大長レモンのマーマレード
2020.01.11 UP

連載 | SUSTAINABLE DESIGN 大長レモンのマーマレード 瀬戸内の島とイギリスを結ぶマーマレード。

SUSTAINABILITY

 瀬戸内海で100年以上前から「大長みかん」の島として、ひっそりと歴史を刻む島がある。広島県呉市にある大崎下島。毎年11月を過ぎる頃から島中のみかん畑でせっせと収穫をする農家さんを見かけるようになる。みかんの島では冬が終わる頃まで、険しい斜面での収穫作業が黙々と続く。

 そんな忙しい冬の傍らで、島の老若男女の間では、旬の柑橘を使ったジャムやマーマレードづくりが密かに盛んである。

 なかでも84歳になるアツカさんは、ジャムを作り続けて17年以上。いつも笑顔いっぱいのアツカさんとイギリス国際マーマレード大会に挑戦したのは、2017年。以前にロンドンで出合った、ほろ苦さがなんともたまらないマーマレードを日本でも食べたいと、アツカさんに試作をお願いしたところ、これが入賞。翌年、英国から大会主催者が島を訪れ、子どもたちとマーマレードのワークショップが始まった。国や世代、性別を超えるマーマレードづくりは、まだまだ島の可能性を広げてくれそうだ。

 大長レモンの皮と身をふんだんに使ってつくったマーマレード。ウィスキーを入れることで甘さがまろやかになり、コクのある仕上がりに。トーストだけでなく、肉料理にも合う。

記事は雑誌ソトコト2020年2月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

photograph by Tom Miyagawa Coulton
text by Mai Miyagawa

キーワード

宮川 真伊

みやがわ・まい
三重県出身。イギリス人の夫と海沿いの暮らしに憧れ、瀬戸内海の大崎下島へ地域おこし協力隊隊員として移住。昨年、イングリッシュカフェ『The Tea Cosy』をオープン。