夫の移動で生まれる「両拠点の友人顔合わせ」。ー 田舎と田舎の二拠点生活25
2019.09.07 UP

夫の移動で生まれる「両拠点の友人顔合わせ」。ー 田舎と田舎の二拠点生活25

LOCAL

 幡豆の友達が、小豆島を好きになってくれたらうれしい。「私」という存在は「小豆島」あってこそだし、二拠点生活のことも理解してくれる気がするから。そしてそのきっかけが「夫の移動」によって生まれている。夫が小豆島に行くときは決まって幡豆の友達を連れてきて、存分に満喫してくれるからだ。

今年も幡豆の友人3人と一緒に来島。

 7月28日は娘の1歳の誕生日。

 「親族みんなでお祝いをしたい!」と私の母が希望し、小豆島に集まることになった。この時も、夫は幡豆の友達3人と小豆島に渡り、3泊4日かけて生産者やアート、料理や祭りなどに触れた。

 前置きをしておくと、「二拠点生活」は、私と娘が行っており、夫が小豆島に来ることは1年に1度あるかないか。今回も21か月ぶりの来島。なかなかまとまった休みが取れないうえに、小豆島に来るきっかけが滅多にないからだ。だからこそ、きっかけができた時は、「せっかくだから」と幡豆の友達を連れて来る。約10人の大ツアーになったこともあれば、男2人旅のことも。

 普通、妻の実家に ”帰省“ をするときは、「家族」で行動するもので、来るたびに友達を連れてツアーをするのはレアだろう。それはきっと私たちの場合は、私のSNSや幡豆の友人との会話で、「小豆島」が滲み出ることが多いうえに、夫が自信を持って小豆島を友人に勧めてくれるからだ。

夫が毎回友達を連れて小豆島に来る大きな理由。

 「小豆島は僕にとって ”学べる故郷“ 。例えば、車社会の愛知に対し、船社会の瀬戸内海。この対比がおもしろい。しかも僕の周りには食関係の仕事の人が多いから、醤油、オリーブ、素麺などの生産現場に行くといい勉強になる。食べ物もおいしい。商品の見せ方も上手なものが多い。それに、『離島』という場所が新鮮でありながら、景色が幡豆と似ているから、リフレッシュしながらも和む。みんな小豆島のことを絶対好きになる!と確信が持てるんだ」と夫は話す。

 実際に小豆島に来てくれた友達は喜び、幡豆で夫と一緒に「本当に小豆島いいよ」と話してくれる。一方、受け入れ側の小豆島の友達も、私が幡豆でどのような人たちと過ごしているのか知られて喜んでくれる。

 結婚する際に「両家顔合わせ」をするように、私たちにとって親族同然の「両拠点の友人顔合わせ」は大切だと、夫が小豆島に来るたびに実感する。住んでいる環境も知ってもらえるとさらによし。安心して応援してもらえ、二拠点生活への理解も増す。

 7月末の「友人顔合わせ」ももちろん成功。すべては素敵な友人と拠点のお陰。より一層大切にしていこう!と心に誓った。

ある日の夫婦

娘の1歳の誕生日は、ローカル色の強い地元の夏祭りの日と重なった。日中はお祝いをし、夜はみんなで夏祭りへ。お参りをし、伝統ある男たちによる舞「ヤッシッシ」や、女たちによる舞(私と母も舞い手)「馬木踊り」を見てもらい、くじ引きをした。もち投げもなぜか本気!(笑)。「めっちゃいい祭りだった!」と夫も友人も大喜び。私が好きな地元の祭りを知ってもらえ、地元の人たちに夫や友人を紹介できてラッキー。

文 ● 黒島慶子
イラスト ● 宮本貴史

記事は雑誌ソトコト2019年10月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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黒島慶子 

くろしま・けいこ
醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー。小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときから小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、様々な人やコトを結びつけ続ける。2017年7月6日に、愛知県の幡豆で無農薬で大豆と米を育て、米・豆・麦の麹を作る『宮本農園・みやもと糀店』の宮本貴史と結婚。高橋万太郎との共著『醤油本』を出版。