「ライク・ア・バードokitama」第5弾

特集 | 自分らしい価値観に出会う映像の旅。「ライク・ア・バードokitama」 | 「ライク・ア・バードokitama」第5弾 アウトドアスタイル・クリエイター四角友里さんと訪ねる、白い森輝く小国町

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2022.03.28

-イザベラバードのように、軽やかな一羽の鳥のように。自分らしい価値観に出会う映像の旅。

19世紀末、明治初期の日本にひとりの英国人女性探検家が訪れました。彼女の名前はイザベラ・バード。海外旅行が一般的ではなく、女性の自由が今よりはるかに制限された時代にもかかわらず、軽やかにしなやかに世界中に飛び回った女性でした。その道中を記録した『日本奥地紀行』の中で「東洋のアルカディア(理想郷)」と称賛された山形県・置賜(おきたま)地方を舞台に、「現在のイザベラ・バード」と呼びたくなるような、新しいライフスタイルを歩む女性たちが旅をします。

山とともに生きる白い森、小国町。

イザベラ・バードは明治11年(1878年)7月中旬に新潟より十三峠を越えて山形県小国町に入りました。小国町は飯豊(いいで)連峰と朝日連峰に挟まれ、ブナの森に囲まれています。

バードは通訳のイトウとともに旅をしていますが、地名を必ず訪ね、聞き取った発音で記録しています。「okuni(正しくは”おぐに”)」、「yamagataken」という記述があります。

バードが通った白い木肌のブナ林の山道は、冬はしんしんと降りつもる雪があたり一面を埋め尽くし、まさに白い森となります。

―「ライク・ア・バードokitama」では山形県外からやってくる女性が、とまり木を渡る鳥のような旅をします。

今回は、「山スカート」を世に広め、女性のためのアウトドア普及活動をしているアウトドアスタイル・クリエイターの四角友里さんが小国町を訪れます。

山をフィールドにしている四角さんには、山に囲まれて生活している小国町はどのように映るのでしょうか。

「ライク・ア・バードokitama」第5弾 アウトドアスタイル・クリエイター四角友里さんと訪ねる、白い森輝く小国町

四角さんが小国町を訪れたのは2022年2月14日から16日。日中の気温でも平均-0.6度、町並みは雪化粧をし、旅路の移動で走る道路も2mを超える雪壁で一面が真っ白です。

この旅で出会った女性たちをご紹介します。

江口ちひろさん(高橋農園)
川崎ひかりさん(おやつや Naëbaco)
蛯原紘子さん(小国町役場・猟友会)
舟山康名さん(刺繍作家 Kukka クッカ・小国町移住者コミュニティ「つむぐ」代表)
村山小百合さん(おぐに白い森株式会社・PEAKヨガスタジオ)
横山尚美さん(民宿奥川入)

江口ちひろさん(高橋農園)

江口さんは小国町出身。新潟に進学就職し、その後結婚。しかし実家の近くにいたいという気持ちから家族を連れてUターンをしました。幼い頃から休みがない農家にコンプレックスがあったという江口さんは帰省後3年間、街中にあるまちの駅に勤務していました。そこで販売されている農産物の生産者と触れていくうちに、自分も作り手になりたいと5年前に父に弟子入りし就農しました。「親の力にもなれるし、自分で生み出すことができる素晴らしい環境なんだ」という思いになりました。

現在は自分の牛舎をひとつ管理し、黒毛和牛の繁殖農家をしています。肥育農家が求めているベストな状態を目指しながら仔牛の世話をします。

「牛が懐いてくれる喜びとか命の大切さを感じる」と、初めての出荷の時は感慨深く、泣いたこともありました。

そして今では自分の名前の米や、鶏舎も管理しており、自身でパック詰めした卵も販売しています。

町の魚屋で廃棄されるアラや豆腐屋で余ったおからを発酵させて鶏の餌にするなど、資源の循環のことも考えます。

積雪が3メートルを超える牛舎の周りを父親の潤一さんが除雪していました。

江口さんは両親が今まで苦労して育ててくれたことに感謝をしています。その恩を両親に返しお互いに助け合って生きて、住んでいる好きな叶水(かのみず)地区で、動物たちと暮らしていきたいという思いがあります。

川崎ひかりさん(おやつや Naëbaco)

川崎さんは小国町出身で2010年から8年間、スイスで暮らしていました。スイスで結婚、出産ののち、日本とスイスとの2拠点生活を考え、家族とともに故郷に移住しました。

夫であるセドリックさんの趣味は、映画鑑賞。近くに映画館がなければ自分たちでそんな場所を作ればいいと考え、改築した牛小屋にスクリーンを設置し、週1回の上映会をしていました。

人が集まる場所にお菓子を提供できたらと、スイスにいる時に創作料理店で働いた経験を活かして『おやつやNaëbaco」を2021年にオープンしました。自分の畑で育てた野菜やハーブを使ったお菓子を提供しています。

