二拠点生活に親族の理解は必須!親族が集う「結婚式」を生かす。ー 田舎と田舎の二拠点生活12
2019.10.28 UP

二拠点生活に親族の理解は必須!親族が集う「結婚式」を生かす。ー 田舎と田舎の二拠点生活12

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 5月19日に親族だけの結婚式を行った。

 私も夫も、結婚式へ欠片の憧れはもなかった。それなのに私たちが結婚式を執り行ったのは、ひとえに親族にはきちんと結婚相手を紹介し、特殊と言える私たちの結婚生活「二拠点生活」のことを説明しておきたいと思ったからだ。次に、親族同士が交流し、絆を深めてもらいたい。そう思った。

食事会の会場にパソコンを持ち込み、結婚生活をプレゼン。

 私たちの親族は比較的多いうえに、住んでいる場所がバラバラ。全親族と個別にスケジュールを合わせて、住まいまで出向くには、お金と時間がかかりすぎる。それこそ結婚式を行うよりも。しかし、結婚式を行えば、一度に紹介と説明ができるうえに、親族同士が交流することもできる。目的を果たすにはうってつけだと思った。

 そこで、熱田神宮で厳かに挙式を執り行ったのちに、食事会の席を設け、結婚生活の紹介を「プレゼン」形式で行った。

 会場にパソコンを持ち込み、夫婦で企画をもみながら作成した説明資料をプロジェクターを通じてスクリーンに投影して説明をした。一方、指輪の交換やケーキカット、キャンドルサービスなどは目的を達成するうえでは必要ないと判断して行っていない。

 「プレゼン」がある結婚式など、おそらく全親族が初めての経験だろうが、反応はよかった。「二拠点生活のことも聞いていたんだけど、ピンとこなかったんだよね。でも、今日の説明を聞いて納得したよ。二人には合っていそうでいいね!」というような声を何人からもいただいた。よい反応にホッと胸をなでおろす。

 もっとも、今回は一方的に説明をしただけなので、後で個別に補足説明をする必要はあるだろうが、理解してもらうきっかけになったに違いない。

結婚式には、「大変」以上の「チャンス」がある。

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 親族は親身になってくれるがゆえに、わからないことには想像で尾ひれをつけて、過度に心配しがち。そんななか、「結婚式」は参列者全員が、私たち夫婦に正面から向き合う唯一無二の場。親族の理解を得る絶好の機会だ。私たちの結婚生活が特殊だからこそ、機会を活かすことができてよかったと実感している。

 総合ユニコム「婚礼・ブライダル施設インダストリーデータ2012」によると、挙式・披露宴を行ったカップルは50・6パーセント。行わなかったのは49・4パーセントと、約半々。その理由として、「なんとなく」や、準備の労力やお金を挙げる。私も夫と出会う前は消極的だったので、行わない気持ちも理解できる。ただ、結婚式は、結婚生活を潤滑にする絶好のチャンスでもあるので、よく考えて決めることをお薦めします。

ある日の新米夫婦

 結婚式は四親等までの親族のみ招待したものの、挙式会場には大勢の友人が集まってくれた。私たちの挙式会場が野外だったので、誰でも観ることができたからだ。私たちの結婚を素直に祝い、歓迎してくれていることが伝わってきた。結婚式を「任務」と思って、必死でこなしていた私たち夫婦の心を、友人たちが癒してくれた。この感動は、一生忘れないなあ。

記事は雑誌ソトコト2018年8月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

文 ● 黒島慶子
イラスト ● 宮本貴史

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黒島慶子 

くろしま・けいこ
醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー。小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときから小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、様々な人やコトを結びつけ続ける。2017年7月6日に、愛知県の幡豆で無農薬で大豆と米を育て、米・豆・麦の麹を作る『宮本農園・みやもと糀店』の宮本貴史と結婚。高橋万太郎との共著『醤油本』を出版。