異業種カップル
2021.02.14 UP

IT業界×伝統文化。生活時間も働き方もすれ違う異業種カップルが結婚するまで

PEOPLE

彼は早朝出勤。夜送ったメッセージの返信は翌日

お互いに多忙な中、週1回会うのが精一杯だったE子さんと彼。しかし仕事に対する価値観が似ていたことで、どちらかが寂しさを感じたり束縛するようなことはなかったという。

とはいえ、Webディレクターと酒蔵勤務の蔵人では生活時間が全く異なり、こんな弊害も…。

E子さん「連絡は毎日してたんですが、私が仕事から帰って夜メッセージを送っても、朝が早い彼はすでに寝ているのですぐに返信はきません。早い日は夜中3時頃に家を出ることもあるので…。でも翌日には返信してくれましたし、だんだんこのペースにも慣れてきました」

SNSでスピーディにやりとりできる今、若ければもしかするとどちらかが不満に感じてしまったかもしれないが、年齢的にもお互いの仕事やプライベートを尊重できる程度に落ちついていたのがよかったとE子さんは言う。

スマホ
(c)写真AC

疲労困憊の彼を遠出に誘いケンカも

交際から数カ月が経った頃、E子さんが観たかった展覧会のため、長崎まで車で日帰り旅へ行くことに。しかし、冬は酒造りの忙しさがピーク。疲労が溜まっていた彼は、長崎へ向かう車を運転しながらしばらく不機嫌だったそう。

E子さん「当時SNSは映えブームで、友達の投稿を見て羨ましくなり(笑)。彼が疲れてるの分かってて、『車あるし行こうよー』なんて気軽に言ってしまったんです。でも運転中ずっと無愛想だったので、私は怒られたと勘違いして文句を言ってしまって、ちょっとケンカになりました。もちろん私が悪いのですぐに謝って、その日のうちに仲直りしましたけどね」

毎週、彼が来てくれることに対し、慢心から気遣いに欠けていたのかもしれないと振り返るE子さん。働き方、生活時間の違いまで含めて、お互いを思いやることが大切だと改めて感じたという。

ドライブ
(c)写真AC

恋は盲目…にならない冷静さが良かった

異業種ならではのちょっとした行き違いはありつつも、大きなケンカやトラブルに発展することはなく、穏やかな交際を続けていった2人。どんな恋愛でも多少は出てくる焦燥感や束縛欲求はほとんどなかったとE子さんは振り返る。

E子さん「ストレスなく冷静でいられたのは、お互い依存せずに自分の生活も大事にできていたからかもしれません」

さまざま人生経験を経た30代という年齢、キャリアも安定し仕事へのモチベーションも高い時期。「この恋は絶対逃せない!」「相手が自分の全て」という“恋は盲目”的な恋愛依存に陥ることなく、お互いを尊重しあえる関係を築けていたというわけだ。

婚活スタートの恋愛は目標が明確

結婚については婚活がきっかけだったこともあり、当初からお互い意識はしていたという。

E子さん「夫は実家暮らしというのもあって、毎週末出かけていく生活の変化に両親もすぐに気づいたらしく。それで、付き合いはじめてわりとすぐ、彼の地元のお祭りがあったので、それを見に行くのに合わせて両親にご挨拶しました」

そして初めてのクリスマスで「ずっと一緒にいたい」という半ばプロポーズのような言葉を言われ、年明けにはE子さんの実家へ挨拶に。

E子さん「婚活パーティからあまりにトントン拍子で進んでいったので、彼は両親に『結婚詐欺なんじゃない?』と疑われていたみたいです(笑)」

秋から冬にかけての彼の繁忙期を考慮して1年ほどかけてゆっくりと準備を進め、翌春に結婚式を挙げ入籍。その後は子どもも生まれ、現在はE子さんが彼の実家近くから福岡市へ通勤しているという。

結婚式
(c)写真AC

全く異なる業界にいた2人が、結婚という同じ目標に向かって穏やかに交際を進められたからこそ、今がある。情熱的に燃え上がる恋愛ではないけれど、長い人生を共にする相手だからこそ、時には俯瞰で見ることが必要なのかもしれない。

※画像は全てイメージ
タイトル画像(c)左:Fast&Slow・右:shige hattori /共にPIXTA(ピクスタ)
その他(c)写真AC
文:西紀子

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