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「白い森」で描く、小国と私のこれから。

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「白い森」と呼ばれる美しいブナが広がる山形県・小国町を舞台に、彩り豊かな自然の恩恵を受けたサスティナブルな暮らしを学ぶ「白い森サスティナブルデザインスクール」が開催されました。現地を訪れた受講生たちは、何を感じ、小国町とのどんな関わり方を見つけたのでしょうか。

五感で触れる、秋の小国とそこでの生活。

山形県の西南端に位置する小国町。飯豊朝日連峰に抱かれ、町土の約90パーセントにもなるブナを中心とした広葉樹の森が広がる。この地と都市部在住者をつなぐ「白い森サスティナブルデザインスクール」が2021年7月から開催された。夏に訪れてから3か月後、2回目の現地入りとなる3日間のフィールドワークが始まった。紅葉や一面の稲穂など、実りの多い秋の小国に出合える。
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町の南部に位置する飯豊連峰。山に囲まれ轟く川の音と澄んだ空気に、自然と呼吸も深くなる。
1日目、小国で自然と共存しながら生活している事業者や、新たに始まったまちづくりプロジェクトなどの活動先、計5か所に分かれて「弟子入り体験」を行う。「弟子入り」という言葉に少し背筋を伸ばして、訪問先と真剣に向き合う受講生たち。その場所の目的や取り組んでいる方々の思いを理解し、実際に汗をかく。「あっという間で、もっと小国を知りたい気持ちが強くなりました」。そう語るのは、空き家を改装し遊び場をつくる「ひみつきちプロジェクト」に弟子入りした小泉勇輔さん。関われたことへの充実感と、秘密基地完成への期待感で顔がほころぶ。
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弟子入り体験。雨露で潤う小国の植物を大切に摘んでいく。
2日目は、まちの中心で行われる「再エネ☆フェス2021」に参加。メンターとして講座を伴走している髙橋泰弘さんが主催者として関わる、自然エネルギーの地産地消を考えるイベントだ。1日目の訪問先も出店しているため、教わった内容を活かしながら、ワークショップや販売のお手伝いをさせてもらう。受講生たちはイベントに集まった多くの町民たちと交流することで、にぎやかなまちの雰囲気やそこでの生活を感じ取ることができたようだ。
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「再エネ☆フェス」では地元の高校生たちと一緒に準備した。
その後は「白い森」の由来でもある、ブナの森を訪ねる。小国町役場の遠藤愛さんから「五感をフルに使ってこの森に触れてみてください」と案内される。耳をすませ、土や植物に触れ、大きく息を吸い、受講生たちは精いっぱい五感を使ってブナの森と向き合っていた。
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「白い森」こと、ブナの森「温身平」は、全国初の森林セラピー基地に認定されている。
最終日はこの2日間で学んだことを受講生同士で共有。講師やメンターに相談しながら、自分と小国との関わり方「マイ小国プラン」を創造していく。
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3日間を振り返り共有することで、小国とどう関わるか、少しずつ見えてきた受講生。

小国で感じたものを、一生懸命に描く。

現地フィールドワークから1か月後、「有楽町SAAI Wonder Working Community」を会場に、プラン発表会を兼ねた公開イベント「リトルおぐに」が開催された。受講生たちが知り合いを呼び、プレゼンテーションや、ワークショップ、スナックに見立てた飲食物の提供など、それぞれ小国との関わり方を実際に表現し、町に対する思いを伝える。受講生たち十人十色の視点と発表に、講師である弊誌編集長の指出一正は「実際に小国で心動いたことを、皆さんが自分らしく表現してくれたので、血が通った心つかまれるプランになった」と評した。講座は修了したが、受講生同士で「次は冬の小国に行こう!」と呼びかけ合う。また新たな関わりが生まれそうだ。
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「リトルおぐに」にて、受講生各々が小国との関わり方プランを発表。五感を使ったワークショップが実施された。

メンター 髙橋泰弘さんより

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メンターの高橋さん(前列中央)。受講生たちと一緒に。
今回のフィールドワークでは、子どもたちがいる活気ある小国も見てもらいました。山の豊かさ、広大さがあって、今があります。そのことをしっかり理解し、小国の生活が成り立っていることが伝わっていたらうれしいです。
photographs by Masaru Mizushima & SOTOKOTO、text by SOTOKOTO (Mioko Ito)
記事は雑誌ソトコト2022年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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