二拠点それぞれで必要な「かかりつけ医」。ー田舎と田舎の二拠点生活22
2019.12.01 UP

田舎と田舎の二拠点生活 二拠点それぞれで必要な「かかりつけ医」。ー田舎と田舎の二拠点生活22

LOCAL

 病気になったときにパパッと的確に対応してもらえるよう、普段からお医者さんに気軽に何でも相談できる関係を築くことが大切。そして、当然ながら住む拠点がいくつかあるなら、拠点ごとにかかりつけ医が必要になってくる。

偶然にも両方にいた娘のかかりつけ医。

 娘が8か月の時に小豆島で受けた定期検診で「お母さんからもらった免疫が切れて、病気にかかりやすくなるから気をつけて」とアドバイスをもらい、幡豆がある西尾市でもちゃんとかかりつけ医がいるのか確認された。小豆島に住民票がある娘は、定期検診や予防接種を小豆島で受けているうえに、一度も病気になったことがない。だから気にかけてくれたのだ。「かかりつけ医?」と、一瞬止まる。意識をしたことがなかった。焦りながら頭の中の記憶を思い巡り、「あります」とホッとしながら答えた。

 偶然ながらあるのだ。なぜなら、娘は幡豆がある西尾市の病院で生まれており、新生児の時はその病院の小児科に通っていた。娘が3、4か月の時に母乳外来として通ったこともある。そもそも妊婦の時から診てもらっているので、看護師さんや先生と気軽に相談できる関係になっている。

 実家がある小豆島ではなく西尾市で出産したのは夫の側で産みたかったからであり、「かかりつけ医」などまったく考えていなかったが、もし小豆島で産んでいたら、西尾市に娘のことを知ってくれている病院も、気軽に相談できる病院もなかった。西尾市で産んでよかった! と心の底から思った。

自分では判断ができない、家族のかかりつけ医こそ必要。

 検診の時に指摘してくれたからやっと意識した呑気な私だけれど、やはりかかりつけ医は大切だ。特に赤ちゃんは。親とは別の人であるうえに、「赤ちゃん」という大人には想像しきれない身体。体調も崩しやすい。まだしゃべれないので「痛い」「気持ち悪い」など、具体的な症状を伝えてくれもしない。そのうえで、何かあった時は親が対応するしかない。読者の皆様のほうがきちんとしているとは思うけれど、いざとなった時に救えるよう、病気になる前からかかりつけ医を見つけておくことを強くお薦めする。

 これから見つける場合は、これまでのかかりつけ医から新拠点の病院を紹介してもらったり、新拠点の何人かの知人から教えてもらうのがお薦め。田舎の人は、病院のことをよく知っている。

 なお、私自身の新拠点でのかかりつけ医は、歯医者しかない。なんとかなるか! と思ってしまっている。このズボラの性格を直すかかりつけ医が必要かも(笑)。

ある日の新米夫婦

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 『みやもと糀店』は、春から秋にかけて原材料である大豆と米を無農薬・無肥料で育てている。農作業が好きな私は、赤ちゃんがいても農作業をしたい! と、おんぶ紐で娘を背負いながらできることがあるか夫にたびたび確認し、できることがあれば田畑に出発。やっぱり農作業は気持ちがいい。そしてその後のご飯がおいしい!

記事は雑誌ソトコト2019年7月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

文 ● 黒島慶子
イラスト ● 宮本貴史

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黒島慶子 

くろしま・けいこ
醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー。小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときから小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、様々な人やコトを結びつけ続ける。2017年7月6日に、愛知県の幡豆で無農薬で大豆と米を育て、米・豆・麦の麹を作る『宮本農園・みやもと糀店』の宮本貴史と結婚。高橋万太郎との共著『醤油本』を出版。