店内はセドリックさんが淹れるコーヒーの香りに包まれています。

りんごのパイとチョコレートのパイ、マリーゴールドをあしらったクッキーはスパイスでカルダモンを効かせています。

店のコンセプトは「アルパージュ」。フランス語で、山岳高地の夏季牧場や高地への移牧を意味します。アルプス地方では夏の期間、酪農家は家畜と一緒に涼しい高地に移動して山小屋で過ごします。そしてハイキング客を目当てにカフェを開くそうです。

店名は、米を作るときに最初に種を蒔く「苗箱」に由来しています。「米作りでいろいろなものが機械化されているなか、苗箱だけは変わらず種を蒔いて芽吹く場所です」のこと。

屋根から落ちた雪が、店の2階まで届いています。

3月になると気温が上がって溶けた雪の表面が放射冷却で固く凍ることがあり、足が埋まらずに積もった雪の表面を歩ける「凍(し)み雪渡り」ができるそう。

「凍み雪渡りで2階まで積もった雪の上を歩くと近くの山の上まですぐに行けて、空を飛んでいるみたい」と川崎さんは語ります。

蛯原紘子さん(小国町役場職員・猟師)

蛯原さんは熊本県の出身。父親が山好きで一緒に登っていたそうです。蛯原さんはもともと山に関心があり動物が好きで絵を描くために山形市内の東北芸術工科大学に入学しました。在学中にマタギの研究をしていた先生に同行して、初めて熊狩りを体験しました。

その後、小国町に移住し、町役場に勤務する傍ら、猟に同行し学び続けました。女人禁制だったにもかかわらず、3年ほどしてマタギの先輩に認められ、女性として初めて仲間入りして10年が経ちました。

自分ひとりで獲物を仕留めるのではなく、仲間とチームを組んで獲物を取ることに大きな魅力を感じています。親方が保守的ではなくて、マタギの世界も現代にあったかたちで人を広く受け入れていこうという人物だったのでマタギになれた、と蛯原さんは言います。

山に入るときは、山の神様に手を合わせてから猟に向かいます。

「先輩と一緒に山を歩いていると山に対する情報量が違い、その知識と技術に憧れました」と当時を語ります。

マタギの熊鍋。きちんと処理された熊肉は独特の獣臭さがなく、このときはネギ・白菜・ごぼう・しめじを入れて、肉がホロホロになったところで食べました。

舟山康名さん(刺繍作家 Kukka・小国町移住者コミュニティ「つむぐ」代表)

舟山さんは埼玉県出身。2017年に結婚を機に夫の実家である小国町に移住しました。

子育てをしながら、趣味で作りためていた刺繍作品を2020年からSNSで発信していたところ、徐々にオーダーが入るようになり、作家として活動するようになりました。

四角さんも「ライク・ア・バードokitama」のロゴの刺繍の最後の仕上げにチャレンジします。

また作家活動を始めた同年に小国町移住者コミュニティ『つむぐ』を立ち上げ、代表も務めます。

小国町に来たときに友達が作れず、共通の話題で盛り上がることが出来なかったことを変えたいと思い、女性たちが情報交換できるLINEグループを立ち上げました。今では男性も含めてメンバーは50人。誰が発信してもいいことになっています。たとえば「柿がいっぱい取れたからあげます」とか、「明日お茶会をするので来てください」といった気軽なものから、年一回のマルシェの企画運営など、友達作りの場として子どもの年齢が近いことや近所に住んでいることなどをきっかけに仲良くなり、輪が広がるシステムを作っています。

「これから小国町に興味を持ってくれた人が実際に移住した人たちから話を聞けるのはすごく貴重だと思っていて、そういうことで役に立てればと思います」と舟山さん。

村上小百合さん(おぐに白い森株式会社・PEAKヨガスタジオ)

『全米ヨガアライアンス(RYT200)』ヨガインストラクターの資格を持っている村上さんは群馬県出身。2012年に17年住んだカナダから夫の故郷である小国町に移住しました。

「自然に感謝して、人間や大地とつながるストーリーが大切」と語る村上さんは、四角さんと自然の中でヨガをすることに。「どこでもできるのがヨガの原点」と続けます。

この日はぼたん雪が降っていて前が見えないほど。2人は大地と一体化する木のポーズで雪上ヨガを行いました。

横山尚美さん(民宿奥川入)

『民宿奥川入(おくかわいり)』に嫁いだ横山さんは、現役マタギの夫・長男とともに民宿を経営しています。宿では熊鍋やしし鍋を食べることができ、そのほかにも山の恵みたっぷりの季節の料理が味わえます。

遠方からの客を積極的に受け入れ、長期滞在者も多く、コンセプトは“奥川入家族を作ろう”。宿泊客にとって第二の実家のような存在であり続けたいと横山さんは願っています。

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