今、愛知県瀬戸市という街に住んでいる。この街は「せともの」で知られる焼物の産地。真っ白な陶土が採れることから、1000年以上も、ずーっと焼物をつくり続けて、人々は暮らしている。こんな街は世界中探しても、ほかにないそうだ。
2017年、中心市街地の『せと末広町商店街』近くに、廃ビルを改装した、超カオスなアトリエ『タネリスタジオ』が誕生した。現在、約20名のアーティストが活動する。うち、ふたりの美術家は『Art Space & Cafe Barrack』をオープン。週の前半は制作活動に充て、後半はお店を開く。市内には空き工房が多く、以前からアトリエとして利用するアーティストが多かった。最近、人と人とがどんどんつながり、その存在が表面化。今年は9月〜10月に3団体がアートイベントを開催する。参加する瀬戸のアーティストは約70名。人が集まると、街はどうなるのか?「せともの」の知名度に対し、街としてはくすぶっている瀬戸。今か今かと夜明けを待つ。
photograph by Waki Hamatsu
text by Miku Kamiura
記事は雑誌ソトコト2019年10月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。