どうやって人を巻き込むのか-machimin流アップサイクルによるまちづくり
2019.09.20 UP

ながれやまlab. ‐まちをみんなでつくる‐ どうやって人を巻き込むのか-machimin流アップサイクルによるまちづくり

LOCAL

ながれやまlab. ‐まちをみんなでつくる‐第3回

ないならつくる
ほしいならつくる
あるもの活かす
みんなでやる

これは、machiminが大切にしているメッセージです。まちに何かが足りない、何かを変えたい、無いものを欲しいと感じた時、「税金でなんとかしてください!」と自治体や国に依存していては、超高齢社会を乗り切れないように思います。

自分たちで創ることを楽しむ、その過程でまちの方と仲良くなる、さらに自身も成長しながら、まちに必要なモノやコトを生み出していく。これができれば、だれかのまちが“自分のまち”になり、当事者性をもって地域に関わる人が増えるのではないでしょうか。

その第一歩として、まずは簡単なことから。まちの最大資源である“ヒト”が自分の好きなことや得意なことで、まちのバショやモノを活かしてみたらどうか、と考えました。

ビジネスの世界でイノベーションを起こしたい時も、既存の強みを活かしたり、あるモノを掛け合わせたりしますよね。それを地域に置き換えるとどうなるのか。それを考えることは、とても楽しいことでした。その際に私が注目したのが、地域にあるけどうまく活用されていないモノやバショでした。

廃材活用については、3R(リデュース:減量、リユース:再利用、リサイクル:再生)の考え方がよく知られていますが、これは、無駄なごみの量を減らす、再利用する、再資源化することで環境にやさしい循環型社会の実現を目指すことです。
 
私の「モノやバショ活かす」実践は、3Rとは少し異なります。誰かにとって不要とされた、価値が無いと諦められた、光が当たっていないモノやバショの特徴を活かしたまま、まったく違うモノやバショにつくり変え、新たな価値づけをしていく“アップサイクル”という手法をとっています。もともと持っていた価値をアップさせて循環させていくということです。

beforeafter

空きガレージだった場所に観光案内所やコミュニティ・スペースというまったく別の役割を与えてできたのがmachiminです。その後も地元企業や行政と協力しながら少しずつ手を加えて観光名所という新たな価値を生み出しつつあります。

ペットボトルキャップの飾り

ペットボトルのキャップをタンスの肥やしの毛糸で巻いた手づくりの装飾品、「数百円で売るくらいなら今求められるモノに変えて使ってほしい」と持ち込まれた着物と牛乳パックで作った駅員帽子、取り壊される自治会館のふすまをあまり布で飾った電車型フォトフレームなど、machiminという空間自体がアップサイクルという考え方を体現しています。

フレームと帽子

でも実は、machimin流アップサイクルの本当の目的は、単に今あるモノを活かすだけでなく、そのプロセスのなかでヒトが発揮するクリエイティブな力を最大限に引き出す点にあります。
 
最初はちょっと○○が好きだから、○○に興味があるからといった理由で集ったヒトと、無料で手に入るモノから始めます。1人で考えても面白いアイデアはなかなか浮かびませんが、そこは、コミュニティ・スペースとしてのmachiminが手助けしてくれます。「こうしてみたら?」「ああしてみたら?」と多様な人の視点から助言がもらえるためアイデアが磨かれます。出来たモノに対していろんな人から評価やフィードバックをもらうことで、さらに改善を進め、機会を創り有料販売をしてみる。こうしたプロセスを経るうちにヒトは自信がつき、自分で自分の価値を見直すことができるのです。

興味関心は広がりをみせるもので、だんだんと自分が通っているmachiminというバショやその近辺、さらにそのエリアを気にかけるようになります。自信がついたヒトは自分の力を使いたくなりますから、「歴史をイラストで伝えたくなった」「アートの力で人を呼べないか」「英語が話せるから何かで役に立てるかも」など、まちに貢献をしたいと感じ始めるケースは少なくありません。
 
地域に根付くmachiminでのモノのアップサイクルを通じて、バショの価値をあげたり、ヒトの価値をもあげていく、そして、“気づけば地域に参与しているヒト”を増やしていく。まちづくりは「楽しい」から始まり、先行投資が不要で、それが自分のためにもなるから継続できる。だから他のヒトに対する優しさや楽しさのおすそ分けがおき、波紋が広がるようにまちづくりにつながっていく。これが株式会社流山市の人事部長が軍資金なしに始めた“machimin流のアップサイクル”によるまちづくりです。
 
2019年の上半期、machiminのアップサイクル活動に共感してくださった株式会社ジモティーとの実証実験を行いました。誰かに不要と判断されてもまだまだ使えるモノを介して、地域の人と人とが結びつき、地域社会にあたたかなコミュニケーションを生み出すための実験です。(https://prtimes.jp/main/html/rd/amp/p/000000008.000006029.html)

【最近のmachimin】

日刊machimin

**日刊machimin 8/31(手塚)**

結婚式したかったけどできてない方、知り合いにいらっしゃいませんか?性別年齢関係ありません。

ジモティー を使って、まだまだ使える不用品をお譲りして生まれた繋がり。
レトロな小物を探して取りに着てくださったのは、お隣松戸にお住まいのフォトスタジオを都内で始められるカメラマンの方。小一時間だらだら汗をかきながら会話し意気投合しました。笑
別で先日、ジモティーでの取り組みに共感くださった方からウェディングドレスの寄付があり、「誰かのためにそのドレスを着たい方がいたら、人前式やフォトウェディングならできるかも」。こんな妄想話をカメラマンさんに伝えたら、協力するよと言っていただけました。

そこで、machiminとその周辺地域を舞台に無料でフォトウエディングを挙げられる企画をたてました。

相合傘に見えるmachiminの窓をバックに行う人前式。その後は、流鉄が昨年新調したピンクの車両「さくら号」に一つだけ設置されたハートのつり革で記念撮影してみませんか?これをした人は日本にまだいません、完全オリジナル。

まちをみんなでつくるmachiminが贈るweddingの特徴は、衣類直し、ヘアメイク、ブーケ、フォト、ピアノ、料理、企画ができる人など、まちに眠る力を結集させて開催することです。自分たちなりの得意なことや好きなことを活かしてまちのみんなでつくるウェディング。祝福ムードを契機に、共通の成功体験を蓄積することで、地域に新たなつながりやコミュニケーション、話題性を生み出します。

今、足りないのは、新郎新婦だけです!
 

text●手塚純子

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手塚純子

株式会社WaCreation 代表取締役社長(本社:千葉県流山市)
1983年大阪生まれ神戸大学経営学部卒業。人的資源管理を学び、体育会アメフト部で組織マネージメントを実践し、人や組織の面白さにどっぷりはまる。2007年株式会社リクルート入社、営業・人事・企画を経験。ビジョン策定浸透・採用・人材育成などの分野でプロデュースを強みとする2児の母。生牡蠣とオムライスが好き。