二拠点を移動した日の大変さを総動員で乗り切る。ー 田舎と田舎の二拠点生活23
2019.09.19 UP

田舎と田舎の二拠点生活 二拠点を移動した日の大変さを総動員で乗り切る。ー 田舎と田舎の二拠点生活23

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 家族の理解と協力なしで、私の二拠点生活は成り立たない。独身だった時は、自分の身のことだけ考えればよく、いつでもどこにでも自由に行っていたが、夫や娘、介護が必要な祖父母がいる今は、自由より家族が優先になる。幸い私は家族の理解と協力が厚いから二拠点生活が継続できている。

赤ちゃんがいると、移動日が100倍大変になる。

 二拠点生活をしていて、一番大変なことを聞かれた時、いつも同じ答えを言う、「移動して到着した後」と。「え? そこ?」と意外な反応が返ってくるが、「一番」を挙げるならコレ。

 遅くとも朝5時には起きて準備をし、7時に出発。7時間以上かけて移動して幡豆にやっと到着。「一息つきたい」という衝動に駆られるが、待ち受けている過密なタスクがそれを許さない。家を整えて寝られる状況にし、買い物に行って大人の夕飯と娘の離乳食を用意。娘をお風呂に入れて、娘に夕飯を食べさせながら自身の夕飯も食べ、娘を寝かせて洗い物………。 怪獣のような娘を連れて移動するだけでヘロヘロになるのに、到着した瞬間から一息つく間も無く慌ただしい家事と育児をやらざるを得ない。

 だからこそ、家族の理解と協力が欠かせない。むしろ、なかったら、どうやって移動日を乗り越えたらいいのかわからない。

 特に助かるのが、「娘の布団の準備」だ。朝一に出発しても、到着した時はもう洗濯物を取り込む時間帯なので、布団関係のものを洗って干すことができない。一度干すのを逃した時、到着初夜に娘の顔がダニに噛まれ、1か月以上治らなかったことがある。赤ちゃんは繊細なのだ。

一人で頑張らない! と心得て。

 小豆島側では母が夕飯と綺麗な布団を用意し、父がお風呂を準備して迎え入れてくれる。また、前回幡豆に到着した初日は、これまでで一番夫が家をピッカピカにし、娘の布団も洗って干して迎えてくれていた。さらに大人用のご飯をつくるのと、娘をお風呂に入れるのを一緒にしてくれ、娘を寝かしつけている間に食器を洗ってくれた。両親も祖父母の介護があるし、夫は仕事が忙しいから大変なはず。心から感謝!

 なお、情けないことに、こんなに協力してもらっても、到着初日は疲労困憊。娘がいない時は「疲れた」だったが、今は「泣きそう」なレベルだ。到着した初日こそ家族団欒を楽しみたいのに……。

 こんな自分が嫌だからこそ、二拠点生活をする人には、なんとか家族の理解と協力を得て初日のタスクを減してほしいと切に願う。家族にお願いできない場合は、助け合える友達をつくっておく。もしくは到着日だけは、家が汚くても布団が敷ければいい! 買ったものを食べる! お風呂も朝風呂に! と、何か妥協するのも大切かも?

記事は雑誌ソトコト2019年8月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

文 ● 黒島慶子
イラスト ● 宮本貴史

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黒島慶子

くろしま・けいこ
醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー。小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときから小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、さまざまな人やコトを結びつけ続ける。2017年7月に、愛ある日の夫婦知県の幡豆で無農薬で大豆と米を育て、米・豆・麦の麹を造る『宮本農園・みやもと糀店』の宮本貴史と結婚し、2018年7月に娘を出産。高橋万太郎との共著『醤油本』を出版。