「ローカル三匹が行く」第3話 山梨県甲府市|初開催の夏祭りで、失敗を恐れずチャレンジすることを学ぶ。

「ローカル三匹が行く」第3話 山梨県甲府市|初開催の夏祭りで、失敗を恐れずチャレンジすることを学ぶ。

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2023.01.17

自治体からの依頼で関係人口創出のための講座などの企画・運営を担当している『ソトコト』事業部の新人ディレクター3人が、謎の人物・キミネリからのミッションに奮闘しながら、人に出会いローカルを知る少しドタバタの “関係人口コメディ” ストーリー。3回目の今回は山梨県甲府市を舞台に、地域の夏祭りを盛り上げるお手伝いをしてきました。

残暑が厳しい、とある夏の日の朝。
事業部のシマムラが、パソコンの前で頭を抱えています。

???「シマムラ君、関係人口講座の運営は順調かね?」

シマムラ「この声は!?」

キミネリ「やあやあ」

シマムラ「キミネリさん! びっくりした、いつもどこから現れるんですか。いやあ、実は昨日も都内でワークショップがありまして。受講生たちによく、『自分の好きなことからローカルとの関わり方を見つけよう』って伝えているんですけど、『そう言うあなただったら何をするの』なんて聞かれたらどうしよう……と、ドキドキすることがあります(笑)」

キミネリ「なるほど。それは実践を積むしかないよね。そんなシマムラ君にぴったりの地域があるから行ってみたらどうだい?」

そう言ってキミネリが取り出したのは、山梨・甲府行きの特急券。

シマムラ「甲府ですか! 行ったことあるようで、なかったなあ。とりあえず行ってみよう」

キミネリ「頑張りたまえ。そうそう、前回イトウ君が忘れた、釣りスポットの情報もよろしく」

こうして、新宿駅から特急に飛び乗ったシマムラ。都内を通過し山間を抜けると、1時間半ほどで到着しました。

???「ソトコトさんですか!? ようこそいらっしゃいました!」

颯爽と登場し迎えてくださったのは、今回のミッションのご依頼人である七澤喜和(ななさわ きわ)さん。甲府市内に拠点を置き、不動産業や地域活性化事業、古民家リノベーション事業を行うMafora estate株式会社(以下、『Mafora estate』)の代表取締役です。『Mafora estate』は地域密着型の事業展開を見据え、グループ前会長の地元である山形県甲府市で起業しました。

『Mafora estate』代表取締役の七澤喜和さん。

シマムラ「はじめまして、よろしくお願いします! なんだかよく分からずに来てしまいましたが、今回はどんなお手伝いをすればいいのでしょうか?」

七澤さん「実は今日、『Mafora estate』主催の夏祭りがあるんです。ここ数年、コロナ禍で地域の子どもや若い人たちが遊べる機会があまりなかったので、みんなが挑戦できる場を大人が自らつくることで、地域を明るい雰囲気にしたいと思って企画しました。初めての試みですが、社員や地域の皆さんの力をお借りして、数ヶ月前から準備してきました。ソトコトさんにも一緒にお祭りを盛り上げてほしくて、今回キミネリさんにお願いしたんです」

シマムラ「みんなが挑戦できる場か……七澤さんの思い、素敵だなあ。私も何かやってみたいけど、どうしよう……」

モヤモヤとしながら、まずは夏祭りの会場となる広場を案内してもらいました。

シマムラ「……!?」

目の前に広がっていたのは、おしゃれなBGMと共に芝生の上に佇むアウトドア用のテント、お菓子の詰め合わせやおもちゃが並んだ楽しそうなブース、その周りを囲む小川やビオトープ、茅葺屋根の立派な東屋など、さまざまな要素が詰まった空間でした。

夏祭りと聞いていたのに、なにやらフェスでも始まるかのような、穏やかで清々しい自由な空気が流れていました。

広場や周辺スポットについてお話を聞き、しばらく見学することに。

6年前、県外の茅葺職人や漆喰佐官職人などの技術士と共に一から作り上げた東屋。
東屋の横のビオトープから水が引かれ、敷地内の反対側にある田んぼまで小川のように繋がっています。
池の中には、魚やザリガニなどが生息。人口で作られたビオトープですが、自然に生き物がやって来て、独自の生態系が作られているそうです。
今回の夏祭りの見どころの一つであるライトアップ。『Mafora estate』の社員さんが得意とする分野で、前日の夜から電球や配線の取り付けなど入念な準備が進んでいました。
ライトアップ後の光景が楽しみです。

その後も続々と地元飲食店のキッチンカーがやって来るなど、準備は大詰め。シマムラがのんびり見学している間にも、七澤さんは関係者への声かけや最終チェックに奔走していました。

