産後の二拠点生活は、赤ちゃんの住民票が要。ー 田舎と田舎の二拠点生活17
2019.11.14 UP

田舎と田舎の二拠点生活 産後の二拠点生活は、赤ちゃんの住民票が要。ー 田舎と田舎の二拠点生活17

LOCAL

 生後1か月で娘の住民票を幡豆から小豆島町に移した。二拠点生活をしている私は、どちらにするか選ぶことができる。そのうえで、今は小豆島町に住民票があったほうが育児環境がよいと感じたことが理由だ。

二拠点の滞在予定と乳児の予防接種の予定を合わせる難しさ。

 住民票を移すきっかけになったのは、娘の予防接種だ。生後半年まではとにかく予防接種が多い。定期接種は原則公費で行われ、娘の住民票がある自治体からチケットが発行される。幡豆に住民票を置いたまま、小豆島町で予防接種を受けることもできるが、その場合は2週間以上かけて何度も書類や電話のやりとりをしなければならない(地域によって異なる)。予防接種の種類ごとで受ける時期と頻度が決まっているが、娘の体調が悪ければスケジュールを立て直さないといけない。しかし、幡豆の周りの病院は早くから予約が埋まる。二拠点の滞在スケジュールもあるので、予防接種の予定を立てるのはまるでジグゾーパズル。

自治体の育児施策も子どもの住民票の決め手。

 一方、小豆島町の病院は、直前でも予約が取れるし日時の変更がしやすい。さらに、小豆島町は育児の施策が充実しており、1か月や2か月検診だけでなく、4か月検診があるなど、頼れる施設や制度、プレゼントも多い。小豆島のほうが友達が多いから育児情報もたくさん入ってくるし、実家にいれば両親の力を借りることもできる。考えに考え、予防接種が一段落つくまでは、娘の住民票を小豆島町に移し、小豆島町だけで予防接種を受けるようにしたほうがよいかもしれないと思った。夫に相談したところ、快く受け入れてくれたため、娘の住民票を小豆島町に移すことにした。夫には毎日のように変化する娘の成長を見届けてほしいが、小豆島町にいる割合のほうがわずかに多くなりそうだ。

 なお、ネックになったこともある。それは「保育園」。幡豆がある西尾市は、娘の住民票が西尾市になければ保育園に入れることができない。私立の保育園なら住民票関係なく入れることができるが、西尾市は私立の保育園が1つしかなく、満員で預けることができない。たとえ一時保育でも。

 両親の力を借りることができない幡豆こそ保育園を利用したいができなくて、私がどんなに体調不良でも育児をしなければならない。このような地域は多いそうだが、住民票が別の自治体でも預けることができたり、直前でも申し込める自治体もあるので、調べて、住民票を検討していこう。

 産後も二拠点生活をしているとややこしいことが多いけれど、その時々の状況に応じて、適切な場所に子どもの住民票を置くことができるのも、二拠点の利点だ。

ある日の新米夫婦

 夫が近所の農家たちと収穫祭を開催。私は育児で準備に参加できないまま、会場の田んぼに行くと、100人以上の参加者がいて、子どもたちも積極的に参加し、遊びきっていました。ニワトリの解体、ニワトリの紙芝居、お米の足踏み脱穀、薪割り体験、手裏剣投げ、ハンガリーのダンス、竹細工、竹の滑り台、稲わらの家、トラクタードライブ体験、ライブ……。自然を生かした充実の内容にびっくり。夫と縁ができたから観られた新世界でした。

記事は雑誌ソトコト2019年2月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

文 ● 黒島慶子
イラスト ● 宮本貴史

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黒島慶子 

くろしま・けいこ
醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー。小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときから小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、様々な人やコトを結びつけ続ける。2017年7月6日に、愛知県の幡豆で無農薬で大豆と米を育て、米・豆・麦の麹を作る『宮本農園・みやもと糀店』の宮本貴史と結婚。高橋万太郎との共著『醤油本』を出版。