スマイルアフリカプロジェクト
2019.11.18 UP

連載 | スマイル アフリカ プロジェクト | 123 千葉市立大森小学校と、徳之島町立井之川中学校で行われたシューズ回収レポート。

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「スマイル アフリカ プロジェクト」を支えてくれる全国の学校会員。
今回は千葉市立大森小学校と、鹿児島県の離島にある徳之島町立井之川中学校で行われたシューズ回収レポートです。
アフリカの子どもたちがおかれた現状を学び、そのことは自分たちの暮らしを見直すきっかけにもなったようです。

授業でアフリカの現状を学んだ児童や生徒たち。

 「スマイル アフリカ プロジェクトが、よい学習の場になったと感じます」。プロジェクトの学校会員から、こんな声をいただいた。

 千葉市立大森小学校は2013年からプロジェクトに参加し、これまでに計865足ものシューズを寄贈してくれている。回収にあたり、まずはアフリカでのプロジェクト活動をまとめた映像資料を授業で観賞し、意見を交換しながらアフリカの現状を学び、環境問題に取り組んできた。アフリカでは拙悪な環境のもと、裸足の生活を余儀なくされている子どももいることを知らされ、児童は驚き、さまざまな思いを巡らせるという。

千葉市立大森小学校で行われた、「スマイル アフリカ プロジェクト」製作の映像資料を使った環境授業。
千葉市立大森小学校で行われた、「スマイル アフリカ プロジェクト」製作の映像資料を使った環境授業。

 担当教員は、「児童にとって、自分たちの生活を見直すいいきっかけになっています。自分たちはいかに恵まれた生活を送っているのか、物を大切にすることにどんな意味があるのか、そのことに気づいてくれたと思います」と話す。

 授業を受けた3年生が書いた感想文から、いくつかの声を紹介したい。

 「日本の小学校ではくつをはいているから、石があっても、走ったり遊んだりしても痛くありません」「くつをはくことや、ほかにもあたり前に生活していることがとても幸せなんだと思いました」

 さらに、自分たちの今の暮らし方を見直し、考えてくれた。「私たちに今すぐできるのは、物を大切にすることだと思います」。

 そして多くの児童がこれからもプロジェクトに協力し、「アフリカの子どもの笑顏が見たい」と書いてくれていた。

児童が書いた感想文やアフリカへのメッセージ。
児童が書いた感想文やアフリカへのメッセージ。

こんなに役立つなんて、知らなかった。

 鹿児島県の離島にある全校生徒27名の徳之島町立井之川中学校からも、プロジェクトをとおした環境授業の成果が届けられた。

 生徒会を中心に、プロジェクトへの参加を呼びかけるポスターとそれを貼ったシューズ回収箱をつくり、昨年5月から12月までの月1回、回収の呼びかけを重ねた。

徳之島町立井之川中学校の環境学習とシューズ回収。生徒会の本部役員たちがどのようにシューズを回収するか、このプロジェクトをとおして何を学ぶべきかを話し合って考えた。
徳之島町立井之川中学校の環境学習とシューズ回収。生徒会の本部役員たちがどのようにシューズを回収するか、このプロジェクトをとおして何を学ぶべきかを話し合って考えた。

 授業では映像資料で知ったことをもとに、グループごとのディスカッションをし、その結果を発表し合った。そして、アフリカへの子どもたちに心を寄せ、生徒たちはこんな感想を書いてくれた。

 「今の僕にはどうすることもできないが、せめてアフリカの人たちのために、募金や靴の寄付をしたい」「靴をはかないことで足にケガを負って、そこから感染し、死んでしまうこともあると聞き、心が痛くなりました。私たちの靴でケガに苦しんでほしくないと思いました」

徳之島町立井之川中学校の環境学習とシューズ回収。生徒会の本部役員たちがどのようにシューズを回収するか、このプロジェクトをとおして何を学ぶべきかを話し合って考えた。
徳之島町立井之川中学校の環境学習とシューズ回収。生徒会の本部役員たちがどのようにシューズを回収するか、このプロジェクトをとおして何を学ぶべきかを話し合って考えた。

 また、プロジェクトの意義やその成果について書いてくれた生徒もいて心強い。

 「使わなくなった靴を届けるという取り組みはとても素晴らしくて、優しいなと思いました」「ふだん履いている靴が、こんなに役立つなんて知らなかった」

 彼らが学習したことは、将来の日本とアフリカの友好の絆へとつながっていくと信じて疑わない。

記事は雑誌ソトコト2019年6月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

photographs by Seiji Inoue
text by Katsuyuki Kuroi

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黒井克行

くろい・かつゆき
1958年北海道出身。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て、ノンフィクション作家に。主な著書に、『高橋尚子 夢はきっとかなう』(学習研究社)、『テンカウント』(幻冬舎文庫)、『男の引き際』(新潮新書)、『日野原新老人野球団』(幻冬舎)など。日本大学法学部非常勤講師も務める。