに?とちょっとモヤッとしました(笑)」

結局、E子さんが選んだ映画を見て食事をすることになったが、店の方は彼がしっかり予約してくれていた。しかも、当時食通に話題の人気店だったという。

E子さん「私もずっと行きたかったけど予約が取れなかったお店だったので、すごく嬉しかったです。2軒目は彼の知り合いがやっているというバーに連れて行ってくれました」

食の好みはカップルにとってかなり重要な要素といえる。嗜好が共通していたことに加え、事前のやりとりの段階でE子さんが感じていた“モヤッと感”を一掃する、素晴らしい店のセレクト。彼の逆転ホームランともいうべきエスコートに、E子さんはかなり心を掴まれたという。

E子さん「帰りに彼が働く酒蔵で作ったお酒をくれて、『今日はありがとう』って言ったんです。素直に感情を伝えてくれるし、変な駆け引きが感じられなくて、一緒にいて楽だなと思いました」

カウンター
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Webディレクターとして見過ごせない!告白はまさかの仕切り直し

次のデートは秋のはじめのドライブだった。結果的にこの日から交際がスタートするのだが、告白のシチュエーションが想定外だったとE子さんは振り返る。

E子さん「車内での会話の中で彼が何か言い間違いをしたんですよね。それで恥ずかしがってる彼に『それ以上に恥ずかしいことをしたら薄れますよ』って言ったら、『俺と付き合ってください』って口を滑らせて(笑)。なんとなくお互いに気持ちはあることは分かっていたけど、これじゃ私が誘導したみたいだし、言うのはここじゃないでしょ!と。それで夜に、私が持ってきた花火をしながらもう1度告白させました」

Webサイトのインパクトあるデザインや展開を演出する仕事柄なのか、交際スタートの瞬間はE子さんのディレクションにより、意外な形で思い出に残るワンシーンとなったようだ。

花火
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多忙な酒造りシーズンは日帰りも

こうしてスタートした2人の交際。WebディレクターのE子さんは忙しいながらも、比較的自分でコントロールしやすい仕事だったが、問題は蔵人である彼の方だった。10月から仕込みが始まり、翌2月までは繁忙期といわれる酒造り。そのハイシーズンを前に交際が始まり、当初は「なかなか会う時間がないのでは」と心配したそうだが、それでも週に1度は会っていたという。

E子さん「私も平日は仕事が忙しいし、1人の時間も欲しかったので週1ペースがちょうどよかったです」

しかし、E子さんが住む福岡市と彼の住む街は車で1時間半ほど距離があり、たいていは週末に彼が車で福岡市にやってきていた。

E子さん「酒造りが本当に忙しい時期は日帰りとか、日曜に来て月曜の夜中に帰ることもありましたね」

酒造り
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※画像は全てイメージ
タイトル画像(c)左:Fast&Slow・右:shige hattori /共にPIXTA(ピクスタ)
その他(c)写真AC
文:西紀子

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