赤ちゃん連れの移動に慣れると、旅も気軽に行けるようになる。
2019.11.27 UP

連載 | 田舎と田舎の二拠点生活 | 21 赤ちゃん連れの移動に慣れると、旅も気軽に行けるようになる。

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 今年3月末、初めて娘を連れて、東京へ1泊2日の出張をした。産前は赤ちゃんがいてはしばらく旅に行けないだろうと思っていたが、産後10回にわたって赤ちゃんと二拠点を移動してきたことで、いつの間にやら移動に慣れ、問題なく出張を終えることができた。自信がついたので、今後はどんどん家族で旅に出る予定だ。

移動するコツを伝授。

 赤ちゃんがいると、すべての行為が大変になる。お手洗いに行くことも、ご飯を食べることも、そして公共交通機関に乗ることも。「大変」を克服するために、自宅は赤ちゃん対策が少しずつ整っていくものの、旅先ではその対策がないので出かけることに腰を重くするママは多い。

 移動手段を考える最大のポイントは、赤ちゃんが泣くことへの対策。そこで私は、人様にご迷惑がかからない「車」と、赤ちゃんが泣いた時にデッキに逃げられる新幹線やフェリーを主に利用する。どうしても必要な時は「途中下車」という逃げ道がある電車やバスを使用。逃げ道のない飛行機と高速艇はまだ使ったことがない。

 赤ちゃんと移動するコツがたくさんあるなか、長距離に便利な「新幹線」の克服方法を書こう。

 まず、指定席で席を確保しよう。赤ちゃんを抱っこしたまま立ちっぱなしは疲れるし危ない。デッキに出るとしても、荷物が置けるので便利だ。その際、席は移動しやすい通路側がおすすめ。列はデッキ近くから順に狙うが、進行方向から1列目は避ける。全席に電源と広いテーブルがあるのでサラリーマンが使うことが多く、赤ちゃんがいると気まずいからだ。さらに授乳などに使える「多目的室」が近い車両もおすすめ。なお、新幹線の大半のトイレにオムツ交換台が装備されているので、オムツ交換は気軽にできる。ベビーカーを利用する人は、ベビーカーが置ける席があるので狙おう。

 このように、新幹線を挙げるだけで書き切れないほどコツがあるのだが、赤ちゃんと旅をするうえで一番大切になるのは、日々の赤ちゃんの観察だ。当たり前の話だけれど、赤ちゃんは日々変化するので移動の対策も変わる。例えば私の娘の場合、3か月頃まではお乳を飲んでいれば静かだったが、今では食欲より人や物に対する好奇心が上回るため、授乳をさせようとすると嫌がって泣き叫ぶ。何が一番の対策になるかも赤ちゃんによってバラバラ。おもちゃ、動画、窓の景色、いないいないばあなど、日頃ご機嫌になる方法を活かそう。いざ困ったら周りの人に甘えよう。

 移動の回数を重ねた分だけ、慣れてコツをつかみ、二拠点ならず、いろいろ場所に行き、いろいろ人に会えるようになる。狭い世界に息苦しさを感じるママがいたら、ぜひ少しずつ外に出てみてほしい。

ある日の新米夫婦

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 東京では、家族三人で打ち合わせをしに行ったり、レストラン『INUA』を見学したり、夫が総勢80人を前に麹のレクチャーをするなど、盛りだくさんのことができ、多くの出会いに恵まれた。なお、夫にとって娘と県外に出るのは初めて。出張中の娘を見て安心したのか、「家族で旅に出られるね!」と、今後の旅プランを思い巡りながら家に向かった。

記事は雑誌ソトコト2019年6月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

文 ● 黒島慶子
イラスト ● 宮本貴史

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黒島慶子 

くろしま・けいこ
醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー。小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときから小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、様々な人やコトを結びつけ続ける。2017年7月6日に、愛知県の幡豆で無農薬で大豆と米を育て、米・豆・麦の麹を作る『宮本農園・みやもと糀店』の宮本貴史と結婚。高橋万太郎との共著『醤油本』を出版。