スマイルアフリカプロジェクト
2019.12.10 UP

連載 | スマイル アフリカ プロジェクト | 120 東京と名古屋の小学校で行われた、シューズ回収活動。子どもたちにはたくさんの気づきがありました。

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全国に広がる「スマイル アフリカ プロジェクト」の学校会員。
それぞれの学校では、アフリカの子どもたちの暮らしの実情がわかる、プロジェクト監修のDVD観賞や環境授業を行い、校内でシューズ回収活動をしてくれています。
そのなかから、東京都内と名古屋市内の小学校で行われたシューズ回収活動のレポートをお届けします。

学校会員から届いたシューズ回収レポート。

 活動開始から今年でちょうど10年の節目を迎える「スマイル アフリカ プロジェクト」。思いも新たに日本とアフリカとの懸け橋役を担うが、継続してアフリカにシューズを送ることができたのは、シューズ寄贈をしてくれる方がいてこそのことだ。

 なかでも子どもたちからシューズを集めるための大きな力となっていただいている学校会員は235校(2019年1月現在)を数え、支援の輪が全国に広がる。あらためて感謝したい。そんな学校会員から届いたシューズ回収レポートを紹介する。

 東京都の荒川区立第一日暮里小学校では昨年6月に、シューズ回収活動とプロジェクト監修のDVD観賞を通じて5年と6年生、計61人に環境授業を行った。

プロジェクト監修のDVD観賞で、アフリカの子どもたちがどうしてシューズが必要なのかを学ぶ。
プロジェクト監修のDVD観賞で、アフリカの子どもたちがどうしてシューズが必要なのかを学ぶ。

 「アフリカは未開発のように思われるが、都市部もあり、自動車産業の拠点もある。生物は相互の関係性、バランスのうえで生きている。人も同じ。もっと広く、世界の人々に目を向けましょう」

 校長先生からの講話に、児童の誰もが興味深そうに聞き入っていた。初めて聞くアフリカの話に、驚いた表情の児童もいたそうだ。

 シューズ回収は、児童代表委員会の児童を中心に毎朝、1週間にわたって行われ、56足が寄せられた。このような活動経験は始めてで、「集めて・学んで・送る」の1サイクルは貴重な体験だったようだ。今後も続けたいという。

荒川区立第一日暮里小学校で行われたシューズ回収で集まったシューズと、シューズ回収にがんばってくれた児童たち。
荒川区立第一日暮里小学校で行われたシューズ回収で集まったシューズと、シューズ回収にがんばってくれた児童たち。

 また、授業を受けた男子児童は、要約となるが、こんな感想文を書いてくれた。「日本は地震が多く、人が亡くなることもあるが、恐れるだけでなく勇気を持って前に進まなければいけない。だれかが見守ってくれていると信じていれば、人は勇気を奮うことができる。スラムの子どもは困ったことがあったら日本のぼくを思い出して」。

 心優しい女子児童からのメッセージも頂いた。

 「初めてボランティア活動に参加しましたが、困った人がいたら、国境を越えて助け合うことができるんだと思いました。私たちが送ったくつを履いて、元気に楽しく運動してほしいです」

 アフリカにこのまま伝えたい。

児童が書いてくれた感想文。地球上に生きる人と人のつながり、自然とのつながりを大切にしなければいけない、ということを書いてくれた児童も多かった。
児童が書いてくれた感想文。地球上に生きる人と人のつながり、自然とのつながりを大切にしなければいけない、ということを書いてくれた児童も多かった。

これからは、くつを大切に使います。

 愛知県の名古屋市立志段味西小学校からもレポートが届いた。昨年9月の学校開放日に1年〜6年生、計100人が参加してシューズ回収が行われた。併せて、PTAの集会の中で保護者に向けても環境について考える授業を行い、家庭と学校を挙げての回収活動となったという。67足ものシューズが集まった。

名古屋市立志段味西小学校でのシューズ回収の様子。
名古屋市立志段味西小学校でのシューズ回収の様子。

 こちらも要約となるが、4年生の女子児童は、「なぜ、くつを送るのか。感染症から足を守るためでくつの大切さを知りました。自分がくつを買う時にそんなことを考えもしませんでした。これからくつを大切に使おうと思いました」という感想文を書いてくれた。

 また、5年生の姉と1年生の弟の姉弟は、「私のくつでたくさん走ったりとんだりして遊んでね。私のくつが役に立ってうれしいよ。けがや病気に気をつけて、元気に勉強がんばろうね」と書き、人気漫画キャラクターのイラストも描き添えてくれた。

 こうしてシューズをとおし、国境を越えて同年代が支え合うことに明るい将来を予感させられた。

名古屋市立志段味西小学校での感想文。感想文では「くつが役立ってくれてうれしい。これからはほかのプロジェクトにも参加してみようと思う」「世界にはシューズをはけなくて困っている人がいるんだなと思った。これからは、はかなくなったシューズのリサイクルを心がけようと思う」といったことを書いてくれた児童もいた。
名古屋市立志段味西小学校での感想文。感想文では「くつが役立ってくれてうれしい。これからはほかのプロジェクトにも参加してみようと思う」「世界にはシューズをはけなくて困っている人がいるんだなと思った。これからは、はかなくなったシューズのリサイクルを心がけようと思う」といったことを書いてくれた児童もいた。

 

記事は雑誌ソトコト2019年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

text by Katsuyuki Kuroi

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黒井克行

くろい・かつゆき
1958年北海道出身。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て、ノンフィクション作家に。主な著書に、『高橋尚子 夢はきっとかなう』(学習研究社)、『テンカウント』(幻冬舎文庫)、『男の引き際』(新潮新書)、『日野原新老人野球団』(幻冬舎)など。日本大学法学部非常勤講師も務める。