弊誌『ソトコト』は、地方自治体との取り組みでさまざまな「関係人口講座」を運営しています。現在受講生を募集中の「高知・鏡川 RYOMA流域学校」もそのひとつ。高知県高知市内を流れる鏡川を舞台に、流域に暮らす方が「持続可能な鏡川流域の未来」とそのための関わり方を考える全4回の講座です。コロナ禍により、地元を観光したり地域の魅力を再発見したりといったマイクロツーリズムのニーズが高まったことを受けて始まりました。今回は、2021年に第1期生として受講した永野正和さんに、鏡川の魅力や講座を振り返っての感想をお聞きしました。
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川好きの少年のまま大人になった。
永野正和さんは高知市生まれ。実家が仁淀川と鏡川に近く、どちらも自転車で遊びに行ける距離でした。小中学生のころは、毎年夏になると家族で川に遊びに行っていたそうです。
「鏡川では、飛び込んで泳いだり、魚を取って遊んだりしました。ナマズを取るのが特に楽しい。川に潜って、岩の陰に隠れているナマズを探してモリで突くのですが、頭は固いから柔らかいお腹を狙います。息が続く限り潜ってナマズと忍耐勝負ですね。取れたナマズは鮮魚店に持ち込んでさばいてもらい、かば焼きで食べました。ウナギみたいでおいしいですよ。鏡川の実家に近いエリアは、今でもどの岩の下にナマズが住んでいるのか覚えています。それくらい、よく遊びました」
「小さい頃から川で遊んできたから、今でも川が好き。東京にいても川遊びがしたかったけれど、関東の川は人が多すぎるし、帰りの渋滞を覚悟しなくてはいけないのでつらいです。それに、きれいな川に行こうと思うと奥多摩など山奥まで行かなくてはいけないのも大変でした」
幼い頃の鏡川での原体験が、永野さんを高知に呼び戻しました。
東京から高知に戻ってしばらくは実家に住みつつ、より川に近い場所、主に仁淀川沿いにいい家がないか探していたという永野さん。そんな頃、新聞の折り込みチラシで「高知・鏡川 RYOMA流域学校」を知ったそうです。
「県内で川といえば四万十川や仁淀川が有名なので、鏡川が舞台の講座と知って驚きました。ちょうど川に関わるイベントなどに参加したいと思っていたところだったので、参加を決めました」
そしてその後、鏡川中流域の築110年の古民家と巡り合い、引っ越すことが決まったそうです。
鏡川を楽しんでいる仲間との出会い。
永野さんは、講座に何を期待して受講したのでしょうか。
「四万十川や仁淀川だけじゃなくて、鏡川も素敵な川だということをたくさんの人に知ってもらいたかった。そのために自分にできることがこの講座で見つかるかもしれないと思いました。購入した鏡川沿いの古民家の改修を手伝ってくれる人が見つからないかな、という期待もありました。一緒にDIYしたり、川で遊んだり、そんな仲間が欲しかった」と、受講当時の思いを振り返ります。
「実際に参加してみて、鏡川に興味を持っている人や、すでにさまざまなかたちで鏡川を楽しんでいる人、もっとよい場所にしたいと考え活動している人が、思っていたよりたくさんいるんだな、と知りました。そんな人たちと出会えたことが収穫ですね」
受講生の中には、永野さんと同じように鏡川沿いに古民家を買い、自分の住みやすいように改修している先輩がいて、大きな刺激を受けたといいます。
「古民家改修を特集している雑誌やWEBサイトを見るとどれもとてもおしゃれで、自分にはハードルが高すぎる、と二の足を踏んでしまうところがありました。理想と現実のギャップに、気持ちが萎えてしまうことも。けれど彼は、『まずやってみよう』と動いて、自分のできる範囲で家に手を入れていた。雑誌みたいにおしゃれじゃなくても、とりあえずやってみればいい、と背中を押してもらえました」
「庭に五右衛門風呂を作りたくて、脱衣所用の小屋も作る予定です。小屋づくりの時にはまた声をかけて手伝ってもらえればと思っています」と、ワクワクする計画を話してくれました。
鏡川とのつながり、今とこれから。
「川沿いを車で通って市内に通勤しています。鏡川を毎日見ていますが、見飽きることなく、毎日きれいだなと思っています」
「車には常に水着と温泉セットを乗せてあります。仕事の合間に川にザブンと入って、その後またスーツを着て仕事に戻る、なんてこともありました」
「夏の間は、夜のカワエビ取りを楽しみました。ヘッドライトで照らして、目が赤く光るのを頼りに網ですくいます。泳ぎが得意な人なら日中、巣穴に棒を差し込んで、怒って出てきたところを捕まえられますよ」
「道の駅やスーパーマーケットで買ってきたお惣菜などを河原で食べて、テントを立てずにそのまま寝転がって過ごすのも気持ちよくて好きです」
鏡川について尋ねると、楽しい話がどんどん出てきて、本当に川沿いの生活を満喫されていることが分かります。
「バイクが趣味なので、いずれこの場所でライダーズカフェをやってみたいんです。大々的に広報などせず、友人やその知り合いなどを相手にゆったりと。最近コーヒーの焙煎を始めました。山水を使って入れたコーヒーのおいしさを、自分一人で楽しむのではなく、鏡川を訪れた人と共有できたらと思っています」
「全国の自治体で導入されている地域通貨のシステム。他の自治体ではどういう使われ方をしているのかをアプリ内で確認することができるのが強みだと思います。高知市だけで頑張るのではなく、成功している地域の真似をしながら盛り上げていけますよね」
「ライダーズカフェでコーヒーを提供する代わりにコインをもらう、古民家の改修を手伝ってくれた人にコインを渡す、などのコミュニケーションツールとして使うことができそうですね」とも話してくれました。
高知と東京を行ったり来たりしてきたこれまでの生活ですが、今後はどのように考えているのでしょうか。
「今はもう東京への未練はありません。今後も鏡川を楽しみつつ、この場所に腰を落ち着けて暮らそうと思っています。そのためにも、今の住まいを居心地よく改修していきたいですね。手伝ってくれる仲間、募集中です!」
鏡川に育まれてきた永野さんの、落ち着く場所はやはり鏡川でした。この講座を通じて出会った人や経験が、鏡川での生活を彩る一助になっているのであればとてもうれしいことです。
第2期受講生募集中!
今後住まいの古民家を、断熱効果を高めたり、薪ストーブを入れたりと、居心地よく住みやすい家に改修したいと考えており、一緒に作業してくれる仲間を探しているところだそうです。
「鏡川に関わってみたくて、古民家改修にも興味がある人は、ぜひ講座に参加してお話ししましょう。もちろん、鏡川の楽しみ方もお伝えできます。僕だけが知っているオススメスポットも教えますよ」と言ってくださっています。
「鏡川を楽しみつつ、地域との自分らしい関わり方を探してみたい」
「永野さんから鏡川の魅力を聞いたり、古民家改修を手伝ったりしてみたい」
そんな方はぜひ、「高知・鏡川 RYOMA流域学校」を受講してみてください!
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首都圏や高知市以外にお住まいの方は、編集術を学んで鏡川の魅力を発信する講座「エディットKAGAMIGAWA」へどうぞ!
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