素材探求黒とろろ昆布
2020.02.14 UP

連載 | SUSTAINABLE DESIGN 素材探求黒とろろ昆布 つながりが育んだ、昆布の文化。

LOCAL

 先日、富山県滑川市でランチを取材した時のこと。温かいそばの横にあった、真っ黒なおにぎりに目が釘付けになった。お店の人に聞いたところ、これは地元でよく食べられている昆布のおにぎりだ、とのこと。ほどよくお酢が効いた昆布があとを引くおいしさで、取材後すぐに近所のスーパーで購入した。ごはんのお供にもぴったりで、我が家の定番になっている。 

 富山県では、ほかにも昆布締めなど多くの料理で昆布が使われており、全国有数の昆布消費量を誇っている。とはいえ昆布がたくさん採れるわけではない。ではなぜ?始まりは、江戸時代に日本海を回っていた北前船に積まれていた北海道の昆布を、富山の人が買っていたことだという。その後、明治時代には多くの富山県民が北海道に渡り、昆布漁に従事。富山への帰省の際、昆布を持ち帰っていた。北海道とのつながりが、富山の食卓に昆布を定着させたのだ。これからは昆布が結んだ「つながり」にも思いを馳せながら、食べ続けていきたい。

 富山県高岡市にある、創業72年の昆布屋さん『室屋』の「素材探求黒とろろ昆布」でつくったおにぎり。原材料は昆布とお酢だけなので、おいしいだけでなく、 身体にもやさしい。

記事は雑誌ソトコト2020年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

photograph & text by Miho Soga

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曽我 美穂

そが・みほ
雑誌やウェブサイト向けに、環境に関する取材、執筆などをおこなっているエコライター。私生活では2009年と12年生まれの2児の母でもある。現在、富山県在住。