シマムラ「みんな、自分の趣味や得意なことを持ち寄って、できることをやっているんだな。私がこの場でできることと言えば……そうだ!」

そうしてシマムラが “四次元ポケット”から取り出したのは、トランペット。

実はトランペットを吹くのが趣味。

シマムラ「地元・埼玉のお祭りでもたまに吹いてるんですよ。あんまり自信はないですが……」

七澤さん「いいですね! やってみることが大事です!」

そして、いよいよお祭りがスタート。どんどんお客さんがやって来て、子供たちもヨーヨーすくいやくじ引きなどで盛り上がっています。

シマムラ「みんな楽しそう。演奏、聞いてもらえるかな?」

そう呟きながら、隅でひっそり練習を始めます。

七澤さん「あ、ちなみに今日は、アカペラの方をお呼びしているんですよ。以前はプロのクラシック歌手として活躍されていたそうです」

シマムラ「それは素敵ですね!(プレッシャーがすごい……!)」


お祭りが始まってしばらくした頃、七澤さんのオープニング挨拶から始まり、いよいよ演奏に。

トップバッターで「赤とんぼ」のアカペラを披露した石井さん。美しい歌声に癒されつつも、ますます緊張が高まります。

七澤さん「続いては、ソトコト事業部のシマムラさんが、トランペットを演奏してくれます」

シマムラ「(もう、やるしかない!)」

シマムラ「今日はお招きいただきありがとうございます。お子さんでも楽しんでもらえるような曲を用意しました。」

そうして披露したのは、「ミッキマウスマーチ」と映画「崖の上のポニョ」の主題歌。
緊張して多少間違えつつも、何とか演奏し終えました。

近くで聞いていた子どもたちも、曲に合わせて打楽器で遊んでくれました。

シマムラ「終わった! 反省もあるけど、やり切った!!」

そうして何とか出番を終えたシマムラ。その後は、子どもたちが楽しそうにスイカ割りをする様子を見たり、運営を手伝ったりと、すっかりリラックスモードに。

スイカ割りで大人も子どもも大盛り上がり。
演奏した時の緊張感は忘れ、運営の手伝いに徹するシマムラ。
夕方になると会場の雰囲気も少しずつ変わって来ました。
『Mafora eatate』の社員さんが準備していたライトアップは、まるでホテルの光のような幻想的な光景を生み出していました。
木に映し出された花火のプロジェクションマッピングを眺める親子。こちらも『Mafora estate』の技術を活かして作られたもので、花火大会の開催も難しいご時世にうれしいサプライズでした。

お祭りの終盤は、参加した人それぞれが思い思いにお祭りの雰囲気を楽しんでいました。広い敷地内を走り回る子どもたちや、中には大人と一緒にスタッフ役に回る子どももいたり、大人同士でも話が弾んだりと、年齢や役割に関係なく、誰もが楽しめる場となっていました。

会社が持つノウハウや社員さんの趣味、遠方から来たボランティアのみなさんの力が結集された夏祭り。その裏には、地元を盛り上げたいという思いと共に、社内や地域の人々との信頼関係を地道に築き上げて行動してきた七澤さんの努力があったのだと感じました。


夏祭り終了後……

七澤さん「今日はありがとうございました! 来年以降も続けていきます。そのうち本当にフェスみたいにしていきたいので、またお願いしますね!」

シマムラ「え、あ、はい! 次回はブラッシュアップして来ます!」



今回のミッションも無事(?)、クリアしたシマムラ。東京に帰り、キミネリに報告します。

シマムラ「キミネリさん〜!」

キミネリ「やあ、清々しい顔をして帰ってきたね」

シマムラ「はい、出来映えはともかくとして、自分の中でも新しいことに挑戦できて、貴重な機会をいただきました。次の目標も見えて来た気がします」

キミネリ「それはよかった。で、釣りスポットはあったかい?」

シマムラ「あ……釣りスポットではないですが、魚やザリガニなどの生き物が住む、美しいビオトープがありましたよ。おすすめです!」

キミネリ「……求めていたものとちょっと違うけど、それはそれで見たいから行ってみるか」

シマムラ「はい、ぜひ!」


ソトコトオンラインの連載コーナー「ローカル三匹が行く」では、事業ディレクターの3人に依頼したいミッションを募集しています!自治体、まちづくり団体、NPO、一般企業など規模や形態に制限はありません。

「人手が足りないので手伝ってほしい」「困っていることがあって相談に乗ってほしい」「地域の魅力を発信してほしい」など、お気軽にお問い合わせください!ミッションをクリアする当日の様子を取材させていただき、後日ソトコトオンラインにて事後記事として掲載させていただきます。

ご依頼は下記まで。



photographs by Mao Ogawa
text by Yukari Shimamura(SOTOKOTO)