「地域を編集する」ってどういうこと? 「たなコトアカデミー」の 受講生が実践してみました!
2021.05.04 UP

「地域を編集する」ってどういうこと? 「たなコトアカデミー」の 受講生が実践してみました!

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今期は、地域の魅力を伝えるための実践型講座。

 首都圏に住む人が和歌山県田辺市の「ファン」として、自分らしい関わり方を考え、実践していく講座「たなコトアカデミー」(以下、「たなコト」)が第3期を迎えた。

 舞台となる田辺市は、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」と世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を有する地域資源に恵まれた場所で、近年では、地元の企業家が地域資源を生かした新しい事業を立ち上げる動きが活発だ。そんな田辺市のローカルヒーローと受講生がタッグを組み、共同で地域の課題解決に向けた取り組みを行うのが本講座の特徴。第1期では東京・渋谷区の『青山ファーマーズマーケット』にて田辺市産の柑橘類や紀州南高梅などを販売し、地域の魅力をPRした。第2期では、受講生それぞれが自身の趣味・スキルと地域資源とを掛け合わせたり、企業家とコラボレーションをしたりすることで自分らしい地域との関わり方を考えた。

 第3期となる今回は、14名の受講生が「地域の魅力を伝える」ことに挑戦。地域の情報をどう編集すると、その魅力を多くの人へ届けられるのかを「インタビュー記事にまとめる」形で実践した。

  
田辺とオンラインで中継しながらインタビューを実施。

 今回の講座内容が決まった背景には、これまでの「たなコト」修了生と田辺の人々とのつながり、そしてそこから生まれたアイデアがある。2020年の春、コロナ禍で地域経済が打撃を受けた田辺市の状況を聞いた修了生が、地域のために何かできないかと話し合った。その中で「田辺の産品をより広く、多くの人に知ってもらいたい」という思いから今回のアイデアが生まれたのだ。

 本編では、インタビュー記事を制作するまでの受講生の挑戦の足跡を追っている。対面での講演やオンラインでの取材などを経て、記事が完成するまでに田辺の人々と濃密に関わりを深めていった受講生たち。2021年2月27日の修了式をもって講座は終わったものの、田辺との関わりはここからがスタートだ。コロナ禍で講座中に現地へ訪問することが叶わなかった分、「次は田辺で会おう」と約束を交わした受講生と田辺の人々。きっと今後もおもしろい「コト」が起こるに違いない。

 後半では、今回受講生が取材した田辺のローカルヒーローの多くを輩出する「たなべ未来創造塾」を紹介。地域経済を盛り上げるビジネスプランや、過去の講座で作成したプランの実現に向けて動き出している修了生が登場するので、こちらもぜひチェックしてほしい。

ステップ1 田辺を知る

 まずは田辺市という地域を知ることから。市内でビジネスに取り組むゲストの話を深掘りしていく。田辺がどんなまちで、どんな人が暮らしているのか──地域と出合う時間だ。1回目は、森や川をきれいにするところから米作りを考える田上雅人さんや、果樹の栽培・販売を通じて人とのつながりを大切にする野久保太一郎さん、畑を荒らす猪や鹿を地域資源に変える果樹農家の岡本和宜さんらの話を聞き、受講生は目を輝かせていた。

 
地元でも信頼の厚いローカルヒーローたち。

ステップ2 編集の視点を養う

 田辺についてインプットしたら、今度はそれらの情報をもとに何を伝えたいのかを整理していく。メイン講師である小誌編集長・指出一正より、「地域を編集する」とは何か、のレクチャーを受け、地域をおもしろく発信するための視点を身につけていく。その後、実際に田辺の人にインタビューし、ウェブ記事をまとめるための構成案をグループごとに作成する。3つのグループがアイデアを出し合い考えたタイトルや見出しは、ユーモアあふれるものとなった。

  
グループで作った記事のイメージを発表。

ステップ3 田辺を編集する

 編集の視点を学んだうえで、実際に記事を作っていく。今回は11組にオンラインで取材をした。読んでくれる人に伝わる記事にするには、どの写真を使い、どんな文章にするとよいのか、試行錯誤を重ねる。出来上がった記事は、受講生同士で読み合わせをしたり、インタビューした方に読んでもらったりしながら磨き上げる。よりよい記事にするためにはどうしたらいいのかと悩みながらも、生き生きとした表情の受講生たち。

 
インタビューの様子。初対面ながらも笑顔の絶えない時間に。

ステップ4 ページが完成!

 ついに11本の記事が完成。講座の修了とともに、それぞれの記事を関係者の前で発表した。講座メンターの石山さんは、「ほぼオンラインでのコミュニケーションの中、完璧に仕上げてくれたことに感謝」と笑顔でコメント。講座メイン講師の指出一正は、「今後も田辺と関係人口を結ぶプラットフォームにしてほしい」と期待を込めた。真砂充敏・田辺市長からも「田辺と受講生のつながりができて大変うれしい」とコメントが寄せられた。

 
田辺のまちをイメージしたデザインの特別サイト。田辺のデザイナー・竹林陽子さんとコラボしたイラストも要チェックだ。

特別サイトはこちら!

photographs by Katsu Nagai & SOTOKOTO
text by Yukari Maeda & SOTOKOTO

記事は雑誌ソトコト2021年5月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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