まちの人事部長の配置配属とは

連載 | ながれやまlab.‐まちをみんなでつくる‐ | 7 まちの人事部長の配置配属とは

前回は、研修を終えた後もヒトがmachiminに残る理由を紹介しました。今回は、残ってくれたヒトとmachimin2-4で何をしていきたいのか、なぜ複数展開を進めるのか、について書きたいと思います。

「したい」という尊い気持ちを行動に変え検証するlab.


連載のタイトルにある“lab.”には、『誰も正解を持っていないからこそ、自分で実験をする。失敗も多いけど、もしかしたら欲しい“自分の正解”が見つかるかもしれない。少なくとも実践の中で何かしら得られるものがある。』という意味合いを込めています。この実験を生活圏内で行うことで、①地域側からみればまちに参与するヒトが増え、まちがよくなる、②個人側からみればプロジェクトを一緒に進める仲間=地域内でのつながりが増え、ダイレクトに自分自身や家庭環境に好影響がある、ということがポイントです。


「こんなのがあったらいいけど、ない」「こういう条件なので、しかたない」「わたしには、そんな力ない」といった制約=架空の壁を前に、やりたいことや欲しいものを諦めているヒトは意外と多いでしょう。でも、実はその壁って意外と壊せるんです!それを体感してもらうきっかけとして、「楽しそう」「これなら、私にもはじめられそう」「もしかして、できるかもしれない」「やってみても、損はない」と思える参加型のプロジェクト=lab.をmachiminというバショで多数企画しています。そのテーマを「まちづくり/まちがよくなること」に設定しているため、自分のためでありながら他人のためにもなって、まちづくりをするヒトが増えていくというシンプルな仕掛けです。


トタン
※Google Street Viewより参照

トタンを塗る


塗り終わったトタン


塗り終わったトタンの絵


途端に集まる人々
流鉄流山駅を囲う赤錆トタン壁100mを使って英アーティストと住民で巨大壁画(観光コンテンツ)を制作

まちづくりをするヒトは、まちを学校と捉えたときの“センセイ”


「ちょっとやってみようかな」という個人の気持ちから始まるlab.の挑戦は、失敗の改善を無理なく積み重ねていくことで進みますが、それを主体的に楽しんでいるヒト=スタッフは、なぜかとても魅力的です。(その存在こそがmachiminの魅力にもなっているくらいです。)心理的に制約になっている壁が「架空」だったことを証明してくれるヒトたちの考え方や生き方は、他人に気付きや学びを提供することさえあり、教科書のない授業を展開するセンセイのような存在です。machiminを1年半運営し、たくさんの人に研修に参加してもらう中で、私自身がセンセイにしたいと思えるヒトがたくさん登場しています。


ただし、コミュニティスペース 兼 観光案内所として(スタッフの橋本さんと)スタートしたmachiminに、複数のlab.やセンセイが共存していると、「結局、何をしている場所なのかよくわからない」と言われることが増えてきました。大切なのは“1人のセンセイにつき1つのバショ=教室”をもつことで、つまり、①そこに参加したいと思う人にとってわかりやすいバショにすること、②各教室のlab.機能を強化すること、だと思っています。


親子


教室


machiminを4つに分解し運営していく


「したい」という気持ちを叶えるには、ふんわりぼんやりしている妄想の世界の解像度を上げることが重要です。研修では具体的に、現実的に、小さな一歩からできるように因数分解して伝え、時には一緒に進みます。これまでは、現machimin(今後はmachimin1になる)を運営しながら、将来的にまちのセンセイになっていく個人が“本当は何がしたいのか”、“何が強みで弱みなのか”、“活動を継続するにはどんな条件が必須なのか” を探りつつ研修を行ってきました。そして、複数のヒトが研修を終えた今、machimin1で蓄積してきたlab.の各機能をセンセイ単位で一気に因数分解していく予定です。


●machimin1:流鉄流山駅舎の旧タクシー車庫を改装し、“おばあちゃん家の縁側のような観光案内所”というコンセプトで、#Ryutetsu Area walking lab. を進めるバショを、橋本センセイと


●machimin2:初石駅の空き家を改装し、“サザエさんとドラえもんがいそうな駆け込み寺”というコンセプトで、#廃材アップサイクルラボ を進めるバショを、小林センセイと


●machimin3:machimin田んぼの一部にテントを立て、“自分とみんなの公園”というコンセプトで、#こめとやさいとくらすラボ を進めるバショを、岩根センセイと


●machimin4:空き土地にコンテナを置き、“家から近くのシェア貸別荘”というコンセプトで、#あそびとくらすラボ を進めるバショを、Oセンセイと


そして、流山産品のみりん活用方法を研究しmachiminの運営費を稼ぐ柱事業に成長した #本みりん研究所 を、佐藤センセイと共に全てのmachiminに付随させていきます。


田んぼで遊ぶ子供たち


田んぼに集まる人々


配置配属の目的は、ヒトの成果を発揮しやすくし、拡大・持続可能なものにしていくこと


各lab. には研修中の仲間が参加していくことになるので、そこからまた新たなセンセイが登場し輩出される様を見届ける2020年になるでしょう。そして、公民館・廃校・マンションやアパートの一階・空き店舗など「ここをmachiminにしてもらえませんか?」という声がきっと集まるはずだと非常に前向きな妄想をしています。自分のためでありながら他人のためにもなるまちづくり活動を、ビジネスにすることで持続可能な形にしていきたいのです。


私は(自称)株式会社流山市の人事部長として、まちづくりをするヒトの採用と、“まちのヒト研修”でまちのセンセイ(=地域リーダー)の育成を行ったあとは、『正しく配置配属する』ということをしていきます。それが伝わればいいなと思いこの記事を書きました。おっと、文字数の限界が来ていますので、この辺で(笑)。次回は、配置配属をする上で具体的に行っていることを事例を交えてお伝えできればと思います。

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