夫の「のびのび」とした時間が私の心を支える。ー 田舎と田舎の二拠点生活27
2019.11.11 UP

夫の「のびのび」とした時間が私の心を支える。ー 田舎と田舎の二拠点生活27

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 私と娘が小豆島にいる間について「旦那さんを一人にして大丈夫?」とよく心配される。しかしご安心あれ。夫は自由に過ごせる独身生活を満喫している(笑)。もともとのびのびとした性格なうえに、個人事業主だから時間の使い方も融通が利く。やりたい! と思ったことを思う存分やっているので、時に私の想像を超える展開も生む。

夫がTwitterを始めたら、突然世の話題の的になった。

 先日、私と娘が小豆島にいる時、夫がTwitterを始めた。とはいえTwitterをやるなんて珍しいことじゃないので、気に留めずにいたら、開始10日でフォロワー数が1000人を超え、ある一つの投稿に12万を超える「いいね」がつき、投稿を見た約20社のメディアに取り上げられた。

 聞けば、知人から「Twitterは知らない人とつながる力があるから、いい広報になるよ!」と勧められて始め、まずはフォロワーを増やそうと、連日朝から晩まで興味がありそうな人をフォローしたり、おもしろそうなネタをアップしていたそう。そして「すべてナス科の野菜で作った、『ナス科の地上絵』」というツイートがバズッたのだ。いろいろな人に知ってもらっているこの機会に! と、ますます熱中したそう。

 もし、私と娘が同居していたら、「やりすぎじゃない?」と声をかけていそうな気がするし、娘も遊んでほしくてグズるだろうから、ここまで没頭できなかったに違いない。そもそも、夫は誰かがいたら「終日携帯ばかりと向き合う」なんてことはしない。一人だから終日夢中になれたのだ。

自由な夫に対する私の思い。

 なお、私のことも夫のことも知る知人から「夫が自由奔放に過ごしていて腹が立たないの?」とも、よく聞かれるが、むしろ夫がのびのび楽しんでいることが、私にとって救いでもある。育児・家事・仕事・介護に追われて毎日休息する暇がないうえに、24時間ずっと言葉も話さない娘と向き合っていると、世界が狭くなって窒息しそうになる。そんな時に夫と話すと、一気に世界が広がって楽しくなる。何より、大切な人が幸せであると分かるだけで幸せになる。

 そもそも、夫のいいところは、「楽しく生きる」名人であること。まずは自分自身が楽しく生き、次いで周りの人たちも楽しませている。だからこそ、日々、アイデアの連続。好奇心で作った「黒麹」を世界で唯一販売しては大ブレイクを起こしているし、11月からは友人とラジオをはじめ、「宮本こけし」という名前で恋愛相談にのるそう(夫は私と違って恋愛経験豊富)。

 無数のアイデアの中には空振りも無茶振りもあるけれど、そんなこともひっくるめて、一緒にいて楽しい。これからも、夫にはのびのびと楽しく生きていてほしいな。

ある日の夫婦

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 9月に産後初の遠出の「発酵旅」へ! 夫と娘、友人3人と一緒に、長野県の酒蔵と山梨県の味噌蔵、ワイナリー、ワインビネガー&バルサミコ酢製造所へ。さらに行程の中では、『五味醤油』の兄妹が行う「発酵兄妹のCOZY TALK」に夫婦共に出演させてもらうというスペシャル体験も。育児をしていると、毎日が同じような過ごし方になるので、刺激の多い時間がいちだんとありがたく思える。

記事は雑誌ソトコト2019年12月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

文 ● 黒島慶子
イラスト ● 宮本貴史

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黒島慶子 

くろしま・けいこ
醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー。小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときから小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、様々な人やコトを結びつけ続ける。2017年7月6日に、愛知県の幡豆で無農薬で大豆と米を育て、米・豆・麦の麹を作る『宮本農園・みやもと糀店』の宮本貴史と結婚。高橋万太郎との共著『醤油本』を出